満足度★★★
真面目な公演ではあったのだが…
演奏会形式で、かつ、カヴァー(控え)歌手による公演。
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000554_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/pdf/20000554.pdf
「演奏会形式」と言っても、最近は、衣装を着けて、
簡単な舞台装置もあって、多少は振りもある演出が
多くなってきているように思うが、
この日は、わずかに、最終盤で、
ドン・ジョバンニが騎士長により地獄に引きずり込まれる場面以外は、
本当に「演奏会形式」であった。
皆さん、ある意味「真面目」に歌っているし、
それはそれで結構なのだが、終幕のように多少異色な場面があるとはいえ、
この曲は基本は「オペラ・ブッファ」で、
コミカルな要素がやはり重要と思われるのだが、
その辺が残念ながら今一つか、と感じた次第。
もっとも、そういう要素は、やはり振りがあって、
そして舞台上を動き回ることによって表出されるものかな、と思ったり、
また、そうであれば、この作品は、
演奏会形式で上演することは難しい部類なのかも、とも感じた。
(歌唱だけでドラマ性を表現できる粒ぞろいの歌手を集めれば別だろうが)
個人的に印象に残ったのは、
ドンナ・エルヴィーラを歌った佐藤康子で、
会場の反応も良かったと思う。
一方、ツェルリーナ役の鈴木愛美が、初めが特に硬い気がしたし、
この役独特の、女性の相反する二面性をもっと出してくれればなあ、
と思った次第。
最後に、オケは小規模な弦五部の他は、
ピアノとチェンバロ(指揮の石坂宏が弾く)だけで、
管楽器の音色が楽しめなかったのもちょっと残念であった。
なお、この日は台風並みの低気圧が来た日で、
帰りはちょっと難儀しました。。。