期待度♪♪♪♪♪
Arlequin meets Japanese Goblin
タイトルからは有名なアニメ『バンビ、ゴジラに会う』を連想してしまうのだが、コメディだと言われると、あの作品のように、何かとんでもない邂逅の仕方をしてくれるのではないかと胸が躍るのである。
アルルカン(ハーレクイン)に思い入れのある人は少なくないだろう。もちろん女性向けロマンス小説のシリーズではなく、物語を引っかき回すいたずら者、トリックスターたちの総称であり、そのモチーフは演劇のみならず、小説や映画、漫画などにも頻繁に登場する。
アガサ・クリスティーが生み出した最もミステリアスなキャラクターがハーリー・クィン氏であるし、『バットマン』の最大の敵・ジョーカーは明らかにアルルカンをモチーフにしていて、その傍らにはまさしくハーレイ・クィンなる愛人が傅いている。
ただの道化師ではなく、ドラマを予定調和に終わらせないための重要な役どころを担っているのがアルルカンだ。演劇史上で言えば、『リア王』のフールが最も有名なアルルカンの一人だろう(黒澤明『乱』ではピーターが「狂阿弥」の役名で演じた)。
片や天狗は、そもそもは天狐であり彗星であり、凶事を運ぶ魔である。神格化され、記紀においては天孫降臨の道案内となる「猿田彦」となり、はたまた化性の類とも言われ、隠れ里の主となり、神隠しもまた天狗の仕業とされた。現在では主に山神として修験道の信仰の対象となっている。まるで神と妖怪との間を往復し続けている印象だ。鞍馬山で牛若丸に剣術を教えたのも修験道の流れから。折口信夫が唱えた「マレビト」思想の代表者である。
これまたフィクションでの登場は、具体例を挙げきれないほどであるが、演劇に登場例を求めれば、これは「癋見(べしみ)」を挙げるに如くはないだろう。天狗の面であると同時に鬼面でもある。普通の天狗の面でも、口をぐっとへの字に曲げているものが圧倒的に多いが、あの表情を「べしみ」と言うのだ。
漫画では何と言っても、手塚治虫『火の鳥』『鉄腕アトム』シリーズのサルタやお茶の水博士が真っ先に思い浮かぶ。「呪われし一族」としてのサルタたちは、まさに神から妖怪へと落魄した天狗のようである。つげ義春『ゲンセンカン主人』のまがまがしい天狗の面も印象的。
これだけ「有名」で、種々様々な顔を持っている以上、観客のアルルカンや天狗へのイメージは豊穣すぎるほどである。即ち、そんじょそこらの安っぽいドラマに散見するような貧困なイメージでは、観客の心に届く作品には成り得ない。相当にハードルの高い題材なのである。
それを一人芝居で? いかに世界的に盛名を博しているディディエ・ガラス氏とは言え、果たして勝算はあるものなのか、外国人が日本の伝統芸能や文化に惹かれる時に生じやすい浅薄なエキゾチズム、即ち「勘違い」に陥ってはいないか、不安は決して少なくはないのだ。
それが前作では大好評を博したというのだから、期待は大いに膨らんでいる。大きな期待はたいてい裏切られるものだが、これはそうならないことを祈りたい。
いよいよ今日明日!
フランス国立高等演劇学校出身のフランス人俳優が、日本で能楽師に師事して創作した一人芝居ということで、まったく新しい一人芝居を見せてくれそう!
ここまでの全国各地でのツアーも、かなり高評価なので期待してよさそう!!素顔がキュートなディディエさんの熱演に期待。
アトリエ劇研プロデュース!
前作から気になっている舞台の1つ。
今回はアトリエ劇研プロデュースということで、
たぶん私好みの作品だろうと思っています(^_^;)
ただ、この日は仕事で行けないのよー。
残念=