満足度★★★
ロルカの半生を描いたフラメンココンサート
秋に日本初演されるオペラ『アイナダマール』の関連企画のコンサートで、フェデリコ・ガルシア・ロルカが収集したスペイン民謡やロルカ自身が作詞した歌が、踊りや朗読を交えたちょっとした音楽劇仕立ての構成で演奏され、アンダルシア情緒が感じられました。
舞台上に酒場のセット組まれていて、伊礼彼方さんが演じる白いスーツを着たロルカが酒場に訪れて歌と踊りが繰り広げられる合間に半生を語る形式で進行しました。演奏中もロルカがカウンターに佇んでいて、酒を飲んだりタバコを吸ったり新聞を読んだり詩を書いたりしていて、台詞が無くても仕種から感情の動きが伝わってきました。
スペイン語で朗読した『負傷と死(『イグナシオ・サンチェス・メヒーアスへの哀悼歌』より)』で何度も繰り返される「A las cinco de la tarde(午後の五時)」という言葉の響きが印象に残りました。
最後に『アイナダマール』から1曲を演奏しましたが、演技や演出なしで演奏のみだったので、実際の舞台ではこのドラマティックな曲がどの様に演じられるか興味深かったです。
ギターと歌を中心に、ピアノやヴァイオリンが入った演奏はヒターノ(ジプシー)的な雰囲気があって魅力的でした。アントニオ・アロンソさんの長いソロの踊りに物悲しさと力強さがあって良かったです。