満足度★★★
海老蔵オンステージの『伊達の十役』
お家騒動の物語を、海老蔵さんの10役演じ分けや、宙乗り、大掛りな美術といったエンターテインメント性溢れる演出で描く、楽しい作品でした。
冒頭の口上で、これから演じる10の役の写真が掲げられていて、簡単に登場人物の関係が説明されるので、発端から二幕目の滑川宝蔵寺土橋堤の段にかけて矢継ぎ早に異なる役を演じても混乱することもなく分かり易かったです。
三幕目前半の足利家奥殿の場は子役と竹本が活躍していましたが、あまり変化がない場面で、ちょっと長過ぎるように思いました。後半は立ち回りや宙乗りもあり、躍動感がありました。
四幕目の山名館奥書院の場は海老蔵さんの長台詞が印象的でした。門註所門前の場ではコミカルな要素も多くあり、シリアスな場面が引き立っていました。
海老蔵さんはほとんど出ずっぱりで、男女善悪を声や表情や動きで演じ分けていて見事でした。役ごとの個性を出す為に声を作り過ぎて何を言っているのか分かり辛いところがあったのが残念でした。
最後には忠義の自決を果たすことになる絹川与右衛門のとぼけたキャラクターや、腰元累の「畏まりましたー」の言い回しが楽しかったです。
色々な趣向が盛り込まれていて、休憩を含めて4時間半の長丁場でもほとんど飽きることはなかったのですが、強く引き込まれる部分もほとんどなく、少々物足りなさを感じました。
満足度★★★★
めまぐるしく変身
夜の部、伊達の十役。
海老蔵さんが1人で十役を演じる、あっという間に違った役に早代わり。ぼーと見ているといつ変わったのか分からなくらいの早業。
立ち役も女形も見事に演じていた。この話しは先代萩でも見ているのであらすじは大体分かっていたので、すんなりと入ることが出来た。4時間半にもわたる長丁場、海老蔵さんお疲れ様でした。
席が上手の一番はじだったので首が常時左にねじっていたので、それだけが参った