ぼーくらは、みんなーいーきている〜 公演情報 ぼーくらは、みんなーいーきている〜」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    役者の魅力を引きだしつつ・・・
    24日ソワレ、27日マチネで両編を。
    夭逝されたという劇作家、萩原伸二さんについては
    まったく存じませんでしたが、
    彼の紡ぐ世界にも惹かれつつ、
    役者たちのそれぞれがとても魅力的に思えた公演でもありました。
    その世界がただ戯曲で語られてるのではなく
    役者たちの良い部分をちゃんと惹きだすように
    作られているというか・・・。。

    席替えに巻き込まれて、場内の雰囲気の違いを体感するのも楽しくて。
    そして、なにより、導き出された役者の個性が
    しっかりと残る舞台でありました。

    ネタバレBOX

    会場に入ると、いきなり目に飛び込んでくる
    舞台というか場内の美術に息を呑む。
    ポップでいろんな世界が混在し、でも散り散りになることなく
    一つの空気に調和していて。

    座席もいろいろにランダム。
    ちょっと早めに入場できたので、それぞれの席からの風景を確かめて
    一番お気に入りの席に腰掛けます。
    なにか次第に会場の空気が馴染んでくる感じがとてもよい。

    戯曲を演技に紡ぎあげる役者たちにも、それぞれの魅力があって・・

    ・席替え
    両編の共通演目でありつつ、
    モラトリアム編は女性Ver,パンツ編は男性バージョンで。
    両方見ると思春期の男女が抱くものの次第に解けていく感じの
    通じるものと異なるものがさらなる広がりを生み出して・・。
    同性の視点で観るからか、パンツ編(男性Ver)の方が、
    なんというか主人公の自我がやや強い感じがあって、
    その分、次第に解けていく想いが、
    とても良い意味でまどろっこしい感じがする。
    橋本昭博の想いのメリハリのつけ方の自由さを、
    芝原弘が丁寧に拾い色付けしていく感じ、
    観る側に物語られるものがゆっくりと丁寧に伝わってくる。
    モラトリアム編(女性Ver)は
    佐藤睦の内向的な想いに密度があり、
    その解け方にもしっかりとした歩みを持っていて、
    一方で佐山花織のリズムが、それを停滞ではなく
    解けていくことわりや歩みにうまく導いて。
    二人のバランスがほんの少し乖離する時間があって、
    更なる精度も作れる感じはしたものの、
    そのばらけ方が生み出すニュアンスがあって。
    戯曲の懐の深さを感じたりもしたことでした。

    ・恋愛恐怖症(パンツ編)
    どこかファンタジーな部分もあるのですが、
    そこに作品が足を止めず、
    やがて、西村ヒロミが演じるキャラクターの存在感や
    ナチュラルな女性の風情と質感が
    くっきりと浮かび上がってくる。
    窪田壮史の作り出す距離感がしたたかで、
    物語の空気を想いと現実のはざまにうまくコントロールして。
    ちょっとした客いじりや美術の使い方が
    観る側を編み上げられた世界に次第に同化させていく力にもなっていて。
    気が付けば、主人公に去来する想いのありようが
    とても自然に、舞台の風景の如く、観る側に置かれておりました。

    ・明日はあかね色(パンツ編)
    どこかコメディ的なテイストもあるのですが、
    柴田薫のロールへのデフォルメが、
    キャラクターの要所のリアリティをしっかりと切り出していて
    ドタバタした印象の先に、とても今を歩む女性の素顔を垣間見せる。
    そこに引きずられる感じの横山晃子や江間みずきも
    単に柴田に振り回されるのではなく、
    個性自体もそのキャラクターのペースのようなものを
    それぞれに重なることなく良く作りこんでいて。
    どこかとほほな、戯画的な部分に観る側を巻き込む力がありつつ、
    でも、そのベタさの先にある、ふっと広がるほろ苦さのようなものに
    しっかりと惹きつけられました。

    ・忠臣蔵ブルース(モラトリアム編)
    古典を置き換えるくすぐり的な部分は、
    それほど珍しく感じなかったのですが、
    佐野泰臣と石川修平の作り出す、
    現代との重なりの精度がとてもよくて、
    陳腐な印象はなく、その中間に編まれていく感覚が、
    時代を跨いだ普遍としてやってくる。
    アイデアをあざとく感じさせない、
    空気のクオリティがあって、だからこそ、
    物語と舞台上が乖離せず観る側を繋ぎとめておりました。

    ・ヒカリモノ(モラトリアム編)
    戯曲は、ことばにできないようなニュアンスを語っていて、
    でも、その深さを表現しうる力量が役者たちにあって。
    石塚みづきには、刹那ごとの想いを、
    クリアに立ち上げるパワーがあって、
    さらに、それを観る側に焼き付けてしまうのではなく
    別の軸に乗せて動かしていく、安定した持久力もあって。
    芝原弘が舞台全体の空気をしなやかコントロールしていくなかで、
    その、てだれの演技力と組みあって、単に舞台に染まるのではなく
    さらに踏み出していく表現の力量に舌を巻く。
    死とのエッジに立つ時間が、
    概念からふっとリアリティを垣間見せる
    そのしなやかさと切先に息を呑む。
    さらには、流れに加賀美秀明が重ねる、
    全く異なる質感が一つの束ねとして
    朝を迎えるところまで運ばれていく成り行きにも
    ひたすら見入って。
    夜にだからこそ存在する、虚飾とどこか薄っぺらい感覚から
    ロールたちの想いのコアが滲み、さらに削ぎ出されて。
    しっかりと心を捉われました。

    *** ***

    パンツ編の後に観たおまけ芝居、これがねぇ、とんでもなく面白くて。
    素敵にくだらないのだけれど、天丼されても全然見飽きないというか。
    楽しませていただきました。

  • 満足度★★★★

    モラトリアム編
    結局パンツ編が見れなかった。とても残念。

    相当な会場との一体感がある芝居。とてもいい。

    お話は、少し「陰」の部分がメインに描かれている感じがした。陰なんだけど、どろどろしていないのがなかなか。

    橋本さんと芝原さんの2人芝居は楽しかった。恋愛恐怖病はコミカルで面白い。
    明日はあかね色は、少し個人的にはもどかしい感じがした。

    当日のおまけの「忠臣蔵ぶるーちゅ」もどこまで想定でどこからアドリブかわからなかったが、その場で進んでいく感がよかった。

  • 満足度★★★★★

    パンツ編千秋楽観劇。
    仕事の都合でモラトリアム編観れず…悔しい。後輩出てたのに。モラパンは「髪をかきあげる」に続き、二度目の観劇(旗揚げ公演はDVDで鑑賞。)ですが、毎回、客と演者の距離がめっちゃ近いですよね(笑)
    しかも今回、作品ごとの席替えで客自身も移動するので、場の一体感をとても感じれて、面白かったです。
    3作品の中では【席替え】が一番笑いました。

    会場の壁に描かれたイラストもとても素敵でした。
    次回公演も期待してます!

  • 満足度★★★★

    パンツ編を観劇
    作品ごとに席替えをするスタイルが新鮮で面白かったです。キャストとの距離もすごく近かったし、ストーリーも身近な題材だったので自分もその作品の一部になっている感じがしました。会場も高校の文化祭みたいで楽しめました。

  • 満足度★★★★

    みました
    ちょっと若向けな気がしましたが面白かったです。

  • 満足度★★★★

    ねぇ、席替えしない?
    M編。面白い。

    ネタバレBOX

    「席替え」
    教室。いじめられっこな佐藤睦の前に佐山花織が現れ、嫌なヤツは遠くに、好きば○○君を隣にしようと、席替えを提案する…。
    浮かない表情の佐藤と対照的に爛漫な佐山。佐藤も次第にノッてきて…。佐山が同級生(クラスメイト?)で、三ヶ月前に踏み切りで死んだ(たぶん自殺か)ことが分かる。席を交換してその景色を眺め合う二人。佐山の真っ暗な景色を見た佐藤に、エールを送って消える佐山。笑顔をみせる佐藤…。
    15分程度の上質な二人芝居。高校生くらい?のデリケートな心とある種な生き方のコツみたいなのを「席替え」って要素でもって、美しくあたたかく魅せてくれた。○○君のものまねで佐藤の心をくすぐろうとする佐山が上手い。背景の見せ方もいいしドラマ性も十分。コンパクトでいて詰まってる。死んで人生の極意を発見した人間からの贈り物を、今後も生きていく人間が素直に受け取った舞台。気に入った。

    「忠臣蔵ブルース」
    討ち入り前夜。集中している石川修平の部屋に、騒がしい佐野泰臣が入ってくる…。
    ジャージな衣装と現代的なしゃべり、とっつきやすいシンプルな構成と死を間近に感じている二人の心のゆらめき。ビビる石川に剣の稽古をつける佐野。どちらも不安な気持ちを抱えて、それでも武士であろうとし、疑い信じようとし、夜を過ごすさまに、笑えもするし生きるってことにおっかなくもなる。
    生死に向き合うなんてまずしない現代と、生死が近すぎた(であろう)昔をつなぐ不思議な作品。面白かった。

    「ヒカリモノ」
    教え子の女子高生・石塚みづきと関係し、孕ませた教師・芝原弘の二人が、投身自殺をしようとしている。みづきの父はやくざなお人らしい。そこに、みづきの兄・加賀美秀明が乱入。みづきの日記をみてやってきた。加賀美は芝原の同級で4年も引きこもってるクセのあるタイプ。加賀美はもうイヤになったからと3人で死のうと提案する…。
    前2編が好みだっただけに、イマイチ何かを感じられなかった。3人の現状が死に向かうってところが釈然としなかったせいだろうか。終盤の前向きなシーンもセリフが長々しいなと感じてしまった。つまらなくはないけど。
  • 満足度★★★★★

    モラトリアム編
    この会場で短編集としてはしっかりした公演だった。いい女優がいるなあ。忠臣蔵はあまりに現代の感性で気に入らなかった。

  • 満足度★★★★

    モラトリアム編
    オーソドックスなスタイルで文学的とも言える萩原戯曲をモラパンならではのPOPな美術の中で見せて独特の味わい。
    「忠臣蔵ブルース」の床の間と「ヒカリモノ」の照明が特に印象的。
    それにしても、演ずる役のための「アレ」とはいえ、オープニングで学生服を着た加賀美さんの違和感と言ったら!(爆) 芝原さんの方がよっぽどサマになっているってくらいで…(笑)

  • 満足度★★★★

    モラトリアム編観劇
    まずは、モラトリアム編観劇。
    席替え演劇ということで席替えがどうなるのかと思ったが、予想以上に合ってるし、今回の見せ方に溶け込んでる感じを受けました。(なお、動かなくてもよい席もあり)
    三つの話で、確かに死を扱う物語ではあったが、どれも奥底にある生きると心情を強く感じました(一部例外ありだが)。面白かったです。

    ちなみに、可能であれば、席替えする席に座るほうがより一体になって楽しめるかも。

このページのQRコードです。

拡大