くるみ割り人形 公演情報 くるみ割り人形」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    人形達の国
    大まかな物語の流れはプティパの原典版に基づきながら、場面設定を変更したりして自然なストーリー展開にしたバージョンで、原典版の良さを残しつつ新たな魅力が加わっていました。

    第1幕は室内ではなく、クリスマスマーケットが開かれているドイツの街中で、そこにやって来た移動式の人形劇場の中にクララが小さくなって入り込んでしまい、そこで人形達を助け、第2幕もお菓子の国ではなく、様々な国の人形達の世界という設定になっていて、クララとネズミの大きさが同じであることに整合性を持たせ、唐突な感のある世界各国のダンスにも必然性があるようになっていました。

    振付や衣装は原典版の雰囲気を残したクラシカルな感じでしたが、第1幕終盤の雪の精の群舞だけは、前後で丈の異なる特徴的なデザインの衣装と、わざとバランスを崩すようなムーブメントで構成されていて、斬新でした。
    古典的優雅さも良いのですが、このようなコンテンポラリーな要素がもっとあっても良いと思いました。

    奥行きのある街並みや、可愛らしい移動劇場、折り畳み式の人形達の宮殿等、美術のクオリティーが高く、メルヘン的な雰囲気が良く出ていました。
    クララが人形劇場に入ったシーンでは劇場の裏側からの視点のセットになっていて、書き割りの裏側の骨組みが丸見えで、一番奥には開演前に舞台の前で下がっていたのと同様の赤いビロードの緞帳が見えているという洒落たデザインが楽しかったです。

    第2幕のグラン・パ・ド・ドゥのアダージュのクライマックスの部分をカットしたり、ラストの元の世界に戻るシーンで第1幕前奏曲をフラッシュバック的に挿入したりと、目立つ音楽の改編がありましたが、その効果が感じられず、違和感だけが残りました。

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