卒塔婆小町 葵上 公演情報 卒塔婆小町 葵上」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/01/10 (金) 19:00

    85分。休憩10分含む。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    三島由紀夫の近代能楽集から「卒塔婆小町」と「葵上」の2編。本演目は未見で戯曲も読んだことがないため、興味津々で東大多目的ホールへ。登場人物の少なさやシンプルな舞台装置、薄暗い中での飄々 時として濃密な会話は別役実作品を観ているような印象。

    この両作品とも、二項対立させながらテーマらしき比喩が浮かび上がる。「卒塔婆小町」は「若い」と「老い」や「生」と「死」といった対比の中に抗えない人の宿命が描かれている。「葵上」は「愛情」と「嫉妬」や「情念」と「諦念」といった人が、特に男女間で起こる感情の縺れを情緒的に描いている。しかし近代能楽とは言え、元が能楽ゆえ若干違うが、「あの世=ワキ」と「この世とあの世との『あはひ』に生きる者=シテ」という基本的な構造は変わらないようだ。

    舞台装置や演出は、幽玄といった雰囲気を醸し出しており観応えがある。しかし演技がその雰囲気の中に溶け込んでいかないのが憾み。外見(観)や発声等は学生演劇の域を出ないのは止むを得ないとしても、演技は工夫の余地があると思う。例えば腰を曲げた老婆(99歳)、その割には俊敏と感じられるような動き。腰を曲げているにも関わらず吸殻を簡単に拾い上げる等…。台詞は 丁寧に発音しており、情感がこめられているだけに惜しい。
    (上演時間1時間30分 休憩兼転換10分)追記予定

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