満足度★★★
50年後の再演
50年後に再演される予定の作品を通じて、現在の姿と50年後の姿がユーモアと切なさをもって描かれていて、しっとりとした質感が心に残りました。
トランペット独奏によるファンファーレが響く中、電動ブラインド越しにダンサー達の姿が見え隠れする印象的なオープニングの後、賑やかなショーダンス的なシーンが続き、それぞれのソロを挟みつつ、50年後のシーンが挿入されて年老いていく体を感じさせ、静かに終わる展開でした。
紙皿やプラスチックかご等に顔を書いた仮面を身に付けて踊るシーンは抑制された動きとジェスチャーが能のようで、とても美しかったです。
このカンパニーらしい失笑を誘う様な小ネタが楽しかったのですが、各ダンサーの存在感だけで十分面白いので、笑いを取ろうとする演出をそれほど盛り込まなくても良いような気がしました。
表情も作品の要素として大きな位置を占めていて、各ダンサーの個性が出ていました。白神さんの男前な雰囲気とソプラノの歌声にインパクトがありました。
ピアノ生演奏を中心とした音楽も、普段はクラシックの演奏会を行うことが多い会場の雰囲気に合いつつ、ノリの良さもあって素敵でした。既製の音楽の選曲のセンスも良かったです。