満足度★★★
コラージュから生まれる昭和の詩情
様々な音楽、映画、ドキュメンタリー番組をカットアップして組み合わせ作品で、演技や演出に粗が目立つものの、それがマイナスの印象にならずに寧ろ魅力的で独特な雰囲気を生み出していていました。
北朝鮮を脱出した人の物語に『男はつらいよ』や『雨に唄えば』、『鳥』等の映画が重ね合わされていて、台詞やイメージの繋ぎ方が見事でした。
後半は『川口浩探検隊』の映像を流すの合わせてかなり適当な精度で同期して演技を行い、番組の胡散臭さが増幅されていて笑えました。
暴走族ブラックエンペラーのドキュメンタリー番組もコラージュしていて、全体的に昭和テイストが濃厚だったのが印象的でした。時事ネタのブラックな扱い方や演劇業界に対しての皮肉が楽しかったです。
荒唐無稽な物語で、ネタ的なエピソードが多く本筋が見えにくいのにも関わらず、何故か胸を打つものがありました。
わざと斜めに投影した映像に台詞が映し出されていて、役者がそれを見ながら台詞を話す、半ばリーディング公演的な形式となっていましたが、劇中で自虐的に言っていた様に流れがギクシャクしていると思いました。
また、今までの作品に比べて音楽のビートに合わせてラップする部分が少なくて、少々物足りなさを感じました。
満足度★★★★
理屈抜き、体感的に、面白く
説明に書かれた内容通りの舞台なのですが、
説明を読んでも、
現出する空間の肌触りがまったくわからないのが凄い。
緩く深くスタイリッシュなあっという間の時間でした。