満足度★★★★★
二つの世代から浮かぶ女性が生きる質感
強かな仕掛けをもった戯曲だと思います。
また、それを空間に広げる役者さんたちの、それぞれの力量にも惚れ惚れ。
女性が歩む時間を内と外から眺める立体感があって、ガッツリと魅入りました。
満足度★★★★
ベテランと若手の競演が見事です
通夜の台所を舞台にしたコメディ。
青年座創立60周年記念公演ということで、俳優さんの企画による3つの公演がうたれたAct3Dという企画の三作目。
劇団ONEOR8の田村孝裕さんを作・演出に迎え、ベテラン女優、若手女優に、唯一の男優、山崎秀樹さんを加えた、入り込みやすいコメディ作品に仕上がっています。
田村孝裕さんの脚本作品は、2013年に公開された、市井昌秀監督、星野源、夏帆主演の映画、「箱入り息子の恋」を拝見したくらい(しかもあれは共同脚本でしたかね?)で、舞台作品を見るのは初めてでした。
「箱入り息子の恋」と同様に、シチュエーションとセリフで笑いを取るスタイルで、芝居にはすっと入り込めます。
ベテラン女優と若手女優の競演作品ですが、ベテラン陣の力の抜けた芝居がとても安心して見られます。
マニアックな見所は、回想シーンの修羅場で、柱の側で話の成り行きを見守る、小百合役の尾美美詞さんの、人の不幸を喜ぶ底意地の悪い表情と、片岡富枝さんを凌駕する女の捨てっぷりでしょうか(笑)
満足度★★★★
結構多彩な登場人物がいるので理解が大変
・・・かしら?
でも個性的で楽しく親しめるキャラクターが笑わせてくれた約2時間
それにしても上演中に友人と話すのはマナー違反だよ隣のお兄さん、
前かがみになるのもね~。
満足度★★★★
ウェルメイドな葬儀コメディ
ある会社の三代目社長だった男が死に、三人の姉妹や奥さんをはじめ、男にゆかりの深い女たちが通夜の晩の台所で男の秘密を暴露し合う、会話主体の割合オーソドックスな葬儀コメディ。
ただ、緻密な脚本と凝った演出、そして青年座の大御所女優たちによる絶妙な掛け合いが多大なる相乗効果を生んで、引き込む、引き込む!
これまで観てこなかったタイプのお芝居でしたが、最後まで飽きることなく楽しめました。
満足度★★★★
カラッとした笑い
最近では少ない、カラッと笑える作品でした。
かなり年季の入った女優さんたちの演技が、なんとも言えず味わい深く、人間味あふれていて良かったです。
お葬式で発覚する色々な事実。
ドロドロした人間模様になりがちな内容なのですが、さらっと気持ちよく流してあり、言葉は悪いかもしれませんが爽快でした。
役者さんたちは2役を演じ分けたり大変だったと思いますが、傍で見る立場の私たちとしては、次々に起こっていることが滑稽であり、ありうることであり、しみじみすることであり、楽しませて頂けました。
ラストのテープの演出では、じ~んとなりました。
満足度★★★★★
新しい試みで青年座のポテンシャルの高さを感じさせてくれたAct3D企画公演
ONEOR8の田村さんの描く作品世界と青年座の持ち味がとてもよくマッチングしていて、今回の企画連続公演の中で最も青年座らしい約2時間の公演でした。この作品を観ながら、田村さんの作・演出で以前他で拝見したレディースクリニックが舞台の「おしるし」という作品につながるところもあるかなと思ったりもしました。
また、今回の三者三様のおもしろいAct3D企画公演を通して観て、各作品の作・演出をセットで外部の同じ方が行っている新しい試みやAct.1からAct.2、Act.3へとよく考えられた演目順序、そのレパートリーの広さなども含め、新しい風を入れたいというこの企画の目的は大いに達せられたのではないでしょうか。