満足度★★★★
牛乳地獄「明日まで待てない」観ました
( 再演「冥土ダイバー」から続く )
続いて、新作「明日まで待てない」。
こちらはラノベ的な印象(読んでないけど)。閉じた世界から脱出しようとあがく主人公が、世界の謎に辿り着く。
やや頭で考えた感強し(共感性が弱い?)。話はよかったが、脇役が物分かりよ過ぎな印象も。(あの世界観だから?)
あの環境ならいっそ、全員が主人公と同じ立場の群像劇、というのもありかも。
そして、牛乳地獄と円形劇場ちくさ座は、相性がよかったという発見。
円形を意識した「明日まで待てない」より、むしろ空間と時間を仕切った「冥土ダイバー」の方に巧みさを感じる。
役者では、「冥土ダイバー」のしょうちゃんの身体やテンポ、佐野ちゃんの目力やギアチェンジが特に好みでした\(^o^)/
さて、牛乳地獄は11月に名古屋・大阪で初の二都市公演を行います。
しょうちゃんこと藤村章太郎は、それに先んじて、オレンヂスタ「白黒つかない」へ客演、9月末から10月頭に名古屋・大阪公演に出演。
特に関西方面の皆様、愛知発のこの新鋭劇団を、よろしくお願いいたします!
満足度★★★★★
牛乳地獄「冥土ダイバー」観ました
再演と新作の二本立て公演。
まずは、再演「冥土ダイバー」から。
一年半ぶりに観ても、やはり現時点での牛乳地獄の不朽の名作。
昔のジュブナイルSFの香りが。特殊能力で世界をかき回す主人公が、本当に人間に大事なものに気づく旅路。
主役は当然ながら、今回は明るいヒロインに隠れがちなもう一人の女性キャラが「人間」として注目して観ることができた。
主人公の都合で改変される人生に積み重なっていく負の暴発が、主人公の意識を変える。
初演に比べてゆとりある空間のおかげか。
他の出演者も、堅実に作品に貢献。
高いレベルで意思統一が図られている舞台。
SP水曜劇場などのUSTに載せて、県外の演劇ファンにも目を留めてほしい。再演も。
( 新作(明日まで待てない」に続く )
満足度★★★★★
大変充実した二本立て!!! 大満足です。
だいぶんツボにはまりました。
二本立てですが両作に共通した感想として・・・、集団というものをかなり効果的に使った 舞台ならではの演出はダイナミックでした。印象的だったのはモブで本来背景となるべき役者さん達の演技。非常に密度濃く生き生きとしていいて、話の渦中の主役たちの演技に集中できないほど(笑)、すんごい目移りして楽しかった!
■「冥土ダイバー」は全体としてかなりきれいに纏まった脚本で、良い意味でストレスなく観れました。さすが再演するだけのことはあります。もちろん笑いのツボもしっかり押さえられ、かなりの良作です。楽しい時間を過ごせました。
■一方「明日まで待てない」は一転サスペンスで、楽しさという意味では「冥土ダイバー」に遅れをとりますが、今時の漫喫風刺的な描写から一転非現実な漫画的(笑)展開になるのは意表をつかれました。ただ、主役達の感情・思考の流れに付いて行けるほどの描写がやや足りないと感じられ、個人的には感情移入するまでには至らなかったのが僅かの不満です。もしかしたら、これは周りの脇役達の存在感が強くて、相対的に主役の存在感が薄まっているからなのかもしれません。メリットがデメリットにもなる・・・バランスの問題なんですかね。
■ただ、充実した楽しい時間を過ごせたのは間違いありません。二作の間の繋ぎも工夫してあり、単に二作見る以上のまとまりを見せたのも好印象です。