満足度★★★
なんていうか
健康診断と猫を巡るシュールな種々の物語?というかイメージグリップのような。 まぁ、意味不明な訳ですがw、パフォーマンス?としては面白かったです! 役者の方々は皆きっぱりした感じ?でとてもよかったです! もっとちゃんとしたストーリーのあるような作品の演技も見てみたいような。 あと、健康診断を受けましょう!という啓蒙活動的な意味もあったのでしょうか。笑。
スタイリッシュに描く、“ノスタルジー”
ノスタルジーに溢れるのは、世代の問題ではなかった。
四角いホワイトボードと正三角形のホワイトボードが合体した、スタイリッシュな“演じる場”である。
演劇実習室なる目的の下、設計された部屋で公演が行われたため、奥部には鏡が いる。
背景は、スイカの模様の半分のように黒く、全体のバランスとしてスタイリッシュ極まりない。
題材は、「健康診断」。
学校教育で、大企業の健康組合で、組織•団体で、国の政策で、小さな幼児から杖を付く老人までを管轄に置く、社会セレモニーだ。
スタイリッシュなステンレスの節穴から覗けば、この「健康診断」さえも、ノスタルジーが漂うのだから 可笑しい。
大学の義務診断、国の政策論、『アメリカ横断 ウルトラクイズ』、小学校の放課後。
スタイリッシュな節穴は、「健康診断」という つまらぬイベントを、幅広い視点で見せてくれる。
あまりの幅広さに恵方巻きも 残念がってる だろう。
体操着を着用する女の子、
制服を着用した、女子。
「健康診断」が、時々の社会を記録し、当時の少年少女のノスタルジーとなる。絨毯の臭いを、製造する。
私たちは ともすると、「ノスタルジーは中高年の特権だ!」を考えちだ。
この作品を描いた女性は、大学の「健康診断」に遅刻してしまい、検査できなかったことへの失意で 今回のテーマを思い立ったらしい。
ちなみに、彼女は20代前半である。
ということは、ノスタルジーの臭いを製造する工場に年季など必要ない。
世代を超えて、人々にはノスタルジーが備わっている。
そうした当たり前のことを、スタイリッシュな舞台の上で お知らせしてくれたのが やはり可笑しい。
“キー•ワン”と呼ぶべき一匹のイヌは、幕開けより出ずっぱり だった。
ランドセルを背負う女の子に触れた一幕はあったが、結果、一言も話さぬまま、1時間ほど が経過する。
なぜ、あのような イヌを、「健康診断」に関係がないなかで 傍に置いたのか。
私は、いつか披露された「検便」の 御話へ関係付けたいと思う。
つまり、「健康診断」の日、どうしても用意できなかった少年はイヌを頼る。