満足度★★★
アナーキーな一夜
様々なジャンルのパフォーマー達が観客に媚ずにやりたいことをやっていて、アナーキーな雰囲気が漂う公演でした。
黒田オサム
物乞いの行為に基づいたパフォーマンスで、昔ながらの日本人の身体性とロボットダンスが融合したような動きに80歳を越えているとは思えない柔軟性が感じられました。
レオナ+山田あずさ
黒田さんのカスタネット演奏に重なりながら始まり、タップダンスと、ヴィブラフォンを中心にしたパーカッションのスリリングなセッションが展開しました。鉄板や鎖を用いたタップが独特の音色を生み出していました。
マコメロジー+高橋牧+伊佐千明
ギターデュオの演奏にリーディングとダンスが絡み、カントリー的な可愛らしい見た目とは裏腹に仄暗い情念の様なものが感じられました。行われているパフォーマンスを録音したものが暗闇の中で再生されるラストが印象的でした。
ibis
椅子の位置を気にする動作から始まり、J-Popと青臭い台詞に乗せてヒップホップのテクニックでがむしゃらに踊る作品で、エネルギーの空回り感が独特の味わいを出していました。
Rie Tashiro
他のパフォーマンスとは異なり、照明も含めてしっかり作り込まれた作品で、ストリートダンスのヴォキャブラリーを用いつつもダークで内向的な雰囲気が強く、引き込まれました。冒頭の小道具を用いたシークエンスは必要ないと思いました。
入手杏奈+カンノケント
ブルーシートで作った衣装を着た入手さんが、タブラを演奏するカンノさんを挑発するように踊り、終盤にカンノさんに乗っかった状態の入手さんがパウダーを撒き散らしながら会話する様子がシュールでした。
都村敏子+桑原史香
揃いの格好で都村さんが語り、桑原さんが踊る作品で、観客に「長生きしてね」と声を掛けて回る都村さんがとてもチャーミングでした。テクストや選曲にあざとさが感じられました。
個性的な人を集めた企画自体は良かったのですが、開演がだいぶ遅れ終演が22時を過ぎていたのが残念でした。