劇団おぼんろ×写真家三浦麻旅子フォトシアターVol.1
写真とモノガタリの冒険
実演鑑賞
新宿眼科画廊(東京都)
2013/03/01 (金) ~ 2013/03/06 (水) 公演終了
上演時間:
公式サイト:
http://www.obonro2012-9.net/
期間 | 2013/03/01 (金) ~ 2013/03/06 (水) |
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劇場 | 新宿眼科画廊 |
出演 | おぼんろ、三浦麻旅子、ゲスト:金崎敬江(miel) |
脚本 | 末原拓馬 |
演出 | おぼんろ |
料金(1枚あたり) |
0円 ~ 2,500円 【発売日】2013/01/26 写真展示 入場無料/パフォーマンス¥2,500 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 3月1日(金)パフォーマンス19:00~ 3月2日(土)写真展示 12:00~17:00/パフォーマンス19:00~ 3月3日(日)写真展示 12:00~17:00/パフォーマンス19:00~ 3月4日(月)写真展示 12:00~17:00/パフォーマンス19:00~ 3月5日(火)写真展示 12:00~17:00/パフォーマンス19:00~ 3月6日(水)写真展示 12:00~15:00/パフォーマンス17:00~ |
説明 | 写真に閉じ込められた二次元的な世界。 視線に触れる事で、掬い撮った瞬間に潜む体温と時間が動きだす。 劇団おぼんろのフィルターを通過してうまれる物語。 2012年春のプレ公演から一年越しの写真とモノガタリの冒険。 ――メタモルリバース―― 現実世界には、音も、景色も、時間も、何もかもある。 それを切り撮って生まれた、写真。 写真には音がない 写真が、文字と出会う。 文字には景色がない 敢えて削ぎ落としてきたはずのものを、 ふたつは互いに、手にする。 それは再生にも似てるが、そこに生まれるのは、元の現実ではない。 そして劇場には、“時間”が渦巻いてる。(末原拓馬) ■準備日誌■ ■3月1日<麻旅子>■ ヒトトキ。ひと時。 が。 始まりで。終わり。 昨日。搬入しました。 これからもう少し加えます。 そして。今宵は映像出しも担当します。 写真をお披露目する前は。 口を噤みたくなるのです。 しかも月が満ちていた。 ■2月26日<拓馬>■ 本公演とはぜんぜん違う。とにかく説明も少ないし、あまりこちらから何かを強要しないように心がけた。だから逆に、参加者が何を感じてくれるかがとても楽しみ。 ■2月26日<麻旅子>■ 本番まで残り僅かの時間。 着々と貪る。 インクがジェットでイメージを露にする。 空にはパワフルな月の光。 裏切られる重力。 来るものと逝くもの。 みんな待ってる。 ■2月21日<拓馬>■ 本当に楽しい。 稽古も良い感じ。 これまで常連だったおぼんろ参加者が驚くように、 ちょっと不思議な公演にしたい。 これが初見の方には、ちょっと変わった自己紹介になるかも知れないなあ、と思いつつも、でも、いま作りたい作品がこんなようなものなのだ、それはもう、そういうことなのだ。これにしかなり得ない。 自分の綴った言葉を、 声に出してもらえる。 それはなんかもう、幸せだ。 ■2月17日<麻旅子>■ 砂丘で撮影した写真を11カットに絞り込んで、 冊子に編集した。 そこには既に。 モノガタリが存在していた。 寒いなか。裸足で頑張ってくれた拓馬君と敬江さん。 ほんとうに。ありがとう。 そして。 どんなコトバが紡がれるのか。とても楽しみ。 ■2月15日<拓馬>■ ゴべリンドンの沼はとにかく、汗かいてなんぼ、 みたいな公演形態だったわけで、 一方、自分の詩人としての活動は、 どうにも静かで。 だけど、自分の中には、確かな熱量が、ものすごくあって。 静かな中の熱量、 と言うのは、まさに、 いま相手にしている写真たち。 どうしてこんなにも雄弁にさせられてしまうのだろう。 ■2月15日<麻旅子>■ 何かが起こってる。 相乗効果。 イメージが動き出して。 からっぽの私は。それを記録する。 2月12日砂丘ロケ低い雲。時々お日様。雨。雪。 末原拓馬&金崎敬江 そこには既にモノガタリがあった。 まんまと。拓馬の創りだした造語『メタモルリバース』 役者って凄い。 そして。 今日はオーダーメイド砂時計を作ってくれる東京硝子工芸に モロッコのメルズーカ砂漠のピンクの砂を持っていった。 自宅で親子で営業されている。 演劇に使うんですと伝えると、 以前、山海塾がパリ公演で使う為に作った事があると教えてくれた。砂が入った硝子を吊るしてステージに砂を落としたらしい。照明に映えて美しかったのだろうな〜。 ともあれ。 思い出の砂で作る砂時計って。夢がある。 仕上がりが楽しみ。 ■2月14日<拓馬>■ 驚いている理由は一つ。 先日のロケで撮影した写真が麻旅子さんから送られてきたことによる。 写真家と言うのはこうも偉大なのか。 被写体になることだけに徹し、 すべてを委ねたけれど、 あの場、あの時間が、 ひとつの世界になった。 紡がれるべき言葉が、 自分の中でふつふつと出番待ちを始めた。 文字にせねば。 ■2月11日<麻旅子>■ 少しだけおぼんろ稽古を覗く。 写真からシーンが生まれ。 語り部の存在で発展し。 発展したシーンを受け取って。写真を紡ぐ。 そして。 参加者の方々の内側で。 イメージが膨らんでくれれば嬉しい。。。と思い。 そんな事が想像出来て。 楽しみが増えた。 そして。明日はロケ。 お日様よろしくお願いしますm(__)m ■2月10日・夜<拓馬>■ 六本木にある、 こうづなかばさんのgallery chordで、麻旅子さんと三人で、 ブレインセッション。 そんな言葉はないけれど、 シンキングセッションと言うか、なんつうか。 こうづさんは恐ろしいほど尊敬できるアーティスト。 グラフィックデザイン、絵画、詩、など様々な作品に取り囲まれて、三人、ジャンルの垣根を越えた会話をし続けた。実に5時間以上が、アッと言う間だった。 フォトシアターでは、会場内の展示方法を手伝ってくださるのだが、こうづさんとのやり取りで、どんどん、フォトシアターのインスタレーションとしての価値が高まっていく。 年齢も性別も違う三人だったが、 魂と感性が通い合うのが実感としてハッキリわかる。 ちなみにこのギャラリー、おすすめです。 ■2月10日<拓馬>■ 先日稽古を開始し、のっけから手応えを感じる。 ひろえさんとめぐみさんの相性が予想をしのぐほどに、いい。 ふたりとも俳優の属性としては「陽」だけれど、 2人で話していると、そのあまりの明るい時間の解釈に、 儚い物語を差し入れたくなってしまう。 セクシャルなものには興味がないが、 2人に身体訓練をしてもらっているときに、 得も言われぬ、なんと言うか、 分裂するアメーバに宿る色気と言うか、 そんなようなものを感じた。 詩の合奏。 実は演劇を始めた当初、自らの音楽的生い立ちも助けてか、 とにかく舞台上の音にこだわったことがある。 歌ほどにメロデイ―は紡がないが、言葉と声ですべての世界を創り出せはしないかと延々、実験を繰り返した時代がけっこう長くある。10人以上の台詞を、音量、音程、リズム、ニュアンスまで細かく指示し、時に同時多発にしたりと、重なり方に徹底的にこだわった。 指揮者と言うか、スコアラーとしての楽しみに全精力を捧げていたように思う。当時は、「音楽で育った自分が、演劇をやるに至った(神様の意図的な)理由は、これだ」などと思っていたくらいだった。 そして、その方法ならば世界にも通用するとさえ思っていた。 しかし、当時は周りにいる連中もキャリアが浅く声の技術も足りず、結局、指揮することに稽古時間をすべて持って行かれてしまい、自分の出演も極めて少なくしていた。その割に、望んだクオリティまで到達しないことも多かった。 『ズタボロ一代記』以降の作風では、もう、それらの声のオーケストラとでも言うやり方は一切封印してしまった。 で、今回、 プランを考えているある日にメンバーのことを考えていてハタと気が付いたのである。 「・・・・・・このメンバーなら、もしかして・・・・できるじゃんか」 そんなこんなで、いま、興奮していたりする。 ものすごいものが創れそうな気がしているのだ。 ■2月8日<麻旅子>■ 拓馬君から届いたモノガタリを音読しながら。 写真を紡いでいました。 これは始めると止まらなくなるのです。 が。 今日はゲストの金崎敬江さんとめぐみさんの顔合わせでしたので区切りの好い所で終了し。 その映像を持って出かけました。 女同士のどんな戦いになるのか。と思いきや。 敬江さんのワークショップさながらにカラダを動かし、 色んな繋がりに笑いも絶えず。。。 映像も見てもらって。 本読み。 声が重なるのは本当に面白い。 イメージがどんどん膨らみます。 ■2月3日<拓馬>■ 客演中の敬江さんを観る。 素晴らしい、本当に。 今回のフォトシアターのプランにおいて、 めぐみさんの相手役が務まる女優は、 他に思い当たらない。 構想とイメージは溢れ続けている。 まとまらない。ぐにゃぐにゃの、七色の粘液みたいな煙、 て感じで、視界を曇らせるような、 包み込むような、 あまりに美しいような、 恐ろしいような。 なんのこっちゃ。 麻旅子さんと話す。 話しているうちに、砂の世界はどんどんと深みを増していく。 そろそろ書き出せそうなのだけれど、 砂の世界に踏み込む作業になるので、 いったん踏み込むと長い旅になる。 まだその勇気はなかったりもして。 明日は麻旅子さんと敬江さんと、 静岡の砂丘に撮影に行く予定だった。 が、雨。 やむなく延期。 むりやり運命論に自分を差し向けて、 この雨の理由を考える。 ■1月28日<拓馬>■ 当たり前だけれど、及第点では意味がない。 パフォーマーの能力は極めて高く、 麻旅子さんの写真は、正直、自分とコラボレーションなんてしなくても、どこまでも魅力的であり、 そして、敢えて言うけれど自分の感性はしっかり人の心に響くほどの価値があると思っている。 公演へのモチベーションはいろいろ、いくらでもあるが、 「表現欲求」と言う点から考えるとあまりに幸せな時間を過ごしていて、この仲間と作品を創るだけで、満足できたりはする。 産みの苦しみと言うのに関しては、どんなに訓練を積もうが回数を繰り返そうが一向に手を緩めてはくれなくて、ただ、最近は、そこに踏み込まなくても、及第点の作品なら創ることができるように思う。 と言うところから、 言わずもがなそれじゃ話しにならない、 てなところに思い至っているわけで、 おぼんろといては、 50000人の仲間とともにシアターコクーンに殴り込みをかける道すがらであって、 そのために、4か月後の本公演では、 前回公演の1359人の二倍、 2718人で公演をやろうと言っている。 正直、これは恐ろしい戦い。 前例もないし、 この業界のどんな大人に話しても、 「できっこない」と言われる。 でも、 「できるできないじゃなくて、やるんです」 と、それ以外に選択肢はなく。 つまり、 『ゴべリンドンの沼』と言う作品を、必死の覚悟で創り上げたように、やっぱり今回のこのフォトシアターを、ものすごい作品に仕上げるつもりでいる。 誰に見せても恥ずかしくない、 一度参加したらもう一度参加したい、 思わず他人に推薦したくなる、 そういう作品にしないと、 絶対に、今後、おぼんろに将来なんかありっこない。 と、そこまで自分を追い詰めると、 これはもう、生みの苦しみさんは大はしゃぎで攻撃を仕掛けてくる。 ねじ伏せてみせる。 えんえんと、 作品創りに励んでいます。 ここにこう書く公言が、 実行しないではどうしようもなくなるように、 おぼんろを背水の陣に追いつめる行為なのは、 わかっているわけです。 ■1月27日<拓馬>■ ゲストパフォーマーの金崎敬江さんとも打ち合わせる。 素晴らしいパフォーマー。 なんと大学関連の相当に上の先輩であり、 また拓馬は彼女の主宰するmielというユニットに出演させていただいたことがあり、演出も受けたし、振付けもしてもらったことがある。 そして、敬江さんは、麻旅子さんのちょっと友達であったりする。 今回特に、 メンバ^-のわかばやしめぐみと化学反応を起こせる人間が欲しかったと言うこともある。どうなるか楽しみだ。 目下、 机にかじりついて執筆中。 ■1月26日<麻旅子>■ 新宿眼科画廊で、ゲスト出演のパフォーマー、miel主宰、金崎敬江さんと、おぼんろ拓馬さん。倫平さん。 そして。写真展示を助けていただく、高津さんと打ち合わせ。 目から鱗。 イメージが明確になる。 変容して研磨され。遠い時間をかけて。 全ては○になる。 『メタモルリバース』な世界。 そういえば。私の好きな声のカタチも◯。 そしていつも立ち戻る。『写真』の事。 円い粒子だって 不揃いな角な集合だって。 ■1月25日<麻旅子>■ 「砂」 砂嵐は痛い。 砂塵には沢山の記憶がつまってる。 想像したらどこまでもいってしまう。 旅したモロッコで、駱駝に揺られて、一泊のピクニックに出かけた。 星天井の砂の谷間はシーンという音が聞こえる程に無音。 月が沈み。宇宙が巡る。 安部公房の『砂の女』を思い出す。 都会の雑踏にも重なり。 蟻地獄の様にスルスルとのみ込まれ埋もれてしまう砂山で生き抜く力強く美しい生命力に焦がれる。 ■1月24日<麻旅子>■ フォトシアターが始まります。 前回、数枚の写真を元に、おぼんろがどのように表現してくれるのか全く知らずに当日を迎え(不安と、期待でドキドキしてました。。)暗闇の中に浮かぶ写真空間に、声がタチアガリ、イメージが生き生きと動き出す美しさに、とても感動したのを覚えています。 満を持してのVol.1で、色々アイディアが沸き上がるのですが、昨夜見たNYパンクの女王パティー・スミスのライブで、『声』の持つ力を再確認しました。 今回も、語り部さん達の『声音』のパワーを楽しみにしています。 ■1月24日<拓馬>■ 今回のテーマは「砂」。 世界の砂漠を旅してきた三浦麻旅子の、 砂の写真はこれまで何度となく拝見していて、 そしてその都度、 不思議な感覚に呑み込まれそうになってきた。 砂漠が見たいという理由で簡単に海を渡る彼女はすごい。 かく言う自分も、砂については様々なイメージを持っていて、 ノートのすみ、パソコンの中、部屋に散らばる紙屑の裏に、 数々の砂にまつわる走り書きをしてきた。 麻旅子さんの感性はヘビーだ。 それでいて美しい。 呑み込まれそうになるし、 呑み込みたくもなる。 ■1月22日<拓馬>■ 以前、 メンバーの高橋倫平の結婚式に行くときに、 麻旅子さんと一緒にちいさな旅をしたことがあるが、 彼女はことあるごとに車を止めて写真を撮り始める。 高速道路でさえも、 車から降りて山並みを撮影し始めたときには、 交通警察が駆けつけてきて、 相当な叱られ方をしていた。 「あぶないでしょうが!!」 うん、あぶなかった。 結婚式場に行くのに迷い、 「ああ大変、もう打ち合わせ開始時間だ」 と言うときに、 運悪く、迷い込んだ雪山があまりに美しかったわけで、 なんと彼女は車を降りて写真を撮り始めた。 (高橋倫平の、あの後のぷんぷん!とした感じも忘れられない) ■1月前半某日<拓馬>■ タイトルはどうしようか?と相談をする。 内容も曖昧ながら輪郭は見え始めているから、 具体的に物語のタイトルにするか、 それとも、イベントについてにするか。 例えば拓馬の一人芝居は、 『ひとりじゃできねぇもん』だ。 ちなみに前回のフォトシアターは、 タイトルはひたすら長い。 『写真には音がない 文字には景色がない そして 劇場には時間が流れている』 まずはお試しと言う感覚で、 【vol.0】と銘打った。 わかばやしめぐみは 「ボルゼロ。ボルゼロ。」 と読んでいたけれど、 これは、「ボリュームゼロ」と言うわけで、 つまり、 まだフォトシアターは始まっていない、ということ。 麻旅子さんの中でも、 今回のvol.1こそが勝負と言う感覚があるのがわかる。 もちろん、自分にもある。 前回は展示こそ一日中やっていたものの、 フォトシアター自体は20分程度しか行わなかった。 (参加者は、「もっと観たい!」と口々に言ってくださった) しかし、 その空間で起きたことがあまりに衝撃的だったもので、 その後もたまにあの時間を夢に見る。 満を持しての、vol.1だ。 タイトルは、劇場内で起きるであろう現象、 「メタモルリバース」 自分で産んだ造語だけれど、 的を射ている言葉。 |
その他注意事項 | |
スタッフ |
視線に触れる事で、掬い撮った瞬間に潜む体温と時間が動きだす。
劇団おぼんろのフィルターを通過してうまれる物語。
2012年春のプレ公演から一年越しの写真とモノガタリの冒険。
――メタモルリバース――
現実世界には、音も、景色も、時間も、何...
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