満足度★★★
第5夜(vs.近藤良平)鑑賞
フリージャズ・ピアニスト、スガダイローさんが音楽系以外の様々なパフォーマーと即興セッションを行う5回のシリーズで、最終回の近藤良平さん(ダンサー/振付家)とのパフォーマンスを観ました。
旅先からギリギリで会場に到着し、大きな荷物を沢山持った近藤さんが客席通路を通って現れ、舞台上で荷物を広げ、スガさんは3台のグランドピアノと1台の調律の狂ったアップライトピアノを1音あるいは1和音ずつ弾いて回るところから始まりました。
近藤さんはなかなか踊らず、物をステージ手前に並べたり、スガさんにお土産を食べさせたり、一緒にピアノを弾いたり(滅茶苦茶ではなく、音楽的な演奏でした)と、予測不可能な展開が続いてユーモラスでした。
終盤はしっかり踊り、古典的なカデンツで礼をして終わり、その後アンコール的に短いパフォーマンスがありました。
音楽やダンスの即興では言葉によるコミュニケーションは用いないのが暗黙の了解となっているのを気にせずに、普通に喋ったりホワイトボードに字を書いていたのが痛快でした。
近藤さんのパフォーマンスは小道具に頼り過ぎていると感じる所もありましたが、人を楽しい気分にさせるのが上手く、観客のみならずスガさんも笑ったり困惑したりしていたのが印象的でした。
スガさんはクラシック的な端正な響きからアヴァンギャルドで破壊的な演奏まで引き出しが多く、近藤さんが仕掛けて来るに合わせて自在に変化するのが素晴らしかったです。