満足度★★★★★
女性の感性と交わる岸田戯曲
開場時から終演まで、奇を衒うことなく、実直に、
でもしっかりとメリハリを紡ぎ描かれていく「紙風船文様」に
しっかりと取り込まれました。
そして、終わってみれば、これまでの同作品とは異なる、女性の想いの質感がしっかりと残っていました。
役者の刹那ごとを緻密に作り出す力に加えて、演出の戯曲を取り込み描く力をしっかりと感じることができました。
満足度★★★
巧みなプロローグ
振付家として活躍する白神ももこさんが身体表現に重心を置き過ぎずに普通の芝居として演出していて、所々に独創的なアイディアがあり楽しめました。
開演前から役者2人が舞台上に居て、かつ客席は舞台を横切らないと行けない配置になっているというオープンな雰囲気の中、結婚についての雑談(に見える芝居)から始まり、次第に理想の家の間取りの話となって椅子や机を配置して行き、戯曲では全然言及されない室内の様子を具体的にイメージさせました。このプロローグは、中盤の鎌倉旅行ごっこで盛り上がるシーンを先取りして提示する効果もあり、巧みな導入でした。
本編に入ってから最初の台詞が発せられるまでの長い沈黙がその前の賑やかさとの対比をなしていて、結婚1年目の夫婦の倦怠感が醸し出されていました。家の設定をマンションの7階に設定していたのもあってか、ラストの隣の家から紙風船が入ってくるシーンは、一旦外に出た夫が紙風船を拾って来る描写となっていて、夫婦で紙風船を突き合いながら妻の不満が表面化していく様子が印象的でした。
取って付けた様なダンス的な動きを入れてなかったのが良かったです。しかし自然な形で体の動きを沢山用いているのは振付家ならではの演出だと感じました。
終演後に役を入れ替えたバージョンが上演されましたが、異性だったらと仮定して話す箇所で男女が混沌としたり、所々でやり過ぎな演技だったりで、楽しかったです。
満足度★★★
新鮮味がなかったというか
芝居が始まる前までは面白かったのに。
演技が始まった途端、急に型にはまったような感じになって。
つつがなく段取りを消化しました~的に見えて。
もっと感じる部分を大事にしないと。
なーんてね、なまいってゴメンナサイ。