「40 Minutes」 公演情報 「40 Minutes」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-20件 / 24件中
  • 満足度★★★★

    どの劇団も40分では...
    40分では、物足りない劇団ばかり...それぞれの団体を、独自公演で観て欲しいって思いました。

  • 満足度★★★★

    電動夏子安置システム評価
    劇団チョコレートとJACROWは個別のページが有りましたので、評価と感想はそちらに書かせていただくとして、
    ここでは、個別のページが無い「電動夏子安置システム」のみの評価と感想を書かせていただきます。
    単純に面白かった。
    テーマを決めて、決められた時間の演劇で勝敗を決するとなると、どうしても「武器」を持っている所が良く見えると言うか面白く映るし、評価も高くなる。

    この場合、武器はドタバタコメディ。
    その意味で、戦略は間違っていないし、内容も面白かったので戦術も間違っていないと思われます。


    ネタバレBOX

    ただ、苦言を申すと折角広い劇場で客席通路もしっかりしていたので、もっと会場全体を使っても面白かったのかなあと思いました。
    特にラスト周りの記者会見は、3人が同じ場所じゃなくバラバラの場所でそれぞれ質疑応答している方が良かったので。
    でっ、黒幕が、同時に3ヵ所を見ながらほくそ笑むとした方がしてやったり感が出たのかなあと思いました。ドタバタ感が増したのかなあと思いました。
  • 満足度★★★★

    三者三様
    チョコ、ジャクとダークが続いたと思ったら
    ラストの電夏の空気の変わりよう。

    オチはだいたい読めましたが楽しかったです。

  • 満足度★★★★

    主旨がよく分からなかったのが残念
    人気劇団が3つ集まっての公演は観客にとっては涎モノでしたが、このイベント自体の主旨がよく分からず、せっかく100万円をかけるならもっともっと宣伝して演劇界を盛り上げれば良かったいいのにななんて思いました。個人的には、好きな劇団チョコとJACROW、初見の電夏といったラインナップでしたが、安定のチョコ、ちょっとあれれのJACROW、やっぱり一位の電夏といった結果でした。

    ネタバレBOX

    まずチョコ。広い劇場で、私は真ん中より後方の席だったのですが、いつもの重厚な空気感がひしひしと伝わってきて、ああ流石だな、と。

    続いてのJACROWは、売りの「吐き気がするほど濃密な空気」を先にチョコにやられてしまって不利だったかな、と。で、どうしても岡田以蔵と東電OLが結びつく要素が見つからなかったのは辛かったです。。谷仲さんの七変化的な演じ分けは楽しかったです。

    そして、電夏。始まった途端に客席の空気が変わって温かくなったので、あ、ここが優勝だなと思いました。私の好みではあまりなかったけど、岩田さんの出ている公演はそのうち見てみたいなと思います。
  • 満足度★★★

  • 満足度★★★★

    各団体のカラーが如実に
    3団体による「サムライ」をテーマにした40分の短編の競作。
    劇団チョコレートケーキは訴えるべきことを、JACROWは演劇技法をそれぞれ前面に押し出し、電動夏子安置システムは作品としての面白さを追求した、という印象。
    各団体ともよく観ている身として、冒頭部分からそれぞれのカラーが丸出しと言うか、その団体の空気がその場に広がり「そうそう、ここはこの感じだよね」とニヤニヤしたりも。
    なお、このような観客投票によって順位を付ける場合、かつて劇団福耳がA-1グランプリで行っていたように「1人2票として同じ団体には2票入れない」方式にすれば、より公平になるのではないか?(投票を監視する必要が生ずるかも知れないが)

  • 満足度★★★★

    結果を聞いてなるほどと。
    チョコーレートケーキさん-演目に対して会場が広すぎた。
    JACROWさん-演目に対して時間が短すぎた。
    という印象だったので会場と時間に適していた電動夏子安置システムさんが一位と聞いてなるほどねという感じです。

    上演順の影響もあるかもしれませんが、まあこの3本ならそう並べるよなあ、と。
    実際面白かったですし、3団体とも流石という感じでした。

    だからこそ、他の方たちも指摘されているように、今回のようなホールではなく劇場で観たかったなー
    演目の間に暗転挟むなりしっかり区切ってほしかったなーなどと思わずにはいられなかったというか。

  • 満足度★★★

    社会性のある
    それぞれ全く違うテイストの三作品を拝見できて、
    とても面白かった。

    ネタバレBOX

    <劇団チョコレートケーキ>
    劇団チョコレートケーキ専用のページの方に書きました。

    <JACROW>
    舞台上で、下着になって着替えをしながら場面を転換していくのが面白かった。東電OL殺人事件の女性が、なぜあのような行為をしていたのか、様々に考える余地があって、よかった。

    <電動夏子安置システム>
    最初は、そのスタイルに入り込めなかったが、観ている内に、徐々に惹き込まれていった。笑いが中心にありながらも、風刺がただの手段や材料で終わらず、その批評の刃はきちんと現代社会を照らしていて、とても良かった。
    ラストはかなり笑った。
  • 満足度★★★★

    テーマ設定と運営には不満も残った
    過去に受賞歴がある3実力派劇団がそろい、期待を持って観劇に臨んだ。

    観客数に比して会場が広いので、自由席にしてもよかったのではと思いました。

    作品と作品の間が暗転のままという感じで終わりと始まりの境目がはっきりしない。

    幕も下りるホールなのだから、幕を下ろして装置替えするなり、照明を明るくするなり工夫がほしかった。

    3作品で120分だからノンストップでなく、5分くらいの休憩を入れてもよかった。

    出場団体は参加が決まった時点では会場は未定なのだろうか。

    いつもの小劇場の間合いで作ってる劇団はハコの大きさと演出が合致せず、バラツキが出た。

    「サムライ」という共通テーマをどういう考えで主催側が出したのかわからないが、はたして妥当だったのか疑問だ、

    現代劇では「絵」にしにくい課題のためか、生かせずにコジツケに感じた劇団もあった。

    個別の感想はネタバレで。

    ネタバレBOX

    チョコレートケーキ


    人間魚雷を扱った作品。作品としてのメッセージがはっきりしているし、戦時下の話だけに「サムライ」というテーマもうまくはまっている。

    ただ、つくりが小劇場向きで、会話の緊迫感が広いホールでは出ず、台詞も聞き取りにくかった。

    戯曲としては秀作なのだが惜しかった。


    JACROW


    モチーフとなる東電OL殺害事件は有名だが、観客の中には「全然知らなかった」という声もあったので今回のように状況説明はあってよかったのかもしれない。

    事件自体、冤罪が発生し、真犯人不明のままで、被害者の奇異な行動にも疑問が多く、短編にあえてこれを選ぶ真意が観ていてわからなかった。

    また、実名を使い、公表事実以上のことは出さないので、事実に寄りかかりすぎ、未解決事件を演劇仕立てで説明しましたという印象を超えない。

    実名にする必要があったのか。仮名にしても演劇は成り立つし、亡くなった被害者への配慮がほしかった。

    むしろ仮名にして大胆な解釈をするなり、工夫がほしい。

    せっかく蒻崎今日子と谷仲恵輔を起用してるのだから父親と娘の関係により話を絞ったほうがわかりやすかったのではないだろうか。

    当日パンフレットには岡田以蔵のことは出てないし、舞台上にも固有名詞は出てこない。

    あえて幕末の「人斬り以蔵」になぞらえて結びつけるなら、もっと説得力ある丁寧な描写が必要だ。

    正直、東電のこの女性から私は岡田以蔵との共通点は連想できなかった。

    父親に殉じることがなぜ売春になるのか。

    第一岡田以蔵のことを知らない観客には何も伝わらないのではないのか。



    電動夏子安置システム


    テンポよくコンパクトなシチュエーションコメディを見せてくれた。

    役者の持ち味も生かせてるし、得意のロジックの面白さや起承転結がきちんとできていて、作品の完成度からいえば、3団体の中でダントツ優れている。

    だから1位に選ばれたのは納得できた。「自分のことばで語れない政治家」への痛烈な皮肉だが、この芝居も「サムライ」は後付けに感じた。





  • 速報!
    気になるかたもいらっしゃるかと思いますので一記事乗っ取り失礼。
    企画元、参加団体含めて、電動夏子安置システムさんのとこでだけ速報確認出来たのですが、

    観客投票第1位は
    電動夏子安置システム「召シマセ腹ヲ」だった様です。


    個人的にはやはり意識が高いんだな、とそれだけの事でも思います。
    1位だったから、と言うのもあるかもしれませんが。

    おめでとうございます!


    ※公式サイトの発表があったり、どなたかの感想で触れられたらこの記事に限り削除する可能性があります。

  • 満足度★★★★★

    別々の面白さがあった。
    いつもほとんど一人で観劇するのですが、今回は知人と一緒に。一つ一つが濃密に感じ自分は楽しかった。遠いけど頑張って行った甲斐があったと思います。1作品40分は短く、3作品連続上演だと長い。また内容がそれぞれ大分違い、良くも悪くもあったのかなと思いました。投票するという意味合いでは、作風が違いすぎて公平に見れるのかなーと思います。以下後述します。

    ネタバレBOX

    3作品とも自分は面白いと思った。劇団チョコレートケーキ、JACROWについてはそれぞれの「観てきた」に記載。一つの作品が秀逸だったため、惹きつけて惹きつけて、そして最後に電動夏子安置システムというコメディの流れは引き立ててしまうように思えます。実際電動さんかなり面白かったです。特に記者会見のシーンは笑うつもりもなく大体読めたのに笑ってしまった。部屋のドアなどマイムでしていたのが、いつの間にか部屋が広くなっているのは不思議でした。高速なセリフ回し、息の合ったコミカルな動きなどレベルの高さを感じました。
    別件でも書いた観客のマナーですが、以前自分が行ったところでは紀伊国屋ホールだったか、同様に暗転中に携帯を見る、いびきが妙に聞こえてくるといったお客さんがいました。広い劇場ホールだったせいか、マナーは良くないのは目立ったかもしれません。大きい場所になるほどにスタッフ対応など求められると改めて感じました。ありがとうございました。
  • 満足度★★★★

    好きな3劇団
    3団体による、優勝決定戦
    チョコーレートケーキは、しっかりとその時代を見つめた、深く掘り下げた作品。

    JACROWは東電OL殺人事件を題材として取り上げる。、ゴビンダ・プラサド・マイナリさんが容疑者とされたが、無関係としてネパールへ帰国。犯人はは不明となった事件。蒻崎さんの、狂気をはらんだ演技はさすがだった。

    電動夏子は政治家をコメディータッチで描く、やはり面白い。

    何名かの方が指摘されているように、劇場が大きすぎるような気がした。(劇団の皆さんごめんなさい)

    ルデコとか駅前劇場のような、観客と一体となった劇場で再演をしてくれたらうれしい。

    蛇足であるが武蔵小山という町は始めて降り立ったが、なかなか面白そうな町で、何かあればぶらぶらとしてみたいそんな魅力的な町だった。

  • 満足度★★★★

    サムライ三様
    企画自体はとても面白いし、投票制も興味深い。
    小さいハコでやった方が、より作品が活かされると思う。
    さらに共通のテーマを設けず「40分」という時間の縛りだけでも
    個性が十分発揮されて、劇団のカラーが際立つかもしれない。


    ネタバレBOX

    ① 劇団チョコレートケーキ 「○○六○猶二人生存ス」

    客入れの時から波の音が流れている。
    特攻兵器、人間魚雷「回天」の訓練基地で起きた事故の犠牲者を描く。
    舞台中央、横長に置かれた机の上、上手側に閉じ込められた二人、
    回天の生みの親とも言える黒木大尉(西尾友樹)と樋口大尉(岡本篤)が座っている。
    下手側には整備担当の後藤(浅井伸治)がストーリーテラーとして立ちつくしている。
    海底に沈んで取り乱す樋口に、黒木が告げる。
    「冷静な遺書を書け、自分たちの死を美談にすることで
    後に続く者はためらわずに死んで行ける」

    何かを守るため、誰かのために死ぬのは当然という時代の空気が、
    あの時多くの人の命を奪った。
    ”潔く死ぬのがサムライ”である事を徹底的に利用したのである。

    極限状態にあって尚驚くべき強じんな精神力を保てるのが
    そのサムライ精神教育の賜物であることは何とも皮肉なことだ。
    生き残った後藤の「空気が、多くの若者を殺した」という
    苦渋に満ちたその叫びこそが作者の訴えるものであろう。
    これは反戦と言うより、“反空気”とも言うべき、現代への警鐘にも聞こえる。
    “なんとなく、ねばならぬ”という胡散臭さへの。

    「サムライ」とは机上の理想のために死ぬものなのか。
    無駄の無い台詞と圧縮したような時代の息苦しさが素晴らしい。
    出来れば、少し舞台を見下ろすような位置から観てみたかった。
    舞台のさらに机の上の演技を見上げるよりも、彼らの絶望を俯瞰してみたいから。
    浅井さんの端正な語り口に後悔と苦渋がにじんで秀逸。

    ② JACROW 「刀と天秤(はかり)」

    東電OL殺人事件の被害者渡邊泰子を描いた作品。
    東電の管理職にあるOLが、夜は円山町で客を引いていた、
    しかも4年間ほぼ毎日、一晩にお客4人と自らにノルマまで課して。

    世間を驚愕させたあの女性の心理に迫ろうとしたのは解るが
    作家が「この場面をやります」と語りながら進行し、時には作家も演じる
    という構成にする必要性があまり感じられなかった。
    もっとシンプルに泰子にフォーカスし続けても良かったような気がする。
    衣装を着替えなくても泰子の頑ななまでにストイックで孤独な生活は伝わる。
    映像で場所を示すのがスタイリッシュで判り易く、それで十分場転は可能かと。

    仁王立ちになって、全く卑屈さを感じさせない客引きの様子を見ても
    何か強い信念を持って選択した結果だろうと思わせる。
    それは亡き父への尊敬と思慕なのか、その父を軽んずる母への反発なのか。
    「サムライ」が岡田以蔵のように誰かを喜ばせたくて人を斬るのだとしたら
    喜んでくれる人を失った後は、もう自分の存在価値など見いだせなくなるだろう。
    あの孤高の立ち姿を、作者が人斬り以蔵に重ね合わせたというのも
    何となくわかるような気がする。
    彼女には、幸せになろうとする気持ちが微塵も感じられない。

    ③ 電動夏子安置システム 「召シマセ腹ヲ」

    初めての電動夏子は、なるほど“ロジカルコメディ”と言われる劇団だった。
    最大与党の「保民党」、「新党もののふ」っていうのが可笑しい。
    オーバーアクトで徹底的に政治家を揶揄するところも良い。
    広報担当スタッフを演じるなしお成さんの歯切れの良い台詞と
    ラストの黒い思惑が効いていて、“おぬしやるのう感”が楽しい。
    「サムライ」とは腹を括って嘘をつく人々のことか。
    ちょっと中華の出前男が黙って突っ立っている時間が長くて不自然だったかな。

  • 満足度★★★

    贅沢な120分
    3作品ともテイストの異なる作品でそれぞれの色が出ていて面白かったです。
    が、作品終わりで幕が下りず、完全な暗転にもなっていなかったので、
    「あれ、本当に終わったのかな?」と少し戸惑いました。
    そのせいか、前の作品の空気を思いっきり引きずってしまいました。

    上演順番の影響もかなりあったように感じます。
    チョコレートケーキさんの作品が重厚で重い重い話だったので、
    その後の作品でコミカルなシーンがあっても笑っていいのか?みたいな空気になっていました。
    JACROWさんはその影響をモロに受けていたような気がします。

    個人的には電夏さんの作品が一番好みでした。
    他の2作品より起承転結の結が明確で、お話として一番スッキリしていたと思います。

  • 満足度★★★

    まとめて見られて幸福。
    「サムライ」をテーマにしてはいるものの、時代設定は近代の日本。
    三劇団のカラーがよく出た内容だった。
    時間の制約、舞台の広さ、転換の切り替え等の際、興をそぐ面が多々感じられた。
    面白い企画だったので、次回も行なう予定があるなら、他のテーマで見てみたい。また今回の各劇団の舞台、個別に再考して上演して欲しい。
    チョコレートケーキは安定の重暗さ、JACROWは消化不良気味、電夏は理詰めの面白さ、という印象でした。
    投票は悩んだけど、結果はいつわかるのかなー?速報、出してくれるのかなw?

    初めて訪れた公共施設のホールは綺麗でした。
    開場時、ホール内暗すぎw。今回の舞台はもう少し狭い劇場でも良かったような気がする。
    40分×3公演の約120分。

    ネタバレBOX

    「観てきた」個別のカテゴリが揃ってなかったので、ここで上演順にまとめ書き。

    劇団チョコレートケーキ「〇六〇〇猶二人生存ス」
    密閉された空間にいる2人の海軍大尉、閉じ込められた人間魚雷の中にいる為、動きも制限され、見ているこちらも息苦しさや圧迫感、閉塞感や緊張感を伴う。それを見守る形で終戦後まで語り部となる整備士?の後藤、話のつなぎ目役として物語の運び方が良かった。
    大尉の決意の表し方が、その当時の日本男児の侍精神、と云う事だったのかな。

    JACROW #17.5「刀と天秤(はかり)」
    新規3人メンバーに加わって、初の作品。タイトルコールの「17.5」カッコいい!
    実際の事件を舞台作として上演しているので、デリケートになる部分も出てくると思う。冒頭からいきなり結末を見せられた後は彼女の生い立ちから振り返っていく。背景に映像を映し出したり、4人しか出演してないので役の掛け持ちの激しい事。劇中、岡田以蔵に触れた箇所があったが、それで「サムライ」って事?
    40分という時間制限もあり簡略な作り方ぽい印象だったので、この作品はもう少しじっくり見てみたい。だが、あの選曲に今回の内容、あまり好みではない。楽曲は好きだけどね。

    電動夏子安置システム「召シマセ腹ヲ」
    テンポよくて単純に楽しめました。
  • 満足度★★★

    どこに投票したかは秘密
    上演順にも結構左右されたかなという感じ。
    最初にコメディーが来ていたら、
    後の作品も、もう少し食いつきが良かったかもしれないと思いました。
    公共ホールのためか、音響も残念な部分がありましたし、
    観劇慣れしていない観客もいたのかもしれません。
    シリアスな場面で鼾が聞こえたり、携帯のバイブ音が聞こえたりと
    気が散る要素が多かったです。

    企画自体は素晴らしかったし、参加団体も豪華で申し分ありませんでした。
    次回があるなら、また観に行きたいと思います。
    その時はもう少し小さい劇場でお願いします。

    ネタバレBOX

    ☆劇団チョコレートケーキ『〇六〇〇猶二人生存ス(マルロクマルマルナオフタリセイゾンス)』
    公共ホールだから仕方ないのかもしれませんが、
    最初の暗転が真っ暗じゃない。
    薄っすらと影が見えてしまっていたのが残念でした。
    作品自体は短い時間にも関わらず重厚な出来で、
    美術も登場人物も最小限で密度の濃いものでした。
    テーマも現在の閉塞感とシンクロしていて
    見応えがあり素晴らしかったです。
    「空気」という見えない存在がどれだけの若者を死に追いやってきたのか。
    同じ過ちは起こしたくないと思いました。
    ただ、劇場が作品と合っていなかったかもしれません。
    ステージと客席の距離もあったし、キャパも大き過ぎたと思います。
    もっと濃密な空間での再演を是非お願いしたいです。
    個人的には隣に座ったおじさんの鼻息の音が気になってしまい
    (これは本当に笑い話に出来ないほどでした!!)
    芝居に集中出来なかったのが返す返すも残念でした。

    ☆JACROW『刀と天秤(はかり)』
    事件自体は聞いたことはあっても、特に興味はなかったので
    作品を観ながら「ふーん」とか「へぇ~」とか思っていました。
    未解決事件なので、独自解釈は全く構わないと思うのですが、
    劇作家が取材している体の部分の演出が安直に観えてしまったのと、
    テーマに対して内容がこじつけのような感じがしてしまいました。
    腑に落ちないというか、消化不良気味。
    主人公にも感情移入できず
    わたしには今ひとつの作品となってしまいました。
    こちらの劇団は、以前観た作品も合わないなと思ったので
    相性が悪いのかもしれません。
    蛇足ですが、少年社中の廿浦さんがこちらの劇団にも参加されているのを初めて知りました。

    ☆電動夏子安置システム『召シマセ腹ヲ』
    こちらの劇団は以前から名前は知っていましたが、今回ご縁があって初観劇となりました。
    前の2作品が重い内容だったのに比べてこちらの作品はコメディー。
    内容的には実在の誰か?と思うようなキャラクターも居つつ
    イメージ的には「劇団 ザ・ニュースペーパー」を彷彿とさせるような感じ。
    最後の落ちは途中でわかってしまいましたが、それでも十分楽しませてもらいました。
    客席の反応も一番大きかったように感じました。
  • 満足度★★★

    評価が難しい~。
    今回の3団体とも、私は初見だったので、
    1団体40分で、2時間で3団体観られる!
    というのは、試食的で楽しいと思いました。

    お芝居の評価については、ほかのかたもおっしゃってるように、
    好みでだいぶ別れるものになりそうですね。

    ネタバレBOX

    劇団チョコレートケーキのお芝居については、
    特攻モノって他にも色々ありましたし、過去に何度も観ているので、
    状況(空か海かとか)やら、取り上げた人物が違っても、
    根っこというか根幹にあるものは同じ、という印象に、私は感じてしまいます。
    それに、結末が最初から見えていて、その通りに終わったので意外性もなく、
    しかも舞台があんなに広いのに、全然動きが無いお芝居で、
    40分がもの凄く長く(退屈という意味で)感じてしまいました。

    JACROWでは、実在した人物をモチーフに、、、
    ということでしたけれど、実際にあったことをなぞっただけで、
    「実在の人物をモチーフにした新しい(フィクション)作品」
    という印象は、とうてい持てませんでしたし、
    着替えてばっかりで、それが意味することも私にはいまいちわからず、
    (そもそも、ストーリーテラーが着替える意味って・・・?)
    それに自殺したならともかく、殺された(殺される)人に向かって「幸せですか」って。。。
    結局、なんだかわからないうちに終わってしまって、ぼやっとした印象。

    そこにきて、電動夏子安置システムは、わかりやすく、
    展開がこうなるんだろうと予測できても、わかっていても楽しい系で、
    たくさん笑ってスッキリしました!


    なので、観終わった後の満足感で、電動夏子安置システムに投票しましたが、
    終わった後に、あれ?共通のテーマってなんだっけ?
    と、当日パンフを読み返すと「サムライ」・・・うーん???

    かなり広域的なとらえ方をすれば、どれもサムライではあるんでしょう。
    でもこのテーマ、ちょっと漠然としすぎていてわかりにくいというか。

    あと、あの広さであの集客、指定席にする意味あったんでしょうか。
    自由席でもよかったのでは?(前列3列くらいのみ指定席にするとか。)
  • 40分って難しい
    個別の感想は別記するとして、

    40分の芝居って難しいと思った。細かく描こうとすると時間オーバーになるし、あまりにメッセージを絞ると、間延びした感じになってしまう。

    その意味では、3つの団体ともよく考えているなあ、と思った。
    ただ、3つ多分ばらばらだから好みが完全に分かれる気がする。

    ネタバレBOX

    電動夏子安置システムについて(個別がないのでここで)

    多分、一番になるだろうなあ、と思っていたのだが、やっぱりという感じ。
    面白いのは面白いが、個人的にはなんか表層的なおもしろさで、少し違和感を感じた部分があった。
    与党の幹事長?一人は、存在感あるので非常にインプレッシブだったけど、あとがなんとも「お笑い」を見ているようだった。

    演劇は好きなのだが、「お笑い」は個人的に好きじゃないので。
    でもコメディは好きなんですけど。演劇としてのコメディとお笑いは表現できないけど、違うと思っているんだなあ。
  • 満足度★★★

    総じて、この企画は面白かった
    「サムライ」を共通のテーマに、持ち時間 40分の三劇団共演公演。
    どの劇団も好きな劇団だったので、こういう企画は楽しみでした。
    以下ネタバレ。

    ネタバレBOX

    うーむ。やはり40分で仕上げるのは大変なのか。
    きちんと舞台作品として完成してたのは、電動夏子安置システムさんだけだった印象です。

    劇団チョコレートケーキ

    過去の史実をモチーフに、独自の解釈でその時代に生きた人々の感情を再現するのが大得意の劇チョコさん。かなり贔屓目で観てます。

    ただいつものように、静かに静かに高く高く、一見順調に積み上げられていく出来事が、個人の歪みや時代の激動によって大きな音を立てながら崩れてゆく、という、チョコさんの醍醐味といえる大きなうねりが花開かないまま幕を閉じたという感じ。

    特攻潜水艦の中で閉じ込められたという背景ゆえ、大きな芝居も出来ないし展開も鈍い。そもそも特攻の覚悟を決めた帝国軍人がどんな悟りを語っても、驚きがないのだ。まだ、いやだ死にたくないと、死の覚悟が揺らぐ人間味を見せつけてくれた方が衝撃的に感じたかもしれない。

    それでもたった3人であの舞台の空気感を作れる力量はすごいですね。


    JACROW

    JACROWさんはこんなもんじゃないのになあ。ショートなら過去の「窮する鼠」など、いい作品もできるのに。

    東電OL殺人事件をモチーフに‥ モチーフにして、なにを伝えたかったのかいまいち理解できず。母の反発的な心情もいまいちわからないし、その母への対抗に売春、という行動もちぐはぐなままだし‥。「一見不可解な行動に見えてたけど、確かにこれが原因なら、明日は自分のことかもしれない」くらいの強力な「創作」が欲しかった。

    あと、なぜNAを「今度上演しようと思っている劇団員」にしたのかな?
    背景の説明が必要なら、影ナレの方がストーリーに集中できた気がする。そのラストが「あなたは幸せですか?」って‥ ここは観客に気づかせていなかった真意をズバッと突きつけて、この公演の「回答」にして欲しかった。


    電動夏子安置システム

    唯一のコメディ作品。限られた道具だけで広い舞台もうまく活かし、ムダのない脚本、わかりやすい演出と、劇団初見の観客に考慮した作品を持ってきたのかなと思いました。

    与党の岡本があんちょこの単語カードをわざわざ取り上げて投げ捨てる、という突然の行動でオチが読めちゃうのと、会見質問と回答の食い違いの妙は、もっと精度があげられるはず、と細かく心残りはありますが、40分公演にきっちり物語の「結」を作ったのは電夏さんのみ。結果ここが評価点となりました。


    総じて、この企画は面白かったです。また別のテーマで観てみたいな。
  • 満足度★★★★

    魅力的な企画でした
    同じテーマ『サムライ』から作ったとは思えないほど、3劇団の個性の違いが輝き、それぞれが描く生き様の違いや見せ方の違いが、魅力的な企画公演でした。

    3作品共通の美術、各劇団の活かし方の違いも、面白く、全役者さんレベルが高かった。

    アッと言う間の、40分×3作品の2時間は、とても見応えありました。

    違う作品に変わる際の間隔が、もう少し欲しかった。暗転を長くするとか、いっそのこと、5分休憩とかでは?観劇後の余韻が薄くなってしまうのは、残念です。

    個人的には、チョコレートケーキさんが、特に素晴らしかったです。

    ネタバレBOX

    **チョコレートケーキ**
    まさか、机の上が演技スペースになるとは、思わなかったが、潜水艇に閉じ込められたと言う異空間として、成功していると思った。

    潜水艇に閉じ込められた 二人の大尉と、その部下。
    たった3人の出演で、大きな動きもないのに、その時代の空気、人々の想いが濃厚でした。

    大日本帝国海軍特殊潜水艇の開発研究している最中の事故。
    二人の大尉が海底の回天に閉じ込められた。
    事故だけが原因ではないが、特攻の引き金の一つのようだが、ただの美談や、戦争批判でもなく、心揺さぶられる作品でした。

    照明が、とても印象的でした。


    **JACROW**
    イメチェン?
    『冬に舞う蚊』 『甘えない蟻』の2作品しか見ていないが、それぞれ、重厚感が魅力的な作品だったが、今回は、かなり違った。

    生着替えが多過ぎで、作品自体を薄くしてしまったような?
    薄地の派手なミニワンピースに、スーツの重ね着とかだったら、早着替えで、時間短縮も可能だったし、昼の顔の下に潜む夜の世界のイメージにも、なったと思います。

    実在の人物と事件から作ったとの事なので、脚色するのは難しい点も多々あると思います。
    公開されている、事実であろう事(真実は、本人しか公開されている、事実であろう事(真実は、本人しか知らないと思うので)を、主軸にしたのだろうが、作品として物足りなさを感じてしまいました。

    OLの頑な狂気、蒻崎さんの演技が、とても良かっただけに、狂気で隠した脆さや焦燥感等、狂気だけでない解釈や演出があったと、思ってしまいました。

    今までと違う演出方法を、意識し過ぎでは?

    同じ短編でも、『甘えない蟻』の方が、完成度が高かったと、思ってしまいました。


    **電動夏子安置システム**
    ≪PerformenVI ~Paradiso~》以来、約2年ぶりに見ました。

    その時、同様、場内、何度も笑い声が響きました。老若男女笑えるネタに潜む、心情、現実、打算、風刺、と見応えありました。

    役者陣の実力も、かなり上がっていて良かったです。

    本公演も、是非観たいと思います。

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