満足度★★★★★
伝わらなさ
言葉の壁も、ひょうひょうとすり抜けてみせるナカフラ演劇、素晴らしい。お互いに伝わらない感じがとってもコミカル。肩肘張らずに楽しめて、観劇後も味わい深い。これもゴド待ちなのか、と思う位異色なんだけれど、その誤意訳の魅力が十分に発揮されて、何度も何度も見たくなるような作品。これで無料なんて、ありがたすぎる。
満足度★★★★
絶妙な字幕の使い方
『ゴドーを待ちながら』をベースにして、言葉が通じない人とのコミュニケーションによって起こるおかしさを描きつつ、「待つ」という行為について考えさせられる、興味深い作品でした。
携帯電話の充電をさせてもらおうとする日本人の男性が韓国人の女性と出会い、お互いの言葉が分からないまま2年間一緒に暮らしていたところに元妻が現れるという物語で、女2人に攻められているところに突然通訳者が現れて、修羅場の台詞を逐一訳しながら展開するシュールな状況が面白かったです。
異なる言語で会話しているときに敢えて訳を表示しなかったり、状況を説明する英文が表示されたりと、字幕がただの訳文ではなく、作品の構成要素として大きな役割を果たすというアイディアが素晴らしかったです。
ゴドー(GODOT)を神(GOD)になぞらえるのはしばしば目にしますが、さらに鱈(COD)と絡めたり、幕間劇として挿入された、「フェイク」の歌舞伎、ジュラシック・パーク、スター・ウォーズ等、ナンセンスな馬鹿馬鹿しさが楽しかったです。
満足度★★★★
人と人の心意思疎通とは
ディスコミュニケーションなのかそれを逆手に取っているかのような関係によって言葉の通じない二人の関係性を作り出したのが非常に面白かったです。
同じ言葉を話す方が意思疎通が出来ないというのも皮肉的でもあり、なるほどと思いました。
携帯の充電をしたいだけだった所から、そのまま2年の月日が経ってしまうという部分の面白さもとてもよかったです。
ベケットを下敷きにしたのがうっすら分かる程度というのも誤意訳ならではなのかもしれないです。
勉強になりました。ありがとうございます。