チャージ 公演情報 チャージ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    伝えていくということ
    劇団銅鑼の「チャージ」を観劇しました。
    特に印象的だったのはビル清掃で掃除をする二人の役者さんです。
    実際に、ビル清掃会社へ役者さんたちが勉強しに行かれたそうですが、掃除の仕方が上手い、とかそういうことではなく本当に「楽しそう」でした。やりがいを持って働いているということがありありと見えました。

    また、話の中では仕事に対する責任感だったり、ハプニングが起こった時の結束等も描かれていました。

    劇場銅鑼の伝えたかった「働くこと」についてとても伝わって来ました。

    ゆとり世代について最近よく言われていますし、自分たちがこれから人を育成していく立場になってきて仕事についてどう教えていけばいいのか悩む人も多いと思います。
    これから仕事に就く人たち、新人を育てる人たちに観て頂きたい舞台でした。

    私も、芝居をしていますが、こうして演劇を通じて何かを伝えていくことの素晴らしさを改めて感じることができました。
    ありがとうございました!


  • 満足度★★★

    よく出来たお話
    セットや照明も美しく、ストーリーもわかりやすい。
    高校生に観せるという目的。働くことは生きることというテーマ。
    子供にも大人にも偏らず、押し付けがましくない作品になっていると思いました。ぜひ最近コミュニケーション不足だなぁという親子で観てもらいたい舞台です。

    しかし、もっと芝居の深みが欲しいところ。
    スタイルよくまとまってはいますが、その人間の苦労や闇が見えないので、あまり役者に愛着が湧きません。
    セリフは、響く言葉が多く、主人公の気持ちに合わせてつい嬉しくなったり、悲しくなったりするのですが、どこか俯瞰で観ているようで。
    きっとセリフに共感のない人まで引き込むのは難しいのではないでしょうか。

    大舞台の良さ、悪さが大いに出たかなぁと。

    玄人気取りで偉そうに書いていますが、素敵なストーリーでした。
    楽しかったです。

    ネタバレBOX

    ちょっと気になったところを。

    詐欺師の越田さん、めちゃめちゃ緊張してました。
    詐欺師の顔と、本性との差があまり見えず、しかも冒頭の緊張ぶり。
    悪い人に見えず…役としてはダメかと。
    シングルマザーの美鶴さん、明るくハツラツとした姿は好印象ですが、一児の母に見えません。セリフとしては出てきますが、それだけでは薄く感じました。
    遠藤さんと紘子さんの関係がなんだかそこまでに思えず、紘子さんを放っておけなくて口煩く言う遠藤さんの図がただ嫉妬のような。ただ遥を目の敵にするようにも見え、とても勿体無いと思いました。
    あらすじでは健太さんと遥さんの成長のように書かれていますが、実際の健太さんは従業員の一人でしかなく、一生懸命さは良かったと思いますが、彼の成長にはまるで注目がいきませんでした。

    どうしたらどうなるかなどは分かりませんが…
    思い返して気になったところをまとめてみました。
    自分の肥やしとして頑張っていこうと思います。
  • 劇団 球の小出です
    初めて、自分の劇団の主宰が書いた作品を外から観させて頂きました。
    やはり演出や演者が違うことでかなり、空気は違うように感じましたが、本の持つパワーを存分に感じることが出来ました。
    この作品が全国に回るような大きな作品になることを期待して、自分達ももっともっと俳優という『仕事』を頑張ろうと思いました!

  • 新 労働讃歌 いたんですね、『トイレの神様』は

    ※Aキャスト観劇


    東京中小企業家同友会に『劇団銅羅』が加盟している事実を初めて存じ上げた。

    たしかに法人化する劇団は数多い。その文脈から すれば不思議ではないはずだが、「運送業」「製造業」「清掃業」の業種分けの一つに「演劇」があると思うと、高倉健がアイドル・メンバーを務めるくらい変だ。
    もっとも、正確な分類方法で示せば「興業」というポジションになるのだろう。



    本作『チャージ』舞台セットは清掃会社オフィスである。その周辺は「エネルギー」「単三電池」をイメージする巨大モニュメント。
    パステル・カラーは『劇団銅羅』の得意技であるが、モニュメントについては いわゆる「山羊ビル」と称される都会の商業ビル群に映った。



    アトリエ公演『おかしな二人』(女性版)でも拝見したキャストが杉本 遥役 福井 夏紀だ。とても表情センサーが豊富であり、「天然娘」を演じるには ぴったりな役者だと その当時思った。
    やや難しい解釈をしよう。
    ところが本作『チャージ』だと、22歳の役柄を ふてぶてしく、感情の均一性を保持しながら、その「人間成長」を繊細な身体観により伝えていた。
    制服を どう着るか、どうモップで拭くか、どう挨拶するか…。
    所詮は管理システムの「決まりごと」をめぐる行動規範に過ぎない。いや、むしろ それすら逆手にとり、「『仕事の意義』とは何なのか?」を、自己コントロール手段である「身体」から、遥の「変化」を形式化していったのである。
    個人的には『おかしな二人』(女性版)の「変顔ファン」です。

    ネタバレBOX


    キャスト陣が清掃会社・アークビルサービスを訪れ、一定期間?研修してきたらしい。それは久保 健太役 山形 敏之、佐野 美鶴 役 向 暁子 が意気揚々と作業にあたるビューが証明している。



    小中高・教育機関は「働けば、誰かの役に立つよ。」という道徳教科書のようなテーゼを配布する。それは美徳化だろう。
    実際のところ、人を傷つける反キリスト教的職業も存在するし、「崇高な理念」を謳う職業ほどダークサイドだったりする。
    詐欺師の更正ストーリーが本作『チャージ』だ。では、この詐欺師が「世の中で最も卑屈な職業」かといえば、私は ガッテンがいかない。

    それと、脚本・田口 萌が挨拶文で「舞台上に清掃現場を出現させたこのドラマは、実は同時に演劇人達が必死に働く姿を間近で直接目撃できる絶好のチャンスを生んでいる」と述べていらっしゃったが、俳優が舞台に立ち演技するモーションは「働く」ではない。演劇が総合芸術である以上、「働く」ではなく、「仕事」こそがふさわしい単語だろう。
    アフター・トークに出演した株式会社アークビルサービス社長も こうコメントした。
    『劇団銅鑼』とは「お客様に喜んでもらう“仕事”」だと。

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