満足度★★★★★
ミクロの視点から広大なマクロへの広がり
「外」にも「内」にもあるマクロ。
大駱駝艦を観はじめて20年以上になると思うが、その間の数々の作品の中にあって、本作『ムシノホシ』は、間違いなく私の中でのベストに入る作品だ。
満足度★★★★★
初体験は衝撃的!!
初めて大駱駝艦さんと、舞踏劇を目にしました。
観方が分からないかったのでどうなるかと思ったのですが、どんどん作品世界に引き込まれて行きました。
もっとも、自分の観方が拙いので、
「何だか分からないけど、物凄いものを見た!」
と言う位のレベルでしたが…。
小賢しい芸術論で語ってほしくない
(と言いいますか、それでは語りつくせないのは確実1)
圧倒的な存在感と力強さがありました。
この時代に生きられる事。
大駱駝艦さんと共に生きられる時代に、共に生きていられる幸運に感謝した公演でした。
満足度★★★★
虫(6・4)と人間(5)
ほぼ全裸に白塗りという舞踏のスタイルでありながら、あまり舞踏と結び付かないイメージがあるポップなエンターテインメント性もあって、美術と動きから様々なイメージが湧いてくる作品でした。
舞踏手が円形に並び踊るシーンで始まり、日常的な服装を着ているのが新鮮でした。続くシーンでは一気に異世界の様相となり、頭にブリキのヤカンを被った男性舞踏手達が虫の様に地面を移動したり、お玉を目に付けて昆虫の目の様にした格好で現れたり、松尾芭蕉に扮した舞踏手が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだり、白いワンピースに赤い靴の女性舞踏手達が虫取り網を持って可憐に踊ったりと虫にまつわる様々なイメージが幻想的かつユーモラスに繰り広げられました。
終盤、奥の壁に風になびく木の映像が写し出され能舞台を連想させ、次第に能の囃子が聞こえて来て、能の世界にイメージが繋がっていくのが印象的でした。
ラストのシーンでは前身を銀色に塗り、自分の顔写真(白塗りをしていない良い笑顔の写真)を背中に貼り付けた舞踏手達が青い光の中で輝きながら踊り、異次元的な美しさがありました。
5m程の金属パイプを沢山吊って舞台中央に四角形、四隅に円形の小さなエリアを作ってあり、虫篭あるいは牢獄の様でした。照明が当たった時の複雑な反射光が奇麗でした。
5つのエリアに対応して舞踏手のグルーピングも5人単位が中心となっていて、5という数字がム=6とシ=4の間の数字であると同時に、指の数や「五体満足」から人間を連想させて、虫と人間の世界が重ね合わさって見えてのが興味深かったです。