満足度★★★
SCOT「シンデレラ」観ました
戯曲を書く孤独な女の生きざまと、孤独な少女の戯曲のシンクロ。メタ演劇的作りだけど、舞台上の演劇の内(役者たち)も外(スタッフたち)も、全体がSCOT的身体でメリハリが見えないのが意中外。SCOT的には質は高いと思うけれど、メタ演劇として見るとどうかと。メタ手法を使った最近の舞台、範宙遊泳「東京アメリカ」、時間堂「ローザ」、うりんこ「モモ」等が、それぞれ独自の効果をあげているのを観ると、ちょっと残念なつくり?序盤や、舞台上の照明音響等の、本当に役者でない(と思う)スタッフらの素が、逆に印象的。
満足度★★★★
SCOT「トゥーランドット」観ました
利賀で学んだ5ヶ国の外国俳優らの演出、出演。当初抱いていたイメージとかなり違った、風刺の強いコメディ(有名な、無慈悲な王女の件は劇中劇だと初めて知った)。古い合掌造りの家屋を改造した真黒な劇場内で、SCOT的に身体をキビキビ使ってのポージングやダンス、イタリア仮面劇のノリが人形劇のようで小気味よい。斜に構えた掃除婦の視点から見た、馬鹿げた宮廷の喜劇。
満足度★★★★
SCOT「世界の果てからこんにちは」観ました
今年も夜の野外劇場で、歌に踊りに花火にとショータイム。十数人があの衣装や車椅子で、劇場(池の上の橋含む)を目いっぱい動き回るのは、SCOTならではの重労働(汗)。客席からあれだけの距離でインパクトを見せつけるのは尋常じゃない…。例年になく低空かつ密度の濃い花火が、時々人魂に見えた…やっぱり、何かが「お亡くなりになった」のか…いちばんの見所は、終演後の舞台での鏡割り・呑み会か(笑)
満足度★★★★
SCOT「リア王」観ました
以前同じ劇場で、4ヶ国語公演も観ました。グロスター伯家に代表される、様々な家族崩壊(と再生)のイメージにこころの平穏を求める、孤独な入院老人の妄想日記。隣で日記を読みながら笑う看護婦は、阿呆の道化?(リア王、看護婦+声だけでも舞台化できるかも)。野心あふれるゴネリルの生命力、異分子エドマンドとほぼ登場しないコーディーリアとの類似点を考えさせられるラストシーン等、老人の視点からいろいろ見直した気分。 独特の劇場空間が、記憶のコラージュ的イメージを強くする。