第5回公演 初恋 公演情報 第5回公演 初恋」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    短編が4作品ほど続く舞台で非常に上質。
    岩瀬さんの脚本がそっと人に寄り添う様で、温かく穏やかに観られる舞台でした。
    誰かの思い出のアルバムを一緒に捲りながら話して貰えている様な、優しい作品でした。

  • 満足度★★★★

    物語の本質とは・・・
    こういうものだろう、と思わせてくれる作品。「ありそでなさそ、なさそでありそ」とでもいおうか、ドラマとリアルの狭間を進んでいくような印象だが、最終的にはそこをポーンと飛び越えて独自の劇世界を見せてくれた。
    第1話は現実にはなかなかない設定ではあるが、二人の特徴を際立たせることによってリアル感が増した。
    第2話はとにかく切ない。最後にキュウリを齧るシーンを持ってきたところが憎い。しょっぱいキュウリの味がこちらにも伝わってくるようだ。
    第3話はオムニバスにするための少し無理な設定だったかなという気がする。
    私は第4話が圧倒的に好みだった。娼婦・桃子の佇まいは神々しいまでの美しさを感じさせた。哀しみに満ちた彼女の瞳が忘れられない。
    全体を通して、役者一人一人が役に誠実に向き合って、台詞を丁寧に発していた事に好感を持った。

  • 満足度★★★

    観劇の感想です.
    受付の方、スタッフの方がとてもいい感じの方でした.
    初めて見る劇団でした.
    お芝居は4つの別れており,私は最初のお話が初々しい感じで好きでした.女優さんの演技がよかったです。
    2番目のお話も、私の父親が戦争から帰ってきて就職まで何年もかかった・・・という話を聞いていたので、戦争体験はそう簡単に日常には戻れないのだなと男優さんの姿をみながら思いました.3つ目のお話は,なかなか難しい問題で重いです.妹さんがかわいかったですね.
    私は最後のお話は、ちょっと無理があるような気がしました.
    女優さんが素敵だっただけに・・・

    ネタバレBOX

     お客さんの男の人がもう少し誠実そうとかいうならわかるのですが,
    無理矢理彼女にさせようとするところの嫌なやつ的態度と,急に朴さんになって,いい人になるところの落差が激しすぎて、私は女郎さんに共感して、ラストのいいところで涙する感じはありませんでした.少し強引な感じがしましたがどうでしょうか。
  • 満足度★★★★

    説明に偽りなし!
    重いテーマでしたが決して暗くならず、平和の大切さを改めて感じた大人の舞台でした。笑いどころも多少ありましたが、役者の熱演で心を打たれました。4つの話が少しずつ繋がっているのも楽しめました。どの話もよかったのですが個人的には第三話の平成25年・秋の話が好み。

  • 満足度★★★★★

    上品・上質なエンターテイメント
    平成25年春―昭和25年―平成25年秋―昭和39年という
    4つのオムニバスが緩やかに繋がりながら流れている。
    少ない人数の間で交わされる無駄のない台詞が素晴らしく
    登場人物が背負う背景が説明的でなく伝わってくるところが巧み。
    役者陣の演技にメリハリがあって4本を一気に魅せる。
    随所に笑いがあるが、第四話のラストは泣かずにいられなかった。

    ネタバレBOX

    第一話 平成25年・春 「観覧車」
    ヘビースモーカーの高山登(原田健二)と高所恐怖症の手塚悦子(木村佐都美)は
    面識もないのに、混雑する観覧車にカップルとして乗せられてしまう。
    なぜか途中で止まってしまった観覧車の中で、
    二人は禁断症状とパニックで思わず素顔をさらけ出すことになる。
    高所恐怖症の悦子が緊張のあまり挙動不審になって行く様が可笑しい。
    コントになりそうな寸前でリアルに見せる、その加減が見事だった。

    第二話 昭和25年・夏 「手紙」
    冒頭は戦地に赴いた平和守(杉浦大介)とその帰りを待つ千代子(キタキマユ)との
    手紙のやりとりである。
    戦時下にこんな素直に未来を語る内容が検閲を通ったのか判らないが
    この手紙が初々しい分、7年後の再会は痛切極まりない。
    不自由になった足を折り曲げるようにして座る守の背中は絶望的で頑なだ。
    生還しても幸せになれない人がたくさんいたであろうことを感じさせる。
    守と一緒に暮らしている水商売の珠恵(村山みのり)の
    大雑把なようで人の気持ちがわかるキャラクターが効いている。

    第三話 平成25年・秋 「幼なじみ」
    晴彦(深津哲也)、雪子(竹中友紀子)、夏実(廣川真菜美)の兄弟の住む町に
    幼なじみの和男(曽我部洋士)が転勤で帰ってくる。
    思うようにならない一方通行ばかりが行き交う初恋通り。
    会話のテンポが良く、切ない話なのに不思議と暗くはない。

    第四話 昭和39年・冬 「故郷の雪」
    古い娼館の桃子(岩瀬晶子)の元へ奇妙な客(管勇毅)がやって来る。
    別れた彼女とのやり取りを再現するのだと言って桃子に彼女を演じさせる男。
    「相手の気持ちを考えていない、私は私だ」とキレる桃子に
    男はようやく自分の事ではなく、桃子のことを尋ねる。
    桃子にも戦地からの帰りを待っていた男がいたのだ。
    変な客の思い詰めた自己チューな態度が超上手くて笑った。
    東北弁の桃子の素朴さが、初恋の哀しい結末を際立たせる。
    男の迷いのない暴走ぶりが可笑しく、それだけに後半の変化がドラマチック。
    “再現”も悪くないと思わせるラストが秀逸で、涙が止まらなかった。

    4つのストーリーが細い鎖で繋がっているところがいい。
    さりげなく、彼らのその後が語られていて胸を衝かれたりする。
    厳選された台詞と絶妙の間が素晴らしい。
    話がひとつ終わる毎に、スクリーンに当時の映像が映し出されるのも
    時代背景が瞬時に理解出来てよかった。
    客入れの時から流れるBGMがストレートに時代を思い起こさせるのも効果的で
    音量・選曲、それに照明もあいまってとても上品・上質な舞台。
    6年ぶりの再演に出会えて本当に良かった。

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