満足度★★★
日本語の響き
日本語の響きをコンサートの様式を用いて再現したユーモラスな20分程度のパフォーマンスでした。
12人が雛段の上に3列で並び、指揮者の合図に従って、「築地の競り」、「スポーツの実況中継」、「日本語学校におけるフランス人生徒」、「宅配便のコールセンターの機械音声」、「都知事選の街頭演説」、「アニメ(『北斗の拳』でした)の1シーン」といった日常的なシチュエーションをそれぞれ数分の短編として描いていました。
基本的にユニゾンで発声して個人の声の色を薄めて程良く抽象化することによって、日本語の音自体の面白さが明確になっていました。響きの豊かさだけでなく、話されている内容も笑えるものをピックアップしていて、音楽としても言葉としても楽しめました。
モノフォニックな場面が多く、もっとポリフォニックな展開があっても良いと思いました。
一定のリズムやはっきりとした音高といった音楽的形式が用いられていないにも関わらず、ぴったりと合ったパフォーマンスになっていて見事でした。