あたたかい心 公演情報 あたたかい心」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★

    劇物語の世界を生きる!
    演技はだれにもできる。ピアノや,絵は,多少の心得が求められるだろう。まるで習ってなくても,演技はすぐにできそうだ。それゆえに,演技や劇について,むしろ何も知らない世界でいいものが見られる。たしかに,小学生やら中学生には,表現の水準でまだ稚拙だと見えても,その演技が表現の真実・核心をついていると良いものになる。一方,見ていてなぜかちっとも感動できないプロが存在することになる。

    劇物語の世界を生きる!そこでは,第二ステップがいきなり難しくなって来る。自分でいろいろなことを考え始める。無意識的に初心者がやっていた素晴らしい演技・劇を,今度は,意識してやろうとする。こういった趣旨のことを,山崎哲『俳優になる方法』の中で紹介している。その第二ステップにおいて,役者がなにか余分なことを始めると感じる場合,むしろ簡単に覚えられないセリフを与えてみたりするらしい。この場合,余計なことをやることが,彼には,初心者の持つよさを損なう原因と考えている。

    ミュージカル『あたたかい心』は,とてもわかり易くいい演劇だった。可愛らしい子どもたちが,一生懸命やっていた。その内容・レベルを,しろうとで,演劇を少しばかり観た経験しかない私には,講評などできないだろう。また,無責任に,ダンスは感じが良くて,劇団四季より良かった!など,思っても正しい見解とはいえないだろう。ただ,素朴に,上記のような,山崎哲のお話が脳裏に浮かぶ。そうした意味で,いつも演劇を観る場合,そこに表現の真実・核心があるか,そういった視点を持ち続けたいと思った。

このページのQRコードです。

拡大