キル兄にゃとU子さん 公演情報 キル兄にゃとU子さん」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★★

    演出にもう少し切れが欲しい
     床一面に破られた新聞紙が敷き詰められ、辺縁には、ランドセル、炊飯器、椅子、ランチジャー、本、その他の日常用品などが、白塗りされて置かれているのは、無論、津波被害を象徴している。
     初演にはなかったキャラクターが、今作では登場している。それは、1970年の女で太陽の塔をデザインした衣装を着ている。無論、商用原子炉の初送電が大阪で開催された万博に送られた歴史的事実を表現する為に加えられたのである。
    (追記2013.12.4)

    ネタバレBOX

     当然のことながら、東北地方に対する差別をも表現している。それは、1000年以上にも亘る差別であるが、今作では、1970年を一応のメルクマールとすることによって、商用原子炉を用いて都市部に電気エネルギーを供給しつつ、被災のリスクを負わされる差別を描いていると見て良かろう。何も、都市に収奪されてきたのは、電力等エネルギーに限らぬが、何より、再演では、これから、半永久的に続く被災地*の核被害を、時を刻む秒針の音に載せて示唆、アイロニーとして表現しており、タイトルを深読みするなら、キル兄にゃの意味する所はkill、U子さんの意味するものは、youであろう。無論、you即ち、我々日本人、及び総ての被爆者・被曝者である。その時、この動詞killの主語が何か? ということが問題になるが、一義的には、放射性核種を擬人化していると自分は捉える。その上で、我々、総ての被災者の中で、真の敵を見付けるラディカルな人々が、被曝・被爆をさせた勢力を怨むとすれば、自分達の奪われた未来に対する復讐の念として、我らの敵、即ち、自民党及び正力、柴田、CIA等々と原子力村推進派(東電は無論のこと、保安院、安全委・班目春樹、読売新聞、産経新聞などに対してこの言葉を向けるかも知れぬ。余りに煩瑣になるので、調べたい人は取り敢えず、ここにアクセスしてみて欲しい。http://nuclearpowermafia.blogspot.jp/)兎に角、敵が如何に強大な世界的組織であるかの一端が分かろう。
     *被災地の範囲を何処迄絞るかについては、本当のことを言えば、ガイア全体である。気流、海流も総て地球上を余すところなく回るのが、基本であるから、長い目で見たら、ガイアの上に在る物総てが被害の対象になるのは必然である。何しろ、放射性核種の半減期には、頗る長いものがあって、大陸移動などによっても拡散は、影響するからである。
     このように、被災地を広く捉えれば、地球上の生き物に無傷なものはなく、核被害の問題は、遠い彼方の問題であるどころか、我ら自身の問題であることも分かろう。そして、それは、単に人間などという愚かな生き物だけではない。この星に存在する総ての動植物、細菌に至るまでの生き物とウィルスなど、無生物との中間に在るものにも影響を与えずにはおかない、と考えられる。核は、生命そのものへのとてつもない犯罪である。
     都市に住む、我らは、そのことにより敏感である必要があろう。そのような深い問題提起をしてくれる作品である。
  • 満足度★★★

    まんま覚えておきます
    私は いわきで高校まで過ごしました。でも10年前に両親が亡くなり実家も引き払い 郷里との縁も ほぼ 切れました。私にとっての福島は もう記憶でしかない。学校の卒業アルバムもないし 故郷は 私にとって原籍でしかなく、仮に戻ろうとしても居場所はあそこにはない

    でも たぶん そんな いわき は 私の血肉になっていると思います

    この芝居の表現方法は 私にはわからないし 観ている途中から 理解しようとするのを止めました。まんまこの舞台を 記憶にとどめておこうと思います。


    福島… 英語で直訳すると ハッピーアイランド と呼ぶ土地


    あの被災に対するレクイエムだけではなく その後の未来(これから)に

    まだ 何も見えないけれど 希望=可能性 を暗示してくれた気がする

    余談ですが 福島をハッピーアイランドと呼ぶのは 皮肉でもなんでもなく、目指すビジョンなのだと思います



  • 満足度★★★★

    こんにちはの年生まれです。
    震災直後の初演は観てません。意欲作だとは思いますが、まさにキル兄にゃ
    の新聞の切り貼りで語る震災部分は安易なカンジも。U子探しの前半と万博は好きなだけに残念。あと、なんで韓国の役者を使ったのかはよくわからなかった。

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