満足度★★★★
黄金週間はなべげん
コミカルなSF世界と深刻な事故が起こる現実を並行に描く。70分とは思えない重厚さ。主役の三上晴佳さんの“おばあちゃん”たる佇まいが柔らかで、彼女を取り巻く人々もまた自然。工藤由佳子さんは期待通り。今年のF/Tに選ばれて嬉しい。
満足度★★★★★
笑ったら泣け
社会問題を扱ってこんなに笑わせるのはなべげんくらいだろうと思う。
舞台を二層に分けて二つの世界を並走させる構成と演出が素晴らしい。
笑った分だけ結末の衝撃が大きい作品。
その中心にいるのはちっちゃなおばあちゃんを演じる三上春佳である。
ほとんど“作ってる感”ゼロ、まるで素のように座っているのに
完璧な“間”と柔らかな津軽弁で、現代日本の高齢者のありようを抽出して見せる。
終演後台本を買って、下北沢から電車に乗っても私は涙が止まらなかった。
変なおばさんと笑わば笑え、私は今日なべげんを観たのだ。