満足度★★★
熟練の芸
色々なジャンルの日本の伝統芸能をまとめて観ることが出来る公演で、ベテランの熟練の芸が楽しめました。
筝曲『春の海幻想』
宮城道雄の代表作『春の海』を箏と尺八の独奏と箏の大アンサンブルによる協奏曲に仕立てた作品で、様々な技巧を駆使した演奏が爽快でした。
舞踊『茨木』長唄囃子連中
能の形式に則った、見応えのある作品でした。
老婆に化けた鬼を演じた花柳壽輔さんは、最初の普通の芝居の部分ではあまり印象に残らなかったのですが、踊り始めると圧倒的なオーラが感じられて素晴らしかったです。子役の秋山悠介君は座っているだけかと思いきや、長めのソロの踊りがあり見事でした。
歌舞伎『艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)酒屋』
太夫と三味線が活躍する世話物で、ベテラン勢の演技は味わいがありましたが、会話のテンポや、三味線との絡み方がしっくり来ず、あまり物語に引き込まれませんでした。上方訛りに独特の艶があり、魅力的でした。
会場が音楽ホールの為、マイクを通して増幅された声の残響が長く、台詞が聞取りにくかったが残念でした。
舞踊と歌舞伎は被る要素が多いので、次回は雅楽か能・狂言を上演して欲しく思いました。