MOTHER II 公演情報 MOTHER II」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    心地良いヴォリューム感
    1時間強というコンパクトな時間の中で母と娘の関係を押し付けがましさのないユーモアを以て描く、温かな後味の残る作品でした。

    小説家の女が同棲している恋人と一緒に実家に行くと母親が自分と同じ年齢の姿に若返っていたという非現実的な設定ながら、繰り広げられる会話(と微妙な間)はとても日常的で、そこに女の叔父がやって来ることによってコミカルな雰囲気が強まり、特にストーリーやテーマに目新しさがある訳でもなく、大半の時間で淡々とした会話が続く静かな作品ながら、澱みのない展開に引き込まれました。

    音楽も照明の切り替えも使わずに役者の演技力だけで見せる演出で、食べたり飲んだりする音や、暗転時の照明が落ちるスピード等のディテールを大事にしていて、先鋭的ではないものの平凡でもない心地良い雰囲気がありました。
    4場に分かれている物語の3場までは母親の外見の件以外はリアルに描かれていて、最終場だけ脚本的にも舞台表現的にも非現実的な要素が現れるのですが、それをさらっと入れ込むセンスが素敵でした。
    個人的には、うさぎストライプでの作風よりも、この作品の様な作風の方が大池さんの演出家としての個性が出ていると感じました。

    山内健司さんが演じた少々お調子者の叔父のキャラクターがチャーミングで印象的でした。

  • 満足度★★★★

    起承転結の手法だった65分
    穏やかな「起」。静かな演劇な「承」。激しいけども静かだった「転」家族の絆だった「結」という今までとはちがった、大池さんの手腕はとても感動しましたし、いいおはなし的な内容はよかった、65分でした。

  • 満足度★★★★

    母の背中
    甘えのほろ苦い記憶を呼び起こしてくれた。

  • 満足度★★★★

    優しい時間
    静かな演劇は本当に静か。BGMとか一切無いから、気まずくて食べた煎餅の音までしっかり聞こえる。コーヒー入れる音とか。
    でも、情緒豊かな作品だけに繊細で、何度かある暗転で場転している最中にフト集中力が切れてしまう感じがある。この辺りは好き嫌いなのかなぁ。
    不思議な話だけど、笑いは少な目。というか、不思議さを前面に出さずに、飽くまで日常と地続きにしている感じが好感触だなと思う。というか、そういう風なので、なんかザワザワする。変な光景なのに、変じゃなくあろうとしている感じが。

    ネタバレBOX

    舞台美術良いなぁ。積もった文章の量がそのまま生きてきた時間を思わせてくれるような感じ。お母さんのお腹の中の子供が夢を見ている話。
    もしくは、ラストでお母さんが娘に話す、いつまでも3歳でお菓子のゲームの前で女の子を発見して、手をつないで一緒に帰る話。
    もしくは、公演パンフ文章のヤマハでお母さんが迎えに来ないかもしれないと思う感じ。この辺りの感情を想起すると、何か涙出てくる。これ、もう1回観たら泣きそうな気がしてきた。『お母さんはいつからお母さんか。私が産まれてから?いや、段々お母さんになっていくのよ。』はぐっとくる。
    「隣にいても一人」との共通する部分は、観劇後にあれもこれもそうだな〜と、思い返しました。でも、母娘や、生き方や、結婚や、色々な思いがごちゃ混ぜになって物語になってるので、見事にオリジナル作品だなぁと思いました。
  • 満足度★★★

    延ばして延ばして
    60分。

    ネタバレBOX

    母親が27歳に戻ったという点が原作の特徴でしょうか、平田オリザ風非日常さを取り入れてちょっとびっくりさせてはいましたが、主に母と娘の会話に娘の伯父さんが脳天気に入ってくる話。

    娘が言うように、分かんないときはつまらないってはっきり言っていいのなら、つまらなかったです。

    一つ一つのシーンがゆっくりゆっくり、暗転も長い、それでいてトータル60分って何でしょう。凝縮したらあっという間に終わってしまいそうです。

    お互いの芸術の才能が理解できなくて、むしろ嫌いとまで言っていて、それで同棲している不思議さや、結婚したら安心してしまって小説が書けない、同棲程度なら書けるって、自己満足のためのこじつけには笑ってしまいます。

    若くなっても才能のない奴はやっぱり無いのか、それとも、最後まで書き切るだけの根性の有無が小説家になれるかなれないかの境目なのかもしれません。
  • 満足度★★★★

    登場人物は4人。65分
    淡々と物語りは進んでいきますが、四人の会話が面白い。派手な音も照明もありませんが、静かな会話劇の空間がとても居心地良い。アトリエ春風舎は初めてでしたが、ここにこんなにいい劇場があったとは。

  • 満足度★★★★

    Pollyanna
    色々と面白い。70分。

    ネタバレBOX

    佐和子(長野海)…母。朝起きたら27歳の姿になってた。小説家の夢を諦めたてたけど、27歳に戻ったことを機に小説家を目指し始める。
    直子(菊池佳南)…小説家。27歳。浩之と同棲中。起こると物を投げつける。今は亡き父とケンカした時に家出した。
    浩之(亀山浩史)…美大院生。今日26歳になった。直子の彼氏だけど、直子の作品への理解が薄め。
    義雄(山内健司)…直子の叔父(佐和子の夫の兄弟)。未婚?だけど、浩之と直子へアドバイスする。浩之の名前が覚えられない。国語教師。

    自分の作品が近しい人に理解されないことで、直子が爆発する終盤。お母さんのようになりたくない、独りで生きていく覚悟があるんだと、啖呵をきる直子。タバコに逃げる浩之が戻ってきて、突如プロポーズし、直子は怒って出て行く。義雄も浩之も帰った部屋で、直子の言葉に傷心しつつ幼い頃の直子に一人想いを馳せる佐和子。そして「やっぱり帰ってきた」とケーキとってあるよと声をかける…。

    とりあえず、山内健司のレベルが高いなと。上手いし面白い。いかにもおじさんでいい感じのアクセントが最高。3人が緊張した際のポジションもいい。

    味気ないことをいえば単なる親子ケンカで、彼氏と母の前で暴言吐いちゃうお子様な女性の話なんだろうけど、その鬱憤に同感できなくもない。やっぱり理解されたいし、ほめられたい。何歳になっても変わらない気がする。
    幼い頃の直子にいつ母になったのと問われ、少しずつ母になったと答える佐和子にとって、直子の存在があるからこそ母でいられるワケで、やっぱり母になっちゃうワケで。そうゆう芯の通ったソフトな感覚がじんわりくる。

    まあ、自分が浩之ポジションだったら、めちゃくちゃ困ると思うけど。

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