満足度★★★★★
神様、いる。
壮大な歴史と土地感を感じつつ、幻想的な世界を見せてくれる素敵な舞台でした。
あの世界にいられることが本当に嬉しかった。堪能しました。
お話自体、子ども達を利用する大人たちの思惑と宗教が入り混じり、理不尽な話であって、そんなに楽しい物語ではないのですが、メインキャラクターを変えているのに、原作に沿って話が進んで、原作よりも明るい未来を感じさせてくれて終わるっているのが、本当にすごい。
倉田さんこそ神です。
ガブリエルもサルガタナスも神はおわさぬ!とか言ってますが、間違いなく神様、そこにいます。
スピーディーな展開に、最初はびっくりしたけれども、あの原作を3時間(休憩込み)でまとめ、引き込んでいく劇団の底力は本当にすばらしい。
また、今回のキャストも適材適所にて、全部が見所でした。
おかげでチケットは増えました。全7回、通いました。
満足度★★★★
宗教の不条理が胸に痛い
高校時代、歴史で十字軍のことを習った時が、自分が、キリスト教に懐疑的な思いを抱いた最初の瞬間だった記憶があります。
それでいながら、息子達は、キリスト教の幼稚園や学校に通わせたのですが…。
どんな宗教にも、表向きな崇高さと、内実の、汚れた権力争いなどが、相反して存在するのだと思います。
そういった、宗教世界の不条理が、少年十字軍の子供達の体験を通して、冒険ファンタジーのような味わいで、舞台化された作品でした。
私は、大好きな山本芳樹さんがガブリエルを演じるFluctusチームの方を観劇しましたが、サルガタナス役を演じた松本慎也さんと、二役交互のダブルキャストの意味が、後半で合点が行き、こういうキャスティングのアイデアも含め、大変よく練られた作品だと感心しました。
ただ、ストーリー展開が、前半、冗長だったことと、一部の役者さんの滑舌が悪く、台詞が不明瞭な部分が見受けられたことは残念でした。
エティエンヌ役の藤森さんに、、少年十字軍を率いるリーダーとしての透明無垢な存在感があり、まるで、羽生選手のような爽やかさだと、観ていて、気持ち良さを感じました。
松本さんのサルガタナスにも、凄味があり、良い役者さんに成長されたなと嬉しくなる思いがありました。
ベテランの役者さんには、曽世さん初め、安定感があり、若い役者さんには、将来性があり、この劇団は、今後も安泰だろうと感じさせられました。
満足度★★★★★
悲しくて、美しい夢
Fluctusで観劇いたしました。劇場をフルに使った演出に、作品世界と調和した衣装、美術、そして照明音響の技術の素晴らしさもあいまって、あり合わせが横行する小劇場で何もかも一際美しいです。観ているだけで美しく、さらに耽美で巧い役者様達に酔い、ああこれが演劇だと、夢だと毎回感嘆する次第です。
話の骨格を見るならば前半はやや冗長。ですが後半は泣いてしまいました。少年版ひめゆりの塔ともいえる本作。原作・脚本の素晴らしさも胸を打ちます。
満足度★★★★★
重厚なストーリーが堪能できました
出だしがすこ~し眠くなったりしたんですが、
後半が凄い濃厚な密度を持って迫ってきたので星ひとつ追加です。
(3時間の大作で10分休憩入れた2幕です)
満足度★★★★
歴史と虚構
骨太な歴史ドラマを、繊細かつ幻想的に描いて、3時間を長く感じさせない舞台だった。
若手中心のキャストを、ベテランが多くの役を演じて支え、物語に広がりを持たせていた。
面白かったので、ダブルキャストのもう一方が気になったり、原作を読んでみようと思ったりしている。