満足度★★★
iPhone/6畳間/宇宙
テクノロジーに生活を支配されている若者をポップで賑やかなテイストで描き、人に対する温かみが感じられる物語でした。
畳6枚が敷かれた演技エリアを肩の高さ程度に持ち上げられた客席が囲む形で、前半ではiPhoneの画面がベッドに投影され、iPhoneネタのエピソードが語られて依存症の様になっている姿が描かれていました。
後半で、女が妊娠したことを男に告げた後、「わたし」「あなた」「わたしたち」「あなたたち」という単語が連発され、200億年先までの未来の歴史が激しい身体表現を伴ってスピーディーに語られる展開が圧巻で、壮大に拡がる話が再び女の告白に戻るのがユーモラスでした。
男がペンで女の腹に顔を描き、iPhoneの呼び出し音をサンプリングした音楽に合わせて男が尻を出して叩き、女が腹を出して踊るラストシーンが後に続く子孫達を祝福している様で幸福感に満ちていました。
現実の困難を受け入れつつも過度に深刻ぶらずに軽やかに振る舞っている感じがして魅力的でした。
当日パンフレットとは別に作られていた、メンバーへのインタビューをまとめた小冊子が読み応えがあって良かったです。