結末まで かかわる“座席の位置”
劇場というものは、老人の寂れた自宅の縁側にもなるし、新興財閥の主人が酒を片手にするビルディングの最上階にも なる。
しかし、誰もが首を縦へ振ってしまう決定的な場所=シチュエーションが ある。
それは、「劇場」自身だ。
「殺しのリハーサル」は、1982年 米国のテレビ放送用映画として初披露された作品。
後に、世界各国で舞台化し、これまで多くの観客を 「深いミステリーの世界」へ誘って来た、名作中の名作である。
以上、紹介させて頂いたものの、実は舞台を観た段階では そうした「知識」を把握できていなかった。
そして、「殺しのリハーサル」以外のミステリー作品も等しく、「知識」を持たず観劇した その回が最も「面白い」はずである。
私は、主人公アレックスを演じた中野誠也の“圧倒的な立ち姿”に 権威を感じざるを得なかった。
「重大な事実を知っている」、そう観客を 一定の方向へ導くことに実現した。
ーほぼバレてないネタバレへ
満足度★★★★
納得の筋書!
劇作家が、女優の婚約者が結婚前日に死亡し、自殺として警察に処理されたことに疑問を抱き、1年かけて犯人と思しき人を追い詰める話です。 キーワードは”役者”です。舞台セットは物足りませんが、計算つくされた仕掛け、そしてミステリーには欠かせない大どんでん返し。演技力抜群の役者陣に目が離せません。
ラストシーンの照明そして音楽サティのグノシエンヌ第1番マッチしてました。