忘却のキス 公演情報 忘却のキス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • これは難しいぞ
    「難解」としか言いようのない芝居だ。役者の台詞を理解しようと反芻していると次の台詞はあらぬほうに飛んでいて聞き逃してしまう。(台詞回しも早いし)
    ただ言えるのはどのシーンでも登場人物の台詞がかみ合っていないというか、自分勝手にまくし立てているというか、まあそんな感じだ。(初めと終わりの映画を観た後の観客たち、医者と患者、そして主人公の男と女etc・・・)でも何故か男と女は最後には赤い傘に二人で入ってハッピーエっぽい感じなのだ。(私が見落とした箇所が沢山あったのだろう)芝居を理解しようとしてクロマチック・アコーディオンの素敵な演奏をだいぶ聞き逃してしまったようだ。これは素朴な疑問だが、役者さんはこの難解な台詞をどうやって覚えるのだろうとそればかり気になってしまった。この作品は私には点数を付けられません。“観たい”に「挑むつもりで観ます」なんて書いたけどこりゃ完敗だな。

  • 満足度★★★★

    難解でした
    14のタイトルがついたシーンで登場人物は同じらしい。一つ一つのシーンが完結しているのか、つながっているのか、全体的なストーリーも部分的なストーリーもよくわからないままであった。ドイツ演劇の特性なのか。たぶん戯曲で読んでもよくわからないだろうなと感じた。白い移動する壁で舞台転換が行われ、役者の演技やせりふにはおもしろさがあり、ストーリーを追えなくても楽しむことができた。特に最初のアコーディオンと一輪車、ジャグリングには驚いた。アコーディオン奏者はただものではないと思ったら世界的な奏者だとアフタートークで聞いて納得した。いろいろな意味ですごい舞台であった。

  • 満足度★★★★★

    上質な演劇
    とても成熟した舞台だと思いました。脚本、演技はもとより、舞台装置、映像効果、音響効果が素晴らしく、比較的長い上演時間でしたが、集中して拝見しました。ただ、内容が難しく、消化不良の気がします。

    ネタバレBOX

    冒頭のアコーディオンと一輪車が良かったです。ジャグリングは少し見劣りしました。黄色の輪が目立つので、一輪車の人にパスするとか、もう少し派手な技がほしかったです。

    三枚の壁がぐるぐる動くのが凄かったです。壁の向こうの演技もあり、両サイドの席はかなり見切れたと思います。わざとであればいいのですが、最初にセンター付近の客席のお薦めがあってもいいと思いました。客層的には問題がないような気もしますが、慣れてないと残念かもしれません。

    演技も素晴らしかったです。訳の上手さもあるでしょうが、流れるようなセリフ回しに聞きほれました。少しトチりがあったのが残念でしたが、流れが滞るほどではなかったと思います。ただ、リカルダはイントネーションに違和感のある単語がいくつかありました。大量のセリフを上手くこなしていただけに残念です。

    また、年配の俳優さんに多かったのですが、劇中、客席に呼びかけるのではなく、背後の他の役に話していると思うシーンで役者さんと目があった気がして、気まずい場面がありました。もう少し視線を外してほしかったです。

    印象に残ったのは、ベッドの下から女の子が覗くシーンです。リカルダと目があっても屈託なく手を振る様子と表情が、役を端的に表現していて素晴らしいと思いました。アコーディオンの音が懐かしいような、幻想的な雰囲気を作り出していたと思います。衣装も素晴らしかったです。

    難解な作品でしたが、表現方法が洗練されており、とても楽しめました。プロの仕事を堪能しました。


  • 満足度★★★

    物語はというと、、、
    7時に開演して、9時半終演。2時間半は長かった。正直くたびれました。
    広い空間で、舞台が真っ白で綺麗でした。壁がパネルになっていて、クルクル回転して、役者の出退場の通路になる。その感じがとっても面白かった。

    医師役の白髪のおじいさんが、よかったです。

    アコーディオンの演奏があって、それも素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    物語はというと、、、よくわかりませんでした。
    ある突発的な出来事から結びついたカップルがいて、旅行に行ったり、喧嘩したり、仲直りしたり、別れたり(もしたっけ?)。男のほうが死んで、女はその告別式で知り合った男とまた付き合うようになる。

    女のベッドの周辺にはたくさんの人がいて、なんか喋っている。彼らは幽霊? そのなかには、つきあっていた男もいたしね。観客には顔を向けず、終始向こうを向いて喋っていた。

    最初と最後には11人の映画の観客が屋根裏部屋に集まっていて、よくわからないことを話している。この人達は誰? 屋根裏部屋ってどこ?

    主人公を演じた女性。
    告別式ですぐまた別の男とつきあいだすような、そんな感じの女性には見えず、違和感が。最初の男とつきあう様子も、なんとなく『らしくない』感じが。だからなのか、観ていて退屈を感じた。

    かなり高齢だと思うのですが、医師を演じた方と、もうひとり患者の男と、ふたりのシーンがあるのですが、そのシーンで眼が覚める思いがしました。
    医師役の方は高齢で、口がよく回らず、声が聞き取りにくい。でも一生懸命聞き取ろうとしていると、なんだかすごく面白い。味がある。
    一方主人公の女性役の方は、声もいいし、よく通るのだけれども、なんとなく退屈。
    その対比が、芝居というものを考える上で面白いと思った。

    それから映像表現がうまく使われていました。
    舞台全体が白い壁で覆われていたのは、壁をスクリーンとして使うためなのですね。
    映像はすごく頑張ってたのかもしれない。その苦労の程はぼくにはわからない。しかし舞台全体を覆う映像は、大雑把な感じもしないではなかった。
    まだまだ解像度が足りないってことなのかなあ。

    最初に波が舞台全体を覆ったときには、ああ、きれい、美しい、と素直に思った。
    でもそれがCGによくあるワイヤフレーム表示になったとき、がっかりした。どうしてなんだろう。
    自分でもよくわからないんだけど。ワイヤフレーム表示があると、なんとなく素人相手に「CGだよ、すごいでしょう」って言われてるような気がして、ということなのかなあ。

    役者が蛾の話を持ち出すと、蛾の映像が出てくる。燃える話が出てくると、炎の映像が出る。
    それはすごくわかりやすいけれども。どうなんだろう。これも説明的すぎてちょっと。

    炎の映像が出るとき、照明が暗く落とされていた。これは炎の映像を綺麗に見せるための演出なんですよね? だとした、それにはぼくは反対です。役者の顔のほうをもっと観たい。でも暗くて見えない。イライラしました。

    そう考えると、映像表現は必ずしも成功とはいえなかったのでは。効果的なシーンもあったとは思うのですが。

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