隣人予報 公演情報 隣人予報」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★

    パワーは充分
    すごい親切な隣人が、
    ある家庭にどんどん浸食してきて、
    さて、どうなるのかしら、なお話。

    何かが侵入してきて、
    何かが壊れたり、何かが変わったり。
    という、なんとなくピンターみたいな演劇。


    一人の老人は、家族よりも親切な隣人を頼り、
    愛するようになり、
    その様子を見た家族は、少しづつ、何か変わっていく。


    ラスト周辺の怒涛の力押しは迫力があり、
    特に、文学座の坂部文昭さんのパワーには驚いた。


    ただ、なんとなく、力押し一点の演出なような気がして、なにやらもったいない気がするのでした。
    パワーがあるのはすごく良いことだけど、もっと、
    繊細な何かも観たかった、そう思います。

  • 満足度★★★★

    時代を映す脚本
    独居老人に対してやけに親切な隣りのアパートのカップル。
    老人の財産目当てに近づいているのか、それともただの善人なのか…。
    昨今の世相を反映しながら、その台詞は普遍的な家族の心情を突いている。
    謎は謎のまま…というのがちょっと怖くていいと思った。
    バジリコFバジオの佐々木さんの脚本、シリアスとコメディのバランスがとても良い。
    最後やっぱり泣いちゃうし。

    ネタバレBOX

    舞台は貸し切りにしたレストランの店内。
    孤独な老人のために隣りのアパートに住むカップルが誕生日パーティーを開催、
    カップルから連絡を受けて、母の死後疎遠だった息子・娘たちがやって来る。
    それぞれトラブルを抱えた兄弟たちは、“騙されている”父を救うため
    この謎のカップルを調べようとあれこれ手を打つが
    情報と想像の相互作用で混乱が大きくなって行く…。

    事業に失敗し、借金を抱えて不仲な父親を頼りたい長男。
    長女は探偵の夫の浮気が原因で別居中。
    次女は結婚したい男を連れて来たのだが、言い出すチャンスがなかなかつかめない。
    兄弟たちの叔母は、テレビの見過ぎみたいなサスペンスマニアで
    飛躍し過ぎる推理と妙な行動力で事態をますます混乱させる。

    物語の根底に“親子とは面倒な関係である”という前提があって
    それがリアリティを生んでいる。
    本来実の親子で築きたい関係が、意地やうっとうしさからうまく築けない。
    だから親切な隣人にそれを求め、隣人もそれに応えた。
    だがそこには、“代替の人間関係で人は幸せになれるか”という問いかけがある。
    とりあえず面倒くさい人間関係は全て切り捨ててきたその結果、
    職場の同僚も隣近所もあまり良く知らない人たちばかりという
    人間関係の希薄な社会に私たちは生活している。
    信じるべき人間関係とは、常に面倒くさくうっとうしいものであり
    それを乗り越えるプロセスこそが人間関係なのだということを改めて思い出させる。

    謎のカップルを演じた、小野智敬さんと野村佑香さんがとても良かった。
    宗教に裏打ちされた行為特有の迷いの無さが潔い。
    この“全く空気を読まない”我が道を行く言動が
    不気味な感じを漂わせて秀逸。

    結局この二人が罪を犯しているのか、ただの過剰な親切なのか
    最後まで謎なのも、現代の不安をよく表わしていると思う。

    亡くなった母の幽霊が出て来たり、
    霊感の強い鵺子がその母の言葉を皆に伝えるイタコ的役回りをするのが面白かった。
    鵺子役の前東美菜子さん、イタコ通訳にだんだん自分の感情が加わるあたり
    思わず共感して笑ってしまった。

    サスペンスおばさんを演じた岡まゆみさん、
    「彼らは宇宙人なのよ!」みたいなぶっ飛び台詞を超マジ顔で言って
    客席からどっと笑いが起こるのは、素晴らしく振り切れているから。

    赤の他人をも頼りたくなる老人の心細さを口にする割には
    ちょっと老人の声が力強過ぎ(?)、息子と怒鳴り合う所は迫力満点。
    当分ひとりで大丈夫だよ、と思ってしまった(笑)
  • 既視感ゼロ
    松本祐子さん演出、バジリコFバジオの佐々木さん脚本の「隣人予報」観劇。

    まず設定に既視感がないのがすごい。
    脚本家、頭良い。
    笑いのセンスもある。
    出演者14人。
    上手く書きわけている。

    文学座の坂部さん、半端ない。
    度肝を抜かれる。
    あの感情の爆発シーンで泣いてるお客さんが沢山いた。
    泣いている男性が多い理由も分かる。
    私も泣いた(笑)
    あれは脚本家冥利、役者冥利に尽きるシーンだろう。素晴らしかった。

    演出の空気感、見事。飽きさせないで人間を見せきる。
    松本裕子さん。鳥瞰図以来の演出観劇。
    健在。


    難を言うなら、「作品の重奏低音が弱い」か。

    でも面白かったわ。
    興奮した。
    ザムザの雰囲気も好き。

    ただ、あのキャスト、スタッフ、美術を見る限り、全日程満席でも大赤字なんじゃないかな、と少し心配。

    いや、そこはプロデューサーの小野さんの覚悟なんだろう。
    当日パンフレットにもあったが、一年前からの企画らしい。
    それが四日。8ステージで終わるのだ。

    何て儚く美しいビジネスにならない芸術なんだろう。

    しかし、この小野さんて方の実現力には舌を巻く。良いプロデューサーだわ。

    さて、当日、私は多摩地区の自宅からチャリで三鷹まで行き、忘れ物に気づきチャリで家まで帰って、電車で行きました(笑)

    いやあ、楽しい観劇でした。

  • 満足度★★★★

    騙されているのか?
    若い男女…
    騙しているようには見えない。
    あれは親切で?

    ネタバレBOX

    お店のケーキはいったい?笑

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