満足度★★★★★
希望を捨ててはダメ、絶対に。
【感想】
圧倒されました。記憶喪失の女。父親や彼氏の暴力に虐げられる女、情婦、たくさんの携帯電話。
妄想が現実味を帯びていて、本当にあった話なのかと勘違い、錯覚してしまうほど迫真の演技でした。
「即興芝居やアドリブで出た言葉、動作や感情はその人の価値観、人生観や実際に体験したことがとっさに出てくる」
名古屋ローカルの即興ドラマTVバラエティ番組『スジナシ』で鶴瓶さんの言葉です。
今回の岡田あがささんの一人芝居では、脚本も自ら手がけられていました。
ストーリの筋書きやセリフは、岡田さんの人生観を映し出す鏡であると思います。
一人芝居なので、ストーリー進行が自分の思いのままにできる。自分が体験した話でなくても、小説や映画などの話を見聞きして演じられていると思います。リアリティがある。
全身がうちみ、捻挫や筋肉痛にならないように湿布をはって、養生してくださいね。
アフタートークで訊いた今回のテーマについてまとめました。
【テーマ】
この世で一番幸せで不幸な人、それは希望を持ち続けている人である。
希望を持っていても、それが現実となるのはせいぜい2割ぐらいしか叶わない。実現しない希望をたくさん持ち続けていられる人ほど不幸である。
それでもなお希望をあきらめず、ポジティブに生きている人を描きたい。
手に入れたくても、なかなか手に入れられないもの、それは希望である。
人はそれを望み、あこがれ、生きていかなければならない。希望を捨ててはダメ、絶対に。
人とのつながり、接点がない。一人ぼっち。愛されたい、苦しい、痛い、心細い、つらい。
つらいときは妄想する。つらくても、あきらめないための特効薬。
満足度★★★★★
岡田あがさらしいお芝居
彼女のいいところは一見クールに見えて表情豊かなところだと思います。
しかし、空間ゼリーの公演では、
(役柄的にしょうがないのですが)クールな表情しか
見せないところに不満を感じていました。
今回の公演では脚本も自分で書いていたというし、
アドリブ満載で色々な表情の彼女を見ることができたし、
とても満足しています。
自分が自分のために脚本を書いたことで
彼女らしさを最大限に引き出せていたと思います。
満足度★★★★
観客を圧倒するような密度の高さ
約一時間の一人芝居、構築された空間の密度の高さに目を見張りました。
閉塞した空間の中で動く眩いものに惹き込まれて・・・。
終わるころには観客側も消耗していたような・・・。
強さというか力を十分にもった稀有なパフォーマンスだったと思います。