発表~いま、ここ。~ 公演情報 発表~いま、ここ。~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-15件 / 15件中
  • 満足度★★★★

    じんわり伝わる
    最初のリーディングから不思議な味のある作品でした。「三月十一日夜のはなし」は共感するとこはたしかにあって、デリケートなとこを描いたことに恐れ入る。

  • 満足度★★★★

    一作ずつに異なる景色
    4作とも、とても良い意味で、真正面ではない場所からなにかを眺めているというか、覗き見ているというか・・・。

    それぞれの作品の個性を楽しみつつ、
    休憩込みの4作品があっという間でした。

    ネタバレBOX

    リーディング『いま、ここ』
     
    最初に、二人の劇作家・演出家のご挨拶と前説があって、
    それを二人の役者が引き継いで会話の風景を組み上げていく。
    まあ、ガールストークの態ではあるのですけれどねぇ・・・。

    なんか、四角いものを斜めに置くような
    歪みがしっかりと腰をすえているような、
    不思議な会話でありまして、
    でも、だからこそ感じられる、他の作品を導き出す
    二人の視座や切っ先があって。

    会話の、どこか食い違いつつも、
    拠りあわさるような質感(良い意味で)がひっかかる
    百花亜希・若林えりバージョン、
    二人の個性のデフォルメが、
    それぞれの独立した質感を醸し、
    統合した風情のなかに、
    同床異夢の、想いの歪みや踏み出しが際立つ
    菊池美里・サキヒナタバージョン。

    キャラクターの歪みやひずみ(しつこいですが褒め言葉です!)を
    異なる角度からみるような2バージョン、
    両方見て、まったく質感の違う舞台だからこそ
    伝わってくるものも多々あって、
    二人を背負う役者達のお芝居も、
    それぞれの個性たっぷりの描き方で、
    幾重にも面白かったです。

    『いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく』

    3.11とその後のことについては、
    多くの作り手の方が様々に見つめ、
    いろんな切り口で描いているし、
    演劇に限らず、私自身もその地方に個人的な知り合いがいて、
    いろんな話を聞いたりもしていて。

    でも、この作品で
    照らされていくものには、
    それらとは、異なる視座や想いの広がりがありました。
    舞台に立ち上がる
    音のない言葉(手話)で表される世界、
    そこに紡がれた物語や今との構造に気づき、
    コアの部分に描かれる刹那が観る側を捉えるとき
    震災以降の座標よりはるかに長い、、
    3.11という原点までの時間たちに想いを馳せ、
    その場所にまで至る日々の重なりに心奪われる。

    その刹那までが失われたのではなく、
    その刹那までの失われたものが抱いていたものが
    霧散していくことの感慨が、深く締め付けるように
    舞台の空気から伝わってきて。
    息を呑みました。

    すっと、新たな視野が開け、
    作り手の今の切り取り方に強く捉えられたことでした。

    (休憩)

    『ヤギさんと永遠』

    ちょっとコミカルな中に
    観る側を引っ張り込むようないろんな仕掛けがあって。
    香水の名前から、[やぎさん郵便の歌]が導かれ、
    そのヤギさんたちの手紙の永遠が織り上げられ、
    さらにその永遠がほどけていく。

    役者たちが纏うロールには、
    会話が特別なものではなく、
    キーボードで紡ぐ仕事の間の
    とても心地よい時間を醸すような雰囲気があって・・。
    だからこそ、ちょっと意外で、でもわくわくするような展開には、
    観る側がいろんなニュアンスをもらうことのできる
    間口の広さと豊かさがうまれる。

    WSなどでも使われた戯曲だそうですけれど、
    さもありなんと思わせる。
    シチュエーションや雰囲気のいろんな可能性がありそう。

    役者の二人にも、そのロジックをただ語るのではなく、
    二人の距離をコントロールしつつ
    キャラクターや距離を自然に纏うよな
    演技のしなやかさがあり、作品のトリガーを
    うまく、空間のテイストに編み上げて。

    そのセンスが洒脱なものに思えたことでした。

    『三月十一日の夜のはなし』

    横浜のSTスポットで同じ役者のお芝居を観ていて。
    でも、飽くことなく、
    そのキャラクターの実存感に惹き込まれてしまいました。

    役者の織り上げる時間や感情に、
    細微にわたる実存感があって、
    それが観る側の自らの記憶の同じ時間の引き出しをあけて
    肌触りや想いを引きだしていく。

    この、一人芝居には
    あるキーになる質感が描き出されると、
    観る側の同じ時間の体験を呼び起こす仕掛けが
    巧みに織り込まれているように思う。
    描かれるのは、とてもリアルなロールの3.11の時間ではあるのですが、
    そこには、戯曲と役者の秀逸で描きこまれた、
    観る側に共振する感覚が内包されているのです。

    よしんば、3年が過ぎ、5年が過ぎて、
    3.11自体の記憶が風化し、あるいは
    冒頭シーンの振り返りの立ち位置が
    時の経過に変質したとしても、
    役者が、この質感を舞台に作り続ける限り、
    再演があれば、
    きっと観客は同じ感覚に浸り、そのときの記憶に戻り、
    自らの歩みを見届けることになるのだろうと思う。

    そんな力を作品に感じたことでした。

  • 満足度★★★★★

    斉藤まりえ さん
    彼女の演技は、本当にリアルです。
    電話ならば、受話器の向こうの声が聞こえてくるようです。
    それくらい電話を受ける彼女の言葉や、間や、表情がリアルで
    想像をかき立ててくれます。
    今後が期待できる女優さんです。

    公演も4本のオムニバス。
    二人の作家の会話を脚本にしてのリーディングも面白かったです。

  • 満足度★★★★

    独特の視点
    4本のオムニバス公演。各短編の趣きと長さが微妙に違っていて楽しめた。独特の視点は女性の劇作家ならでは?なのか?

    ネタバレBOX

    "リーディング「いま、ここ。」"
    劇作家のリアルというか、どうして自分は創作しているのかという部分を恥ずかしそうに表明しているのに好感がもてた。いつか終わるという諦念に似た感覚は共感を覚える。

    "いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく"
    科白のない今野真智子が効いて好演。ただ、大変申し訳ないが僕にはまだ3.11を語ったり観ることが難しい。身内が被災した訳でもない。ただ処理できていない。

    "ヤギさんと永遠"
    思考のトリガーを引かれた。劇中から循環参照とかパラドックスとか、1.99999…って、9がいくつ連続すると2になるんだ?無限小数は確か。。。みたいな事が頭の中を去来して楽しかった。

    "三月十一日の夜のはなし"
    斉藤まりえはいい演技だったしシナリオも暗くなく"あの時"東京にいた人間リアルな感覚を描いている優しいシナリオ。ただ、3.11ネタは僕にはやはり処理しきれないようだ。
  • 満足度★★

    チームA観劇=アフタートークあり
    心に足跡を残すという前提での芝居だったようですが、
    いまひとつだったかなぁ。
    アフタートークの説明にていろいろ判明しましたが、
    う~ん自分は今ひとつな感じが否めなかったです。

    <2幕の終了後に休息入れての90分>

    終演5分ほどでアフタートークが40分ほどでありました

  • 満足度★★★★

    存在感
    「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」が一番好きな作品でした。祖母役の今野真智子さんの圧倒的な存在感が素敵でした。

  • 満足度★★★★

    充実の発表会
    正直に隠さずに上演される「いま」「ここ」での瞬間の短編4作発表。作演出のお2人共、自分の思いに誠実に、演劇を信じて作品を創ってるんだとビシビシ伝わってくる内容で刺激的でした。どの短編も、静かに、でも確実に心の痛い所を突かれました。

    ネタバレBOX

    最初のリーディング作品「いま、ここ」で、作演のお2人の「何故演劇を作るのか」について語られます。殴りたいとか、呪いたいとか、世界は安全ではないとか、物々しい宣言です。でもその独特な宣言を頼りに残り3つの作品を見ると、世界の見え方が変るような気がします。言葉のチョイスがとても新鮮で、力強いなと感じました。

    その内、2本は真っ正面から「3・11」に向き合った作品。どちらも、個人的にはそんなこと言っちゃうの!?って衝撃を受けました。

    「三月十一日の夜の話」2011年3月11日に東京中野ら辺にいた1人の女性の話を1人芝居で上演。当時のことをもう遠くなってしまったという感覚や、放射能や核の被害について警鐘を鳴らすような舞台作品(おそらく 非戦を願う演劇人の会「核・ヒバク・人間」の事なのでは?)を見て寝てしまい、正しいけど共感は少ないと思う感じ、よくわかる。少なくない人が思っている感情だと思う。と、同時になかなか口に出しては言えない現状があるので、初演が「3・11」からちょうど1年後だったとの事で、この作品で気持ち的に救われた人も多いのかなと思いました。もうすぐ2年経つ今でも色褪せない魅力だと思うし、演じていた斉藤さんもばっちりはまっていたので、アフタートークで当時の感情が薄れていく中で再演を重ねるのは難しいと思うと話が出ましたが、多くの人に見て欲しい作品だと思いました。個人的には放射能超怖えって思って現在進行形の問題意識でいるので、この短編作品に共感は少ないけれど理解は出来るなと思いました。

    「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」は、ライターの男が「3・11」後の福島で出会った女の話を記事にしようとする話。当事者と支援者と周囲の人には常に感情の差があって、わかりあえないし、それでもわかりたい、何かしたいと思うんだけれど、その溝が浮かび上がるような作品でした。被災された方を、記事でも、統計でもなく、個々の人間として尊重して、支援することの難しさがヒシヒシ伝わってきます。でも、葛藤を経てラストに3者3様に同じ言葉を伝えようとするシーンは本当に美しいと思いました。

    アフタートークも1時間じっくりと話していただいて充実だったし、ダブルキャストのDULL-COLORED POPの女優さんお2人の回で見れて良かったです。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    短編4作とも楽しめました。どこまでホントかわからないけど、劇作家さんは作品を書かないと他人にとっても自分にとってもアブナイひとなんだろうな。震災当日は職場で夜を明かし、ちょっと後ろめたかったけど妙に高揚感があっって修学旅行のようだったことを思い出しました。

  • 満足度★★

    なんか
    シュールでした。。 自分にはちょっと分かりづらかったかな。。 スイマセン。。 役者の方々の演技はよかったです。


  • 満足度★★★★★

    無題590(13-015)
    19:30の回(晴)。18:53会場着、受付、少し待って19:04開場、受付すぐ横の扉から入りとずいぶん広いな...と思ったら、正面にあるはずのピアノが移動させられていました。スクリーンがある正面に向かってコの字型の座席配置(各前後2列)。椅子が少し離れて2つ。なので向かい合う位置に座ります。演目は「説明」にあるとおりで後半は「ヤギさんと永遠」「三月十一日の夜のはなし」の順でした。

    オノマリコさんは、「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」@KAAT、「三月十一日の夜のはなし / わたしのお父さん」@STに続いて3作目。モスクワカヌさんは「The Girls next door」@APOCと今回。それぞれその時の役者さんで今回出演していらっしゃる方も。

    客入れのときからお二人がいらして19:31前説もごいっしょに。10分間の休憩ありで90分の予定。着ていた上着を脱いで椅子にかけ...役者さんが登場。

    終演後、おふたりに声をかけ六本木駅へ。

    今日は、「旧体」と同じオノマさん脚本、黒澤さん演出、時間堂「テヘランでロリータを読む」をみに行きます。

    ネタバレBOX

    「いま、ここ」。
    今夜はチームZのサキヒナタさん、菊地美里さんでお二人とも「旧体」に出演。始まってみるとアフタートークの開演前版のようでした。もちろんご本人は舞台にいないのですが、後からでできて役者が演じている「ご自身」からアドリブで質問を受けて答える...インタビューみたいなシーンがあったら面白いなと思いました。

    なんで頑張っているのか、芝居をしているのか

    リコさん:人を殴りたい、性格、ぶちまけたい(カフェオレ)、すぐに立ちどまって考えるのは作家の悪いところ、目の前のことをやる、人の足場を揺らがせたい、武闘派だけどいい人、人類の滅亡..いい感じにしたい..頑張った感、初めはさびしいから台本を書き始め...共感を求めていた、人類は素晴らしい。

    ワカヌさん:なにを考えているんだろう...生きる、やることやらずに考えている、照れる..、人を呪いたい、でもネアカ、よくなってゆく人類、人類が輝いていた18世紀..今はどん詰まり?生涯をかけて何を語りたいのか。

    断片的であるものの興味深い内容でした。

    『いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく』19:47~20:14
    帰ってから調べてみますと、今野さん「したごころ、手話版」、梶野さん「The Girls ~」をみに行ってました。95.1.17/11.3.11は一日一日と遠くなってしまうのか。

    「三月十一日の夜のはなし」はSTでみていましてもちろん斉藤さん、そのときとは少し違った感覚。帰宅できず、会社でネットの映像を見続けるしかなかった夜。中野の呑み屋さんでのお話..結晶化してしまう記憶。
  • 満足度★★★

    いい夜
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。

    ネタバレBOX

    「いま、ここ。」
    オノマリコ(若林えり)とモスクワカヌ(百花亜希)が喫茶店で駄弁る…。
    人間ってスゴイよと豪語する武闘派なオノマと呪い系のモスクワが、演劇でどうしたいのかを熱心に、冷静にダベる所信表明な作品。作中でも言ってたように恥ずかしいけど、大切だなと。

    「いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく」
    ノンフィクションライター(浅見臣樹)が被災地の工場で会った女性(梶野春菜)から話を訊いて作品を書き上げる…。
    女性の祖母(今野真智子)が夫(息子?)を戦争で亡くし、言葉もしゃべれず、女性の同居の誘いも断り、津波で帰らぬ人となる。女性は祖母を置いて逃げたことに罪悪を感じる。そんな悲惨な「事実」を作品にするって行動の意味を問い、そして肯定するってふうに感じた。

    「ヤギさんと永遠」
    男(巣山孝幸)と女(米澤慧美)が、手紙食べちゃったヤギさんから永遠に想いをはせる…。
    「永遠」なんて宇宙の果てなモノと、男と女な身近な関係をミックスさせた作品。結婚している女と男の間の始まりと終わりを想像させる。

    「三月十一日の夜のはなし」
    中野で飲食店を切り盛りする女(斉藤まりえ)の3/11を描く…。
    震災を扱った知人の舞台に興味なく、寝ちゃったと告白する、一般庶民な女性を斎藤が好演。震災を「東京で」体験した人の心の中を、サバサバと表現する快作。
    非常時独特のテンションを「いい夜だった」と省みるところに、当時目にした「不謹慎」って言葉よりも愛着が湧いてしまった。いい作品だった。
  • 満足度★★★★★

    階段を下りて
    今年はじめて観た公演が、この公演で よかったな とか
    今は 思えます。
    この見た公演の光景を また いつかにも 思い出したいです。

    ネタバレBOX

    時折 近くを走っているのだろうかの 地下鉄の音も
    効果的な 気が しました。
  • 満足度★★★★

    現在をテーマにしたオムニバス♫
    軽やかなリーディング、 『いつかあなたはここにいて、わたしはいつもそこへいく』 における今野真智子の存在感等楽しい内容。

    早めに会場入りして、正面一列目の席がお勧め。

  • 満足度★★★★

    大人にしてくれました
    乃木坂初めてなんですが、なんかぴったりな場所と土地な感じがしました。素敵。チケプレありがとうございます。


    やわらかい。せつない。あたたかい。でした。

    観て終わる。だけでないものがあり、それはお持ち帰りされて一つ一つ頭の中で上演されてます。なんだろう。それぞれサラっとしていて重いパンチな台詞がお持ち帰りされた今もズンときます。


    今野真智子さんが忘れられません。
    ああ、胸が締め付けられるこの感じ、どうしましょう。


    一人芝居、みれてよかった…

  • 満足度★★★★

    いい夜でした。
    作家の決意表明的なプロローグ(?)『いま、ここ』と、市井の人のあの日『三月十一日の夜のはなし』に、ぐっときました。

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