満足度★★★★
妄烈キネマレコード「おねがい!カイロス」観ました
こりっち舞台芸術まつり2014に、東京外からいち早くエントリーした、愛知の本気度高い若手劇団。(13にもエントリー。残念ながら、どちらも選考漏れ)
バナー広告で、だいぶ露出が増えたはず(笑)
終演後、なぜ彼らにこの芝居を作れたのか、しばらく茫然としてしまった…(アフタートークが始まるまで無表情のままに)
それまでの作風と明らかに違う方向への挑戦。ハイバイ「ある女」を思わせる作品に。
メンタル弱い主人公の追い詰められた日常を一気にぶち壊すような事態。
そこから現実と幻想が混濁、次第に何が現実かも分からなくなっていく…劣等感、トラウマ、恐怖感、願望、こころに抱えたさまざまなものや人が次々と目の前に、そして闇…(最初から全てが非現実の可能性さえも)。
意図的なあやふやさ溢れる構造に対し、それを体現せねばならない役者陣の貢献がハンパない舞台。
役者陣の演技も、押さえるところをしっかり押さえてる。
唯一、ハイバイ「ある女」に酷似している点だけが引っかかる…(作・演出がハイバイが好き、岸田戯曲賞作品も勉強してるとのこと)。
ただし、ラストのあの演出は、独自でかなり凄まじくよかったし、あえて分からない事を抱えたまま完結する作品を作るのは、若い創作者にはなかなか出来ないと思う。
それを公演でやっただけでも、たいへんな飛躍だと思います。
従来の作風が好きだというファンからは物議を醸すだろうけど、先に進もうと思うなら、たぶん意義深く正しい道。
ちなみに、三月下旬には、大阪・劇想からまわりえっちゃん「海へ行こう(キミノ)」名古屋・大阪公演に、メンバーが大勢参加します!関西圏の皆さま、客演の中村繁之に注目を!
(しかしこのところ、名古屋の演劇人の大阪進出がハンパない…)