満足度★★★★★
ミュージカル・アクション・コメディ
劇団SETのコンセプト『ミュージカル・アクション・コメディ』は最高でした。三宅さんと小倉さんのギター・プレイが素晴らしいです。
劇中、スナックでのシーンでは、アコギで昭和の名曲でコントやっていました。唄っていた曲がいきなり転調して別の曲になるというもの。
コード進行が同じ曲だったのかな。音楽の技術があるからできる芸だと感じました。
最終幕ではバンド演奏で「第九」やビートルズの名曲を聴かせてもらいました。名前が思い出せないのですが“It was a hard day night”のフレーズが出てくるあの曲です。
アンコールは2回あって、2回目では千秋楽だけのお楽しみとして小倉さんがひな段の2段目からセンターにジャンプして演奏するという魅せるギターを見させてもらいました。
エレキギターかっこいいです。 この世代のみなさんはギターが弾けて当たり前だった。僕もこのかっこいい60年代に生まれたかった。
満足度★★★
B級の大衆演劇
12年ぶりにSETの舞台を見ました。
久々のSETは、東京芸術劇場なんて大きな上等な小屋で
大掛かりな舞台を展開してましたが
残念ながら、量産臭さがする埃っぽいB級な大衆演劇の
印象が残りました。楽しいは楽しいですよ。
年に1回程度、芝居を楽しまれる方、ご年配の方には
最適な作品と言えましょう。
相変わらず、いろいろ詰め込まれたバラエティショーですが、
歌も踊りも芝居も、どうも一流なエンターテイメントショーとは
感じられなかった。華がないのだ。
先入観というか、昔の印象が強かったので期待値とのギャップと
思うので、これは僕個人の印象です。
非常に分かり易い流れ、作風、ギャグもベタベタ、
パクリと思われたオープニングや、「今さら」と思うような
何丁目かの夕日のような昭和の設定。
お約束な結末・・・大衆演劇としては間違っていませんが
SETの個性というか、味わいが感じられませんでした。
12年前は、シアターアプルで岸谷五郎や寺脇康文が、まだ在籍していて
三宅裕司も若かった・・・・。
ダンスシーンはキレがあって格好良かったし、
三宅裕司のシーン、岸谷らのシーン、それぞれに見応えがあり
密度の濃い作品だった。(最後は、なんか事件ものだった)
今、三宅裕司の年代と、若手と、年齢差が開きすぎて
どこかの企業じゃないけど、中間層が殆ど今回の作品にはいなく、
作品として、苦しそうな印象が残る、
劇団だから、若手を育てなきゃいけないのは宿命だけど、
話の軸を彼らにしているせいで、見応えがなく安っぽいのだ。
B級になってしまうのだ、こんな一流の劇場で上演しているから
余計に。
三宅・小倉は、狂言回しになるしかないので、
彼らの本来の役者としての味わいが、出せれない。
(出そうと思うと、その年代の人を集めた作品にせざるえない。)
そんな彼らが前面に出た外部作品は、本田劇場や、銀河劇場といった
もっと小さな劇場で上演しているのに、
劇団公演は理由はわからないけど、1000人超える大劇場だから
密度も薄く、感動も薄い。
いっそのこと、吉本新喜劇のように
単純でわかりやすいギャグ満載な方向に行けば
成功するかもしれませんね。
そうそう、劇術劇場で上演している作品にもかかわらず、
チケット代金が6500円まで、というのは
今の時代なのに良心的でしょう。
それに見合う作品かどうかは別として。
見続けている方は、愛着もあるし事情も色々存じているので、
これは非常に失礼な意見かもしれませんが
進化している印象よりも退化している印象になってしまいました。