満足度★★★
パワーは充分
すごい親切な隣人が、
ある家庭にどんどん浸食してきて、
さて、どうなるのかしら、なお話。
何かが侵入してきて、
何かが壊れたり、何かが変わったり。
という、なんとなくピンターみたいな演劇。
一人の老人は、家族よりも親切な隣人を頼り、
愛するようになり、
その様子を見た家族は、少しづつ、何か変わっていく。
ラスト周辺の怒涛の力押しは迫力があり、
特に、文学座の坂部文昭さんのパワーには驚いた。
ただ、なんとなく、力押し一点の演出なような気がして、なにやらもったいない気がするのでした。
パワーがあるのはすごく良いことだけど、もっと、
繊細な何かも観たかった、そう思います。
満足度★★★★
時代を映す脚本
独居老人に対してやけに親切な隣りのアパートのカップル。
老人の財産目当てに近づいているのか、それともただの善人なのか…。
昨今の世相を反映しながら、その台詞は普遍的な家族の心情を突いている。
謎は謎のまま…というのがちょっと怖くていいと思った。
バジリコFバジオの佐々木さんの脚本、シリアスとコメディのバランスがとても良い。
最後やっぱり泣いちゃうし。
既視感ゼロ
松本祐子さん演出、バジリコFバジオの佐々木さん脚本の「隣人予報」観劇。
まず設定に既視感がないのがすごい。
脚本家、頭良い。
笑いのセンスもある。
出演者14人。
上手く書きわけている。
文学座の坂部さん、半端ない。
度肝を抜かれる。
あの感情の爆発シーンで泣いてるお客さんが沢山いた。
泣いている男性が多い理由も分かる。
私も泣いた(笑)
あれは脚本家冥利、役者冥利に尽きるシーンだろう。素晴らしかった。
演出の空気感、見事。飽きさせないで人間を見せきる。
松本裕子さん。鳥瞰図以来の演出観劇。
健在。
難を言うなら、「作品の重奏低音が弱い」か。
でも面白かったわ。
興奮した。
ザムザの雰囲気も好き。
ただ、あのキャスト、スタッフ、美術を見る限り、全日程満席でも大赤字なんじゃないかな、と少し心配。
いや、そこはプロデューサーの小野さんの覚悟なんだろう。
当日パンフレットにもあったが、一年前からの企画らしい。
それが四日。8ステージで終わるのだ。
何て儚く美しいビジネスにならない芸術なんだろう。
しかし、この小野さんて方の実現力には舌を巻く。良いプロデューサーだわ。
さて、当日、私は多摩地区の自宅からチャリで三鷹まで行き、忘れ物に気づきチャリで家まで帰って、電車で行きました(笑)
いやあ、楽しい観劇でした。