グルリル 公演情報 グルリル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    客席の空間にまで広がる世界
    いくつもの物語の重なり方に、最初はとまどってしまいましたが、
    やがてそれらのつながりのようなものに惹き込まれて。

    すると、個々の物語のニュアンスとはまた異なるものが
    心に広がって。

    気が付けば、舞台全体が、
    一つのメカニズムとして機能しているように思えて。

    取り込まれてしまいました。

    ネタバレBOX

    舞台装置は複雑でシンプル。

    形状は一言で説明できないように組まれた
    木の組み方がどんとあって。
    それは語られるたくさんの物語の
    どの風景にもなじむ・・・。

    最初は只いろんな物語の断片が語られていくだけ。
    その意味を知る前に、次のシーンがすっと割り込んだり、
    重なったり。
    だから瞬時にやってくるイメージたちの
    シャボン玉が弾けていくのを眺めているような気分になる。

    でも、なんというか、それぞれの断片が消滅をしない。
    一つずつのシーンに力があるというか、
    全体像がわからないからこそ、
    追いかけたくなるようななにかがあって。

    で、それぞれの物語が再び舞台に姿を現した時、
    なにかがすっと歩む。
    いろんな時間軸のいろんな場所におかれたものが、
    最初はメビウスの輪をめぐるように
    裏になり表になって現れ、
    さらには、そこに変化が生まれ、
    デジャヴーのような印象が、
    それぞれの歩みに変わっていくのです。

    役者たちの、一見ランダムに感じる動きから紡がれていくもの、
    光、そして影は舞台からあふれ出し、
    客席側の天井や側壁にまで広がる。
    作り手がこの場所を選んだ理が分かったような気がした。

    やがて物語に軌跡が生まれると、
    それらはルーズに繫がっていきます。
    物語に収束感はなく、むしろ繫がることによって
    広がっていくものがある。
    一つの舞台があって、全体を包括する時間があって、
    そのなかの一つずつの物語が、
    次第に明かされる中で、
    ディテールとして置かれる感じ・・・。

    時間も、夕暮れも、月も、
    うまく言えないのですが、
    観る側の内にある感覚に重なって、
    不思議な、その場にずっと浸っていたくなるような
    立体感が生まれて・・・。

    正直言って、舞台のすべてを
    受け取ることができたわけではないと思う。
    どこか掴みどころがなくて、
    でも、しっかりと、訪れるものがある
    不思議で、とても魅力的な舞台でありました。
  • 満足度★★★★★

    キラキラした世界
    ずーーーっと見ていたい、壮大な物語空間!!ものすごく期待して見に行って、それを上回る驚きと感動をもらいました。まだ1月上旬にも関わらず、2013年のマイベスト舞台なんじゃないかと思うほど見とれて、あぁ永遠に見てたいと思いました。10の世界が少しずつずれながら並行世界として表現される物語のスケールにはただただ圧倒されます。本当に10人で演じ分けているのかと思うほどのたくさんのキャラクターが登場しているのに、瞬間、瞬間で別のキャラクターに切り替わっているのが目に見えて分かり、徐々に世界同士の連関が見えてくるのが本当に楽しいです。そして、美術や音楽や照明と合間って、その瞬間、瞬間が美しい。この世界を体現出来る役者さん達は本当にすごいし、舞台でしか見れない至福の時間でした。もう、ただただ楽しかったです。しばらくはパンフレット見ながら余韻にひたります。

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