満足度★★★★★
日常が崩れる瞬間を
誰しもに起こりうる、当たり前な風景。でも情感あふれ、時にコミカルに、でも要所でものすごく激しく描かれる風景にとても共感しました。「母がいる」というあたりまえの日常が、突然無くなった時の感情。受け入れがたいその生々しさ。韓国の演出家の描く日本の物語ということで、言葉や国籍を超えて、人としての普遍的な感情を共有出きるんだな、という当たり前の発見を改めて感じて、ラストはジーンとしてしまいました。ロビートーク聞いてから観劇したので、見所も広がったように思いました。これを無料で見れるのだからありがたすぎる。
満足度★★★★
綺麗にまとまった作品
とても綺麗にまとまった家族劇のように思えました。
自分が亡くなってからの家族の姿を見ている母に感情移入をしてしまった。途中で出てくる男との母の思い出。そして父との思い出を回想するシーンがとても美しく分かりやすい。
このような舞台を久々に見たので少しクドいなと思ってしまったのですがとても良い作品でした。
役者が動物になったりするコミカルなシーンもあり飽きること無く観ることが出来ました。
勉強になりました。ありがとうございます。
満足度★★★
丁寧に作られた家族劇
韓国の脚本家・演出家と日本の役者が組んで作った作品で、ドラマや映画でありそうな分かりやすいベタな内容でしたが、味わいのある演技に引き込まれました。
鉄アレイに頭をぶつけて死んでしまった母の通夜が終わった後の、父と2人の娘のぶつかり合うやりとりを幽霊となった母が眺めている様子が描かれる間に母の回想シーンが差し込まれる構成で、笑いあり涙ありの少々ビターなテイストの物語でした。
基本的にはストレートな演技の中に時折羽目を外した場面もあり、とてもバランスが良かったです。
冒頭の同時多発的なシーンで多くの伏線を張っておき、その後に丁寧に回収して行く展開が快かったです。
母の亡くなる日の朝の日常的な風景をスローモーションで描いていたのが幻想的で新鮮でしたが、そのシーンが長過ぎるように感じました。
あるシーンでの小道具の出し入れでスタッフの出入りが見えていたのがスマートではなくて残念でした。
父を演じた下総源太朗さんと母を演じた那須佐代子さんの暖かみのある演技が素敵でした。