満足度★★★★
いつもながらに,ダンスが圧巻だった。
『シュガー2:いくつものつばさ』
ミュージカルカンパニーであるジョーズカンパニーとは,舞台制作を目的に法人として1995年に設立されたものだ。俳優・演出家の桝川譲治が主宰している。子供が主役のファミリーミュージカル作品を多く制作している。
『シュガー:空色のプールサイド』『フラッパーズ:私たちにできること』は,下北沢の劇「小劇場」・小劇場「楽園」でやっていた。どちらかと言うと,内容よりも,下北沢の本多劇場Gを体験したかったのが,きっかけだった。『シュガー2:いくつものつばさ』は,横浜「相鉄本多劇場」でやっていて,その場所は,駅からさほど遠くはなかった。
水泳部で予選会があり,有望であった選手が直前で水着を紛失してしまい失格になる。選手は,ライバルが勝ち上がったのを見て怒り出す。ライバルが水着を盗んだ犯人に違いない,と言い立てる。真相は,選手の自作自演であった。つまり,水着は盗まれたのでなかった。ライバルのバッグへ押し込み,無実の罪に陥れようとしたのは,選手本人だった。
桝川譲治が,三年ぶりに,俳優として出演していた。彼は,写真家としての設定であった。戦場カメラマンです,と自己紹介しておきながら,戦場は,船の上のせんじょうですとか,戦場でなくて,お風呂の洗浄です,とかぼけていた。しかし,子どもたちに,思いっきり笑って見てください!とか,劇中で演技指導していた。驚いた。
演技も今回は素晴らしかったが,いつもながらに,ダンスが圧巻だった。もともとダンスが上手なメンバーを集めているのだろう。台詞になると,まだ少し慣れていないと思うメンバーもかなりノッテ踊っていた。ダンスの基本ポーズも,ある程度かたちがあって,数年やっていると何でもできるようになるのかもしれない。楽しかった。
満足度★★★★
ミュージカル『シュガー2 いくつものつばさ』を観た。
ミュージカル『シュガー2 いくつものつばさ』を観た。本田劇場のほとんどは,下北沢にある。ジョーズカンパニーに,誰かが連れていって欲しいと思っていたので,その意味では懐かしい思い出といえる。その後,下北沢にあるものは,だいたい体験できたが,横浜にも相鉄本多劇場というのがあったのだ。ここは,中規模なので,厳密には,小劇場ともいえない。ダンスで動きまわるミュージカル『シュガー』にはちょうど良いくらいの広さだったと思う。
内容は,回を進めて,非常にわかり易いものになっている。前半では,グループ・ダンスが感じ良かったが,後半では,シリアスな演劇部分がずっしり心に響いた。さわやか青春ものかと思うが,深いものがあって,印象に残る演劇だった思う。金光の好演技によって,Rの方は,非常にリアルなものに仕上がっていた。彼女は,前には,ダンスのキレが一人抜群だったが,今回初挑戦の小野田もぴったりあっていてきれいだったので,不思議だった。
辻は,この企画ではベテランらしい。私は,三回見て,以前とはちがって,好印象を得た。いくつか見たミュージカルとは,少しちがって,素朴な世界が多い。そこで,演出家が,自身カメラマンという設定で,効果的に舞台を引き締めていた。ダンスは,たくさん見ると,基本的な動きがいくつかあるのがわかって来る。だから,何度も見ると良い。同じ動きを集団であわせるのはきっと大変なことだろう。その美しさは,ことばでは表現できないものだろう。