フライトNo.2037 公演情報 フライトNo.2037」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    無題1076(14-115)
    14:00の回(曇)。13:16受付(当日券はキャンセル待ちのようでした)、13:18ロビー開場、13:29開場。

    中央に巨大な墓標のようにもみえるオブジェ、椅子(16)。5段の床、中央、左右に段差をつけたシンプルで開放的な舞台。

    14:01SE、14:04空港の搭乗案内を模した前説、14:06下手から男が登場、搭乗客の紹介〜15:22終演。此処は、昨年6月以来(イザベラ・フレヴィンスカのダンス公演)。

    海外の作品は(特定の劇団、作家…だいぶ難解なものが多い…を除き)観ないのですが、本公演は「THEATRE MOMENTS」でいつも素晴らしい作品をみせてくださる佐川さん、中原さんが客演ということを知り観に来ました。突然の海外作品というと、同じこの会場で「ギィ・フォワシィ」の作品(「動機/デモ隊」2013/6)がありました。

    ケネディ空港、2037便、航空機メーカー、管制室、クルー、メディア。

    ネタバレBOX

    仕組まれた事故、乗客とクルーを海の底に沈めライバル企業を破滅に追い込み、残ったものは…

    (現在進行形):韓国客船沈没、消息不明のマレーシア航空370便。浮かぶものは沈み、飛ぶものは落ちる。

    比較的淡々としているように感じましたが、声高に悲劇であることを意識させるのではなく、企業が犯す不正、メディアが追い求めるスクープ、役割を全うするクルー、そして偶然乗り合わせた旅人たちが共有する目的地までの時間、がシンプルな舞台に現れては消え、墓標の影だけが残った、そんな印象でした。
  • 満足度★★★★

    縮図
    80分のセリフ芝居だったけど、最後まで緊張感途切れず。いま、自分が生きている社会の縮図を見た印象。苦くもさわやかな酒を、一気に飲んだような気分。おもしろかった!

  • 満足度★★★★

    侵略国家、アメリカ
     イラク戦争にしてもベトナム戦争にしてもTPPのような経済侵略にしても、デッチあげのマッチポンプで戦争を仕掛けて自国産業を潤し、他国の人々を虫けらのように虐殺して恥じないアメリカの懲りない本質が描かれて面白い。9.11疑惑については自国民であるが、何れにせよ、緊迫感のある舞台に仕上がっている。

    ネタバレBOX

    ケネディー空港を飛び立つ2037便は、ジュネーブ行き。妻が凍った地面で足を滑らせ足指を骨折した為搭乗をキャンセルした老夫婦を除く、乗客141名、機長以下乗員11名のクルー計152名を載せてほぼ定刻に離陸した。
     離陸後1時間ほどでコクピットに機体の異常を知らせるサインが点った。貨物室の電気系統がショートを起こした模様だが、機長は、総ての回線は二重に敷設されている為、大した心配はいらないと判断を下すが、念の為、スチュワーデスだけには連絡、客の機内持ち込み手荷物が落下して怪我をしたりしないよう、それとなく注意を促すことや、出されていた飲料カップの回収、いざという時、通路を塞ぐことがないよう夕食の手配をずらすことなどを指示した。スチュワーデスは、無論、その辺りを上手にこなし、乱気流の発生地帯に入るのでシートベルトをお締め下さい、とアピール、緊急体制をとった。
     然し、事態は益々悪化。機は空港に引き返さざるを得なくなり、直ぐに管制塔に連絡。緊急体制を整えて貰う。操縦席には白煙が立ち込め、手動操縦も難しいが、頗る優秀な機長は、可能なあらゆる手段をとる。管制塔と機の間で交わされる緊迫した交信が緊迫感をいや増す。
     然し、電気系統の損壊は益々激しく、機は、機長、副操縦士の指示に一切、反応しない。終に交信も不能になった。数秒後、レーダーの視界からも機影は消えた。チーフ管制官は、緊急体制解除を通告。緊急事態に対応していた管制官は仕事を終えた。
     以上が、フライトNO.2037事故の顛末である。当然のことながら、事故後、救難体制が取られ、事故調査が進められたが、海中40mに没した機体から引き上げられたフライトレコーダー、ボイスレコーダーの綿密な解析によっても事故の原因は解明されぬまま、悲惨な航空機事故の1ページを増やしたに過ぎなかった。
     然し、こんな噂が立った。アメリカ航空会最大手ファストネット社によるヨーロッパの新興企業アビアトランス社追い落とし、だ。アビアトランス社がこのフライトに成功すれば、アメリカ国内だけで130機に及ぶ機体発注を受ける瀬戸際であった。ライバルであるファストネット社にとっては大打撃である。そこで、事故に見せ掛けてアビアトランス機を墜落させ、機体への信頼を失わせることによる契約解除を狙った。これが、噂が示唆したことだ。して、事実は、噂通りであった。実際、ファストネット社は、プロを雇いアビアトランス社の攻勢を封じる為に、この「事故」を仕組んだのである。貨物室に特殊な装置を仕掛け、ファストネット社会長の最終決定が下れば、装置を作動させることになっていたのだ。事故に見せかける為、管制塔に連絡を取り、墜落までの模様が証拠として残るよう綿密に機体破戒工作は仕組まれていた。無論、空港迄無事に戻れない算段もしてあった。賽は投げられ目論見は成功。機は墜落してアビアトランス社の名声は地に墜ちた。
     追い打ちを掛けるようにファストネット会長は、航空業界を代表して悔やみを述べる。その席で彼は、自社製品の売り込みを掛け、アビアトランス社に事故原因究明迄の営業自粛を要請、自社に不足分を補う用意があることを告げる。
     

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