そこそこの写真 公演情報 そこそこの写真」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    派手さはないが
    物語は派手な出来事を描いてはないがリアルな会話で、また役者陣もキャラが乗り移ってるような自然な演技でこの世界の住人として生きており、段々と世界に引き込まれ、ラストにはどっぷり浸ってた。 スゴく面白かった。

    ネタバレBOX

    ただ「きょうだい」というセリフ、漢字で表せば確かに間違っては無いのだが、4姉妹(最終的には5姉妹になるが)やはり「しまい」で言った方が合ってると思うのだが(ラストではそっちで言ってたし)。
  • 満足度★★★

    家族の物語。
    人物背景はとっぴなのに、物語は静かでたんたんと進んでいった。
    縁側の古い感じが実家感があってよかった。
    雰囲気の静けさは好みだった。

  • 満足度★★★

    家族
    台詞の掛け合いが印象的でした。出てこない親父殿を中心に、別々の家族が生きていて集まる。本作の姉妹、家族は稀ですが、兄弟といっても成人して上京などすれば、滅多に会うことはない。そういう微妙な関係性を見れたと思います。

    ネタバレBOX

    少し遅れてしまいました。
    台詞の掛け合いはテンポが良く、軽快に入ります。また「あれあれあれ?」みたいな言葉の使い方は楽しいです。けれど、どこか溶け込めていない感じもして、使い方は難しいのだなと思いました。
    工芸の弟子さんなど、動きが固い、段取りぽく見える場面もいくつか見受けられ、個人的にしっくり来なくて、面白いと思える箇所と改善した方がもっと面白いのではという箇所が入り混じっているように感じました。五女がいつ出てくるのかといった流れ、新井戸夫の空気は面白いものがありました。
    実際あれ程色んな他人事では興味はあれど、私事では大変そうだ。
  • 満足度★★★

    人の生きる道とは
    ある一軒家の縁側を舞台に、危篤の父親を中心としたお話しが展開されていきます。
    少しずつ進んでいくお話で、ゆっくりとした時間の流れの中で、登場人物がどう生きていくのかをじっくり見れました。
    自分も、自分の心のままに生きてみたいです。
    楽しかったです。

  • 満足度★★★

    父と姉妹
    チケットプレゼントにて鑑賞。

    ネタバレBOX

    色んな女性と関係をもった父を持つ姉妹。その父が余命二ヶ月を宣告され実家に戻ってくる面々。さらに5人目の姉妹まで登場する…。

    結婚詐欺にあい、借金と心の傷を負う長女・仁美(桜かおり)
    実家に残り、父の面倒をみつつ家庭菜園に精を出す次女・聡美(梅澤和美)
    四女と仲の悪い、ちょっとツンツンした三女・琴美(長沢彩乃)
    堅実で普通な健一(伊藤毅)と結婚した四女・絵里子(加藤尚美)
    落ち着いた雰囲気の五女・梨沙子(小瀧万梨子)

    「家庭・家族」の情と、彼女らの人生観で魅せる110分。演技が若干物足りない印象で、入りにくい。淡々としているので、ここの部分もう少し頑張ってほしい。
    話自体は、各キャラの背景や考えがじんわり伝わってきて悪くない。なんだかんだで戻ってくる子供たちをみると、「父」の愛情はしっかり伝わってたんだな、形は悪くても「家庭」だったんだなと思う。姉妹が、前を向こうとしていて、変にグレてないってことも、舞台の色がどことなくあたたかく見えたところに繋がっているのかなと。

    終盤の姉妹の会話シーンは良かった。
  • 満足度★★★★

    淀みない台詞
    半分しか血の繋がらない姉妹たちが、父の“余命2ヶ月”を機に実家へ集合する。
    軽やかな会話の裏にある、半分だからこそ
    その絆を大切にする姉妹の切ない気持ちが伝わってくる舞台だった。
    説明的でない、台詞の質を堪能した。

    ネタバレBOX

    舞台は田舎の広い一軒家の庭である。
    素朴な木のテーブルの周りに手製の木の椅子が3脚、ベンチが一つ置かれている。
    その奥は懐かしい縁側、サッシではなく木枠のガラス戸は常に開け放たれている。
    客入れの段階から蝉の声と夏祭りの笛の音が小さく流れていた。
    駅からも遠い不便な場所だが、この庭からの眺めは素晴らしいという設定。

    槙田家の4人姉妹のうち次女が父親とふたりで住む家に
    次々と他の姉妹たちが帰ってくる。
    一度倒れた父が、いよいよ余命2ヶ月と宣告され、次女が知らせたからだ。
    好き勝手に生きてきた父のおかげで彼女たちは母親の違う姉妹である。
    父の最期を見守るため皆しばらく滞在することになる。

    なめらかに、転がるように姉妹たちの会話が弾む。
    その会話の中に4人姉妹の性格がそれぞれ豊かに描かれている。
    おっとりした長女(桜かおり)は、休みは簡単にもらえたと言うが何か秘密がありそうな様子。
    おおらかに姉妹達を迎える次女(梅澤和美)には、母親とではなくこの父と暮らす理由があった。
    三女(長沢彩乃)と四女(加藤尚美)は顔を合わせれば口喧嘩ばかりしているが
    実は誰よりも相手のことを心配していて、喧嘩はその裏返しみたいなものだ。
    次女のキャラクターがとても魅力的で安定感がある。
    彼女を軸に、父親の死をめぐって姉妹たちの過去と現在が描かれる。

    「槙田さんちのちっとも似てない4姉妹」と言われながら育った子ども時代を共有する彼女たちは、
    その絆が片方だけであるがゆえに、一層強く結びついているように見える。
    父親の再婚によって同居することになったとはいえ、
    本来なさぬ仲の4人が互いの存在を認め合うのにはそれなりの時間がかかっている。
    後半、突然の五女(小瀧万梨子)の出現に誰もが驚いたが
    それを素直に受け入れる土壌が自然に出来ているのもとても良かった。

    初日の舞台ながら、淀みなく交わされる台詞の応酬が心地よく
    縁側から出入りする緩やかな生活空間が、のどかな地方の暮らしを思わせて楽しい。
    姉妹の他に、父の民芸品作りを手伝う弟子の青年(大金賢治)や
    ただ一人結婚している四女の夫(伊藤毅)、
    民芸品ビジネスを手伝う女性(日向彩乃)らがみな個性的で
    姉妹が奏でるアンサンブルに程よい変化と客観性をもたらしている。
    “説明させる”のではなく、何気ない会話の積み重ねによって
    登場人物のキャラクターを浮き上がらせるのは“質の高い台詞”によるものだと思う。
    微妙に変化する照明も、繊細でとても良かった。

    「お父さんが死んだらみんなで写真撮ろうか」という長女の言葉の
    本当の重みがわかるのは物語の終盤になってからだ。
    その写真は、“そこそこ”どころか
    これからの彼女たちを支える大切な一枚になるに違いない。
    ラスト、次女が長女にかける「いってらっしゃい」という言葉に
    思わずほろりとさせられた。

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