満足度★★★★
余韻が長く続いて幸せ
現代日本語の親しみやすそうな会話劇…では全くなく、説明ゼロでさらりと時空を超え、迷子になったまま最後まで抜けられない。最高。二階堂ふみさん…確かに「恐ろしい子…!」だった。演技も声もいい。十代なんて信じられない。古典戯曲もやって欲しい。
私もパンフ(800円)とてもおすすめです。岩松さんと高橋源一郎さんとの対談があるのです。これが…すごい。ああ、やはりあの場面がクライマックスだよね!と、一人納得(勘違いの可能性最大)。
満足度★★★★
幻想のような現実、あるいはその逆
岩松了の作・演出作品は初めてで、意外な印象を受けた。幻想的というか、詩的な空気感。時間軸の交錯も多く、付いていくのが大変だったが、必死で付いていきたいと思わせるもので、物語が進むにつれてどんどん引き込まれていく。台詞の一つ一つが、実に丁寧に練り込まれている。工夫が凝らされた舞台装置も見事。役者陣では、大森南朋はもちろんだが、二階堂ふみの狂気と存在感にも驚かされた。趣里、大西礼芳も、黒川芽以も単なる引き立て役ではない。
ただ、一般向けの娯楽作品というよりは玄人向けのアート作品。クスリとさせられる場面も少なくないが、難解さのほうが先行する。ミーハーな気分ではなく、覚悟をもって観に行くべき。パンフレットは800円と手頃な価格設定にもかかわらず充実しているので、これは購入必須。