UndergroundStates 公演情報 UndergroundStates」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    よかったです
    ドヤ街での貧困ビジネスと愛憎劇。かなりリアルに感じられて、終始イライラしながらも、のめり込んでしまいましたね。

  • 満足度★★★★★

    社会問題
    生活保護の問題を取り上げた、社会の裏側を目の前で見ているような臨場感のある舞台でした。
    役者一人一人のキャラが立ち、怒るシーン、丁寧な言葉遣いで相手をジワジワ追いつめるシーンなどは見ている自分もハラハラしてしまいました。登場する人が多くて名前を覚えるのが大変でしたが、見終わった後にも社会問題を考えさせられました。とても良い舞台でした。

  • 満足度★★★★

    寿
     日本三大ドヤのある町の名が寿と言うのもおかしな話だ。僅か200X300メートル四方の一角に122軒ものドヤが立ち並ぶ。そこにしか住めない男や女と、そんな者たちから絞り取ろうとする者らに、引き裂かれつつ、逼迫した財政にも拘らず懸命に支援する役所の現場担当者、ボランティア、ハンディキャップなどが絡み合って、ドキュメンタリー調に展開する。ブレヒトのように異化を強調する舞台ではなく、淡々と描かれるタッチに独特の距離感があり、問題提起をされた舞台であった。

  • 満足度★★★★

    舞台セットを見て
    開演前の音楽を聴いていたら、脳内にセロトニンかなんかが出てきたような感覚になりました(そんなの出ないですけど。)
    はじまってみると、そのイメージとは違ってました。良くなかったというわけではないのですが、好みかと言うとそうでもないです。

  • 満足度★★★★★

    事情があって集まる町
    底辺で人々が蠢く話。嫌なやつもいるもんです。

    ネタバレBOX

    寿町が舞台。DV被害から無理心中を図り、一人生き残って12年の刑期を終えて寿町に流れ着いた女性が食堂兼簡易宿泊所ビルのオーナーの計らいで食堂で働き始めるところからスタート。

    生活保護ビジネスに従事する男が粘着質な感じで執拗に女を虐めるのが不気味でした。毎日毎日ねちっこくやられたら精神的に参ってしまいます。それでもムショ帰りの女が生きていくにはここしかないということで、逃げ場のない悲しさがつきまといます。

    欝で働くのがきつい女性や、借金まみれでも風俗に向かない女性たちに、40%のピンハネ率で生活保護を斡旋するNPO法人の男たち、働く意欲の乏しい人間を見つけると嬉々として声を掛ける様子の何とも胡散臭いことと言ったらありません。違法ではないが脱法だと、便利な言葉があったものです。

    粘着質の男は殺してしまった夫の弟ということが分かり、事情が飲み込めました。NPO法人も暴力団関係者が関わっていたことが分かり、最終的には雲散霧消しました。そして、ビルのオーナーも経営に行き詰っていながら食堂に流れ着いた女性に入れ上げているダメ男ということが分かりました。

    そして怒涛のラスト、オーナーの保険金詐欺を狙った放火計画に、粘着質の男の自滅的行為、…、そして大団円。えっ、なんか綺麗にまとまり過ぎの嫌いはありましたが、働ける人は働くというテーマに沿った大団円、暗い話の最後ぐらいは明るくハッピーに。

    ところで、以前、尾上町辺りで勤務していたことがあったのでとても懐かしかったです。寿町も日中ですが通ったことがあります。開演前の横浜ご当地ソングヒットパレード、よこはま・たそがれ、ブルーライト横浜、港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカなども雰囲気が出ていました。ただ、伊勢佐木町ブルースが無かったような。ブルーライト横浜が由紀さおりバージョンだったのが今年の流れでおしゃれ。
  • 満足度★★★★★

    あっという間に
    不正(的)生活保護受給をネタにした作品。
    帰るところがないものと、住むところがあるのにわざわざ外からこの町にやってくるものが織り成す人間模様が面白い。
    前半は、背中の演技が多く、我慢させられた分、後半の見せ場がスッと入ってきた。劇場を出た後、下北沢の雑踏が心地よく、芝居と同じ匂いを感じたのは何故だろう。この街もドヤ?

  • 満足度★★★★

    驚愕のラスト。
    誤解を恐れずに言うなら、そして不遜な物言いであることを承知で言うと「(脚本の)関大輔さんの気持ち、よくわかるわあ」。登場人物に深い愛をおぼえてしまうと、こういう筆の進み方をするだろうな、って。

    『UndergroundStates』の舞台は横浜寿町。でもドヤ街特有の香ばしさはさほど無い。もっとも、この芝居の主題のひとつを語るには、街の香ばしさは必要なく、ドヤが舞台でなくてもよくて・・・この手の話は、そこかしこにあるんだ、今は (かつては京都府・大阪府・東京都某区に色濃く伝わる「伝統」だったわけだけど)。

    それにしても釜にしても山谷にしても、年寄りが多くなったよなあ。労働者の街じゃなくて福祉の街だよ、皮肉じゃなく。そういう意味では、『UndergroundStates』にも登場する「他人の」福祉制度を利用して私腹を肥やさんとする人達にとってドヤ街は、「商売繁盛」のヒントが転がってる宝の街なのかもしれないよね。

    ネタバレBOX

    ゴリゴリのハードボイルドのような冒頭。

    「ヒロインは、こいつらにマワされるんだろうな」という感じの重い空気が劇場を覆う。後ろチョンマゲ(例えが古いが松波健四郎のような髪型)のスーツ男の笑顔、腰の低さが怖い。すごく怖い。この後ろチョンマゲ男を演じるのは、坂中久志さん。いったい他の舞台では、どんな役を演じていらっしゃるのだろうか?追ってみたい役者さんだわ。

    芝居は、冒頭の重い空気をキープしながら進む。

    ドヤ街が、「日雇い労働者の街」から「ドヤ街というシステム」に移行しつつあることを実感させられる。舞台上では、欲望・願い・諦念が渦巻く。ドヤシステムを利用する人間、ドヤでしか生きられない(と思い込んでいる)人間に、横浜市中区職員やケースワーカーが絡む。この人物設定が興味深い。好き勝手に芝居を料理して、観劇後に想像・妄想するのが好きなボクにとっては、想像のネタにあふれる登場人物たちだったなあ。

    こんな雰囲気が中盤の後半(←説明の仕方が下手ダネ)まで続き、どっぷりひたる。
    主役倉田を演じる豊田記央さんに白竜が、ヒロイン香奈枝を演じる まじまあゆみサンに荻野目慶子が憑依したように感じたくらい、どっぷりだった(ま、豊田さんは豊原功補に似ているイケメンだし、荻野目慶子は出てきた瞬間に「コイツが犯人や」な女優だから、まじまサンに荻野目慶子が憑依したというのは間違った観方なんだけどね)。

    そんな『UndergroundStates』の様子がちょっとずつではあるんだけど変わってくるんだ。暖かな空気が流れだす。セリフに対して、場内にほのかな笑いが生じる位、空気が緩みだすんだわ。「あれ?もしかすると良い方向に向くこともあるんじゃない?」って感じ。少なくとも、真綿で首を絞められ続けてるような感じじゃなくなるんだな。

    で、ラスト。

    食堂にかかわる皆、それなりに幸せになっちゃったよ。

    ドヤ街の現実や、生活保護の不正(的)受給、福祉制度に巣食う悪行者、そして何と言ってもこれからの彼女ら彼らの行く末は、なんとなく端に置いといて、みたいな。

    それでイイと思う。このラストは、腐りかけてる現実に背を向けてるわけじゃなくて、脚本の関さんの思いを提示しながらも、観客それぞれに「これから」を考えさせるつくりになってるように思うから。

    それに、ボクがこの脚本を書いていたならば、登場人物に幸せになってもらいたいしね(笑)

    白痴の天使や、精神を病む女、濃すぎる愛情が歪んでしまった男、正義感に燃える男、ヤクザ、ヤクザっぽい男、気のイイおばちゃんetc.と、登場人物はVシネ感が濃かったけど・・・生で観ることで、さらに思いが深まったのは確か。

    それにしても、後ろチョンマゲヤクザ(彼は予想通りヤクザなのだった)。

    組織を守らんとする為だけに、倉田に近づくヤクザ。

    ターゲット外の人間には危害を加えず、目的を遂行する為に善行すら施す&自分の手は絶対に汚さない本物のヤクザ。

    怖いよ。やっぱこの人、怖かったよ。

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