満足度★★★
本音の中に
栗山民也さん演出という事で、作品等は全く予備知識がなく観に行って来ました。とても重たいテーマでも軽さを忘れずに演出されていて、観易かった。
満足度★★
シニカルなホームドラマ
新国立劇場の演劇研修所の修了公演として、イタリアの国民的劇作家(とのことです)エドゥアルド・デ・フィリッポの作品が上演されましたが、全体的に雰囲気がぎこちなくて流れが悪く、90分程度の上演時間にも関わらず時間が長く感じられました。
あるアパートに住む一家が隣人から殺人の嫌疑を掛けられたことによって家族に対するそれぞれの内なる声が露になって行くシニカルな物語を、次々に人が訪れて同じような台詞やシチュエーションが繰り返されるといったコメディータッチで描きつつ、最後は寂しく終わる作品でした。
虚仮威しのないオーソドックスな内容なため、役者の演技力がはっきりと現れていて、笑いを取れる箇所が沢山ありそうな戯曲なのに、間の取り方や台詞回しが上手く行ってなくて滑っているように感じました。笑いの要素がしっかりと表現されていないので、シニカルな要素もあまり引き立っていませんでした。前半で台詞を噛むのが目立ったのも残念でした。
登場人物の年齢が子供から老人まで幅広いのを20代後半の役者達だけでカバーするのは無理があると思いました。海外の戯曲を選んだことを含めて、研修生の人達に日常感覚に頼るだけでは形にしにくい役を演じるというハードルを課す目的があるのだと思いますが、公演として楽しめるレベルには達していないと思いました。