満足度★★
香水奇譚
18世紀のフランス、並外れた嗅覚を持つ男、ジャン=バティスト・グルヌイユの特異な生涯を、語りと芝居を交えて伝記的に描いた作品でした。
親に捨てられて育ったグルヌイユが嗅覚を活かして成功する物語だったのが、後半は理想の香水を作るために殺人を繰り返す猟奇的な雰囲気になり、捕まって処刑される時にその香水を振り撒くと群衆がその香りに誘惑されて大乱行に陥り、グルヌイユは食われて死んでしまうという奇妙な物語でした。
最低限の人数の役者と道具だけながら、主役以外は1人何役も演じたり、見立てを用いたりして、豊かさが感じられました。
子供っぽい演技や効果音、くどい反復で笑いを取ろうとするシーンが多かったのですが、個人的にはあざとく感じられて全然乗れませんでした。笑い以外の要素は惹かれる所も多かっただけに残念でした。
せっかく狭い会場で香りにまつわる物語を上演するのなら、実際に香水を噴いて香りの演出もしたら良いのにと思いました。
役者は様々な役を巧みに演じていましたが、劇場の広さに対して声が大き過ぎて耳が疲れました。
音楽は期待していた程には演奏する時間がなくて残念でした。かなり歌唱スタイルが異なる2人ですが、不思議と調和していて良かったです。