満足度★★★★
安心、安全
何ひとつ心配のいらない、確かな内容はストレスフリー。良かったなぁ、安定してて。演出はいいとこ取りだし、いろいろ心当たりのあるセリフにも内心ニヤニヤしてしまった。ただ座ってるシーンでは前の観客の頭でほぼほぼ見えなかったのが、少し残念でしたけど、かといって一番前であのラストシーンを観るのは・・・・・無理無理~~~ぎゃ~~~直視できん!!
満足度★★★★
夢に出て来そうなシーン多数。
普段はギャラリーとして使われてるハコでの公演、妙にドライでエロティックな照明のもと最初に役者が空間に入ってくる、その瞬間からなんかもう面白かった。
出来る役者が四匹。ねっとりと胃にもたれる、あるいはサクッと軽い、そんな緩急自在に展開する芝居も観ていて楽しかった。
「顔」は誰のモノなのか、「整形」を題材に展開されるお話。
自分はあまり出来のいい顔じゃないけど、その顔から逃げてみるとどうなるのか、とかちょっと考えちゃったり。
最近読んだ鷲田清一の『ちぐはぐな身体』とも重なる部分が多かったのは妙な偶然(まあ鷲田先生の場合あんなことだったらいつでも書いてるけど)。
満足度★★★★
アイデンティティー
シンプルな設えの中での90分弱の4人芝居というコンパクトな作りで、趣向を凝らした脚本と演出によるブラックユーモアが楽しく怖かったです。
醜い顔の為に自身が開発した製品のプレゼンに立たせて貰えない男が、手術によって美しい顔になってポジティヴそして傲慢になって行くものの、同じ手術を受けて同じ顔になった人達が街に現れ始めて自己の存在について確信が持てなくなる物語で、美醜の価値やアイデンティティーについて考えさせられる内容でした。
エロティックな表現や下ネタが観客の気を引く為の表層的なものではなく、テーマに上手く絡めてあるのも洒落ていました。
出演者は常に舞台上にいて、主人公以外の3人の役者は何役かを瞬時に切り替えながら進行するのですが、それが手法的な面白さだけでなく、アイデンティティーについて問い掛ける作品の内容にも対応しているのが良かったです。
ライブカメラを使った映像がシンプルながら効果的で、手術シーンの独創的な手法や、終盤の自己が無限後退するイメージが印象的でした。
小道具で使われていた果物が顔のパーツを想起させるだけでなく、ドイツ語では頭と関連がある(何か象徴的な意味が掛けてあるのか気になってアフタートークで質問したところ、そういう返答でした)のが、興味深かったのですが、作中ではそれが分からないのが勿体なく思いました。
グラフィカルなファブリックを用いた衣装がファッショナブルで素敵でした。
満足度★★★★
コミカルな見せ場も大人のエロスも堂々
白く四角い小空間にLED照明、生中継の映像、水、紙などの気の利いた小道具で、シャープな会話劇に。コミカルな見せ場も大人のエロスも堂々で良かった。
このドイツ戯曲を観るのは三度目。2007年初演でテーマは自己同一性。設定も展開も面白く30ヶ国で上演されている。演出の長谷川寧さんがトークで言及されたように、今では少し古さも感じる。それが何故なのか(人間はどう変化したか)を考えられる。あまりに容易になったコピー、共有財産化など。