さらば、豚 公演情報 さらば、豚」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    好き
    アングラ感満載の男の芝居。
    東憲司さんと流山児さんの世界観が良く出ていて面白かった。
    役者さんが皆個性があって上手いので引き込まれた。

  • 満足度★★★

    漢(おとこ)の芝居
    なにしろ炭鉱とヤクザと豚なんだから、汗臭く、埃っぽく、野卑な漢達の魅力を堪能した。「由緒正しきアングラ芝居」とはまさに。最前列のベンチシートの真ん中近くだったので多少首とお尻が痛かったものの、満足のいく舞台でした。

  • 満足度★★★★

    本気のシャワーを浴びる
    役者の本気を300%浴びる気持ちのいい舞台。

    空気は古いが、それでもいい。
    舞台上でも開き直って公言している。

    今、これだけの本気を
    観客の五体にたたきつけるが如く発してくれる役者に
    いっぺんに9人も会えるなんて素晴らしい。

    ストーリーがとか
    演出がとか
    そういうことが全く問題にならない作品。

    ネタバレBOX

    「俺は豚じゃねえ!」

    ですからね。
    「俺は豚じゃねえ」連呼。
    なんて潔いんでしょ。
    誰でも分かる。

    しかも全然笑うとこじゃないの。本気。

    で、連呼するんだけど
    「じゃあ、豚とは何か」ってことは
    直接的には言わないんですよね。
    大人だな。

    「お前ら自分で考えやがれ!
     だが俺は豚じゃねえ!」

    ってことですよね。分かりました。

    丸山厚人さんが凄いイケメンでびっくりした。
    兄貴はクリスチャンなのか、仏教徒なのか。
    どうして、人の道を説くんでしょうね?

    今村洋一さんは随分おもしろ子分ぶりが板についていましたね。
    今まで見たことがない顔だった。

    イン役のキグレさんもいいですね。
    インて名字はどこのお国のものでしょうか。
    韓国の名字なのかと思ったけど・・

    保村さんは大分前にオルガンヴィトーでしか観たことがなかったけど
    それまでのイメージとは随分違う役だった。
    年月が経ったということだろう。
    今調べたら、前観たのは10年前だった。
  • 満足度★★★

    豚は人を食べる
    筑豊の廃炭鉱を、這いずりまわるヤクザ達。昭和のうめき。豚とヤクザということで、今村昌平の「豚と軍艦」を思い出しました。あっちはコメディの面があったけど。白スーツ姿の丸山厚人さんのエキセントリックさと、塩野谷正幸さんのサイレント映画の男優の様なルックスが印象に残りました。あ、本多一夫さんのゲスト出演は。。。怪演てやつですかね。ザ・舞台あらし!!

  • 満足度★★★★

    ダークなアングラファンタジー
    閉ざされた空間で生命の危機にさらされながら
    男たちの夢と現実がぶつかり合う、アングラの匂い立ちこめる舞台だった。
    男度100%の芝居は流山児☆事務所の得意とする分野だが、
    男の弱さと哀しさがにじんでいて、しかもエンタメなところが魅力だ。

    ネタバレBOX

    男が一人、九州の廃坑となった炭鉱の中で語り始める。
    「全ては3日前に始まった…」

    彼は桜組の下っ端ヤクザの郷屋(ごうや・若杉宏二)。
    炭鉱が無くなって今やヤクザの収入源は豚を飼うことだ。
    上からの命令でもう5年も仲間と豚の世話をしている。
    その66頭の豚が、ある日突然姿を消した。
    これはやはり豚を飼っていて、敵対する梅組の連中に違いないと考えた郷屋たち5人は、唯一考えられる場所、12年前の忌まわしい廃坑へと豚を探しに行く。
    しかしそこで彼らを待ち受けていたのは、同じように忽然と消えた豚を探しに来た梅組のヤクザ達4人だった…。

    炭鉱の中で「炭坑節」を歌うと必ず落盤事故が起きるという言い伝えが効いている。
    武器を持たなければ不安、誰も信用しない、生き残るためには平気で裏切るというヤクザの習性が、閉ざされた空間の中で疑心暗鬼を増幅させていく。
    その結果恐怖にかられたヤクザ達は次々と殺し合い、生き残った者はある究極の選択を迫られる。

    上手と下手にひとつずつ、2方に伸びる細い坑道がその先にあるものを想像させて不気味。照明の変化で時間と、夢と現実の境界を行き来するのもとても良かった。

    若杉宏二さん演じる郷屋が登場人物を紹介し、状況解説もはさむのだが
    これがとても判り易く、ヤクザの個性やその後の行動を納得するのに助けになった。
    似たような強面のヤクザにもバックグラウンドがあり、
    それぞれの死にざまにつながるから情報が生きて来る。

    今回の塩野谷さんは信用金庫の経理担当者からヤクザに転職した変わり種を演じた。
    これが、性根がヤクザなのは実はこの経理マンではないかという行動に出る。
    びくびくしていたくせに狂気に走るところは、やはり塩野谷さんらしさ全開。

    狼と呼ばれる老兵(本多一夫)が彼らに武器を与え、殺し合いをさせたり
    「炭坑節」を歌って落盤事故を引き起こすように仕向けたり
    幻のような存在ながらヤクザ達を操るというのも、因果応報を感じさせて存在感あり。

    いつの世にも時代と組織に翻弄される男の姿は同じ、
    足を洗って生き方を変えたいと思いながらまた1日が過ぎて行くのも同じ。
    家族の気配薄く、夢ばかり食べている彼らに今の時代が重なる。

    郷屋は結局死んだのか、生き残ったのか・・・?
    あの“落盤事故の時に空を見るための窓”は永遠に開かないだろう。
    「豚は夢をみる」と老兵は言って消えた。
    「人はもっと夢をみる」だろう。
    その哀しみが強く残る舞台だった。

    これが女だったらどうなっただろう。
    同じように殺し合うんだろうか?もっと残酷か…。
    ふとそんなことも考えた。

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