満足度★★★★★
問題提起は鋭く、作風はコミカルの妙
人は生まれた時から死ぬ運命にある。人の一生とは何か、まさしく”生まれ出る悩み”である。そして、多くの人は「死」を迎える前に老いという期間を少なからず過ごすことになる。
いずれ人は老いるが、その時にこの芝居にあるような特別養護老人ホームに出会えれば、と思わせるような心温まる物語。
現実には重苦しいテーマであるが、あえて明るく介護の仕事を描き、職員の人たちが遣り甲斐を持ち生き活きと働いていることに安心感を覚える。一方で介護を巡る環境・労働条件の厳しいこともしっかり訴える、という社会派の側面も見せてくれた。介護…それは高齢化社会において行政はもちろん個人の生活においても大きな課題である。それは、家族を介護することは、仕事以上に大変であったと悲哀をもって語ったことに凝縮されている。全体的にコミカルな作風であるが、その底流にある問題提起は鋭く、大変見応えのある公演であった。
満足度★★★★★
FINALなんてもったいない!
介護の現場を笑いと涙を交えつつ、分かりやすく教えてもらえた作品でした。舞台奥のカーテンの開閉で、スムーズにシーンが変わる手法もよかったです。今回で「ギンノキヲク」シリーズが最終章ということですが、もっと観たいなぁ~。
満足度★★★★★
感無量
本当に良かった。ラビット番長はほとんど見ています。
「天召し」を見れなかったのは本当に残念。最近はあまり外に出ることも出来ません。理由は介護です。不安でしたが時間を作って良かった。
本当に救われました。ありがとうございました。
これからの発展をお祈りしています。
第二章、期待しています。
満足度★★★★★
理解度
シリーズ物の最後という事で、やはり作品に対する理解度が格段に違う。ベテラン組の味のある芝居に、新人達のやる気が役と重なって良い効果を上げていたと思う。現場でしかわからない様々な出来事、その忍耐と努力には頭が下がる。
こういう仕事への理解、また介護というものに向き合ったとき、こんな舞台観ていれば、少しは前向きでいられるんじゃないかと・・・反省を含めて思う。私もFINALとは言わず、第2段、または番外編、など続けていって欲しい作品だと思う。
満足度★★★★★
ストレート
ストーリーは定番という感じですが、それ故に、ストレートに心に響きました。老若男女、全ての年代の人が楽しめる、愛の溢れる素敵な舞台でした。高齢化社会について、親の介護について、そして自分が介護される立場になったら・・等、色々考えさせられました。笑いあり、涙ありで、観終わった後は、何だか心が温かくなり、優しい気持ちになれる気がしました。井保さんは、心の温かい、人間として大きな人なんだろうなぁ・・と感じました。素晴らしい舞台でした!
満足度★★★★
人生の終演?を
介護に携わる人に世話にならず迎えられる人が何人いるのだろう。
素材として身近で大きな問題だけど実際に介護職を経験してきた井保さんだから描ける内容だし、少し型破りな仕事ぶりも実体験なんだろうなぁ。
私が知っている介護職の人達は「紀陽の里」のスタッフほど神対応ではないけど、家族では対応できないことをプロとしてこなしてしまうし、もっと厚待遇であってもおかしくないんじゃないという思いを観劇してより強くした。
そう言えばよしもと芸人に介護エンターテイナーなる方がいるみたいだが、ラビット番長と共に問題提起してもらうのもいいのでは…
満足度★★★★★
初見
さすが、評判の高い劇団だけあって完成度の高い作品だった。高齢化社会とどう向き合うか? 時間の差はあるものの、誰もが避けては通れない切実なテーマを直視させられる。しかし、人間愛に溢れたストーリー展開は観る者すべてに優しい心、素直な気持ちを植え付け、笑って泣いて終演を迎えたときには、気持ちが浄化されていた。途中の場面転換もカーテンを使う、アイデアもので、暗転は一回しかなかったので気持ちが途切れることなく集中して観ることが出来た。エンディングの演出(選曲も含めて)も見事で、観客の心が一つになった。
満足度★★★★★
笑ってなければやっていけない!
劇中で池田が言ったこの台詞が介護士皆の気持ちを代弁しているように思う。
現代社会において重要な仕事であることは誰もが認めているにもかかわらず、厳しい労働条件の中、自分が必要とされているという充実感だけがこの仕事を続けている理由だという経験者の言葉は本当に”深さと重さ”を感じます。
この芝居が皆に受け入れられるのは、本質はチラリと見せる程度で、将来への明るさを感じさせる所だと思います。その象徴が、東海ドリアンズの福田、彼の成長していく姿は頼もしい!皆が興味を持てるような脚本と演出とても上手でした。次シリーズのギンノキオク2待ってます!
満足度★★★★★
人柄?
ギンノキヲクシリーズだがファイナルにするには惜しい。福祉関係の企業は絶対に買う!
今回の公演は言葉がリアル。ヘルパーさん、利用者、家族、それぞれの心境で感情移入した。
番長(親しみを込めてそう呼びます)の介護と舞台に真剣に向き合ってきた人柄を感じた。
満足度★★★★★
ケチをつけるとすると・・・
劇場がちょっと遠いかなって感じるのと、
観客席後ろで自尊心と虚栄心の混じった私語を、
時々上演中にしていた御仁が煩わしかったぐらいでしょうか。
あっ作品内容には関係ないですね(^^;)
お話は大変出来がよくて気に入った内容であり、
認知症の方への声かけの仕方などは、
某公共放送の番組でも手本に出来るような内容であるなぁ
って思いました。
(これがまた悪い例も先に見せてくれるのでほんと判り易かったです)
笑いの差し込み方も上手で物語を堪能できました。
これで終わっちゃうんですか・・・パート2とか、
今度は救命士の話とか(AEDの使い方講座とか上手そうに思えたんで)
したりしたら、いいのになぁって勝手に思ったりもしてしまいました。
満足度★★★★★
さすがは人気作品
ラビット番長は何作か観てきたけれど,代表作ともいえるこのシリーズは初観劇。ファイナルがシリーズ初観劇というのもどうかと思うが,それはさておき・・・なるほどなぁ,人気作品と云えるのはわかるよね。自分はまだまだ遠い先とは思っているが,生きている以上対象者となってしまう。いや,それ以前に親をどうするよ,って問題もある。親族としても職業としても,自分はあーいうふうに優しくはなれない。その事実が自分に重くのしかかってくる。考えていかなければいけない問題。でも突きつけてはいないんだよね。優しく包み込むような問題提起。よくできた作品です。オススメです。それにしても,池袋演劇祭,今年は良い作品が多いなぁ(嬉しい)。
満足度★★★★
身につまされる
ラビット番長の人気シリーズも、今回で一応、ファイナルだ。流石に安定した作りである。が、自分は、其処に不満を感じた部分がある。今作で気に入った役者は3人、作・演出も手掛ける井保 三兎さん、福田役の福田 貴之さん、そして、ヘルパー役の西川 智宏さんだ。作・演出を手掛ける井保 三兎さんが、実際に介護の仕事に就いていたからこそ、書ける作品ではあろう。
劇作家になっても、人の心を思い遣る気持ちや、その想像力の質が、相手の立場に立って考えるという点は、介護職の時も、今も、余り変わらないのではないか。そう感じさせる想像力の劇である。と同時に、描かれている方々には、実際のモデルがあるとか。