満足度★★★★
ブラックだが重くは無い
ヨナさんの脚本の中ではちょっと珍しいタイプになると感じる。しかし、なかなかのブラックだったなあ(笑)ただ、ブラックだなあと感じながらも、見てる途中や見終わってもズーンと暗い気持ちになるわけではなく、リアルと非リアルの感じ方・見せ方が絶妙。
また、三女優の配役も長男と次男の嫁が逆転しても不思議ではないが、あえてこの配役にした妙も物語にいい味付けを出している。面白かった。ちなみに晩飯にカレーを食べたくなるところ、ぐっと我慢しました(謎笑)
満足度★★★★★
女性らしい心配りに感激して観劇
チタキヨさんの、公演を打つことに対する思いが、さまざまな女性らしい心配りから伝わってきました。本当に『待つわ』という作品に掛けた「待つわ」の精神が随所に感じられました。まず、直筆のメッセージとともに届いたフライヤー。高揚しました。会場に着くと名前入りのチケット(パンフレット的なもの)が用意されていて感激。もうこの時点で充分に気持ちいいのですが…公演も素晴らしかった。会場がマンションの一室のような貸しスタジオ? 公演の内容にピッタリの会場で、制作の勝利。作品は…重病で認知症の金持ち老人と、その3人の息子の妻たちとの話。その設定も、台詞も、行動も、すべてに毒があるのだけれどユーモラスで軽やかで『コワイ』けれど『可笑しい』。語れない心情をリビングのTVに映し出された自分が語るという演出も可笑しくて解りやすくて見事。生と死、介護、夫婦関係、金銭問題、食、そこに、愛人や近親相姦や同姓愛まで織り交ぜた性の問題が盛り込まれた、豪華な作品でした。そして何より、3人の女優さんが素敵でした。フライヤーの出来も素敵で素晴らしく興味を惹かれましたが、演じる3人はそれ以上でした。長男の妻タマエさんは設定通り間違いなくカワイイですし、次男の妻カツコさんの笑顔も負けないかわいさがあり、三男の妻ルイさんの芸術家気質はキリッとした美しい顔立ちでピッタリ。その3人のかみ合っていなそうでかみ合い、かみ合っていそうでかみ合わない思考と台詞が可笑しくて、いつの間にかその世界に取り込まれてしまいました。いやぁ、こんな感覚は初めてです。チタキヨに惚れました。次回公演も必ず観ます。